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民法 自己物の時効取得 最二小判昭和42年7月21日

概要
所有権に基づいて物を占有する者についても、162条が適用される。
判例
事案:所有権に基づいて不動産を占有する者についても、162条の適用があるかが問題となった。

判旨:「民法162条所定の占有者には、権利なくして占有をした者のほか、所有権に基づいて占有をした者をも包含するものと解するのを相当とする(大審院昭和8年(オ)第2301号同9年5月28日判決、民集13巻857頁参照)。すなわち、所有権に基づいて不動産を占有する者についても、民法162条の適用があるものと解すべきである。」
過去問・解説
(H18 司法 第17問 エ)
甲土地の所有権を主張するAに対し、pという時点から長い期間にわたり同土地を占有してきたBが、訴訟において20年の時効による所有権の取得を主張する場合、Bは、時効の援用の意思表示のほかに、p時点における甲土地の所有者がAであったことを主張立証しなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.7.21)は、「所有権に基づいて不動産を占有する者についても、民法162条の適用があるものと解すべきである。」と判示している。そうすると、取得時効の対象物は自己の所有物であってもよいため、目的物が他人の所有にかかることは取得時効成立の要件とならない。したがって、Bが、訴訟において20年の時効による甲土地の所有権の取得を主張する場合、Bは、p時点における甲土地の所有者がAであったことを主張立証する必要はない。

(H19 司法 第5問 1)
他人の物を占有することが取得時効の要件であるので、所有権に基づいて不動産を占有していた場合には、取得時効は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.7.21)は、「所有権に基づいて不動産を占有する者についても、民法162条の適用があるものと解すべきである。」と判示している。したがって、所有権に基づいて不動産を占有していた場合においても、取得時効は成立する。

(H27 共通 第7問 オ)
AがB所有の乙土地を占有し、取得時効が完成した場合において、その取得時効が完成する前に、Cが乙土地をBから譲り受け、その取得時効の完成後にCが乙土地の所有権移転登記をしたときは、Aは、Cに対し、乙土地の所有権を時効取得したことを主張することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.7.21)は、本肢と同種の事案において、不動産の取得時効完成前に原所有者から所有権を取得し時効完成後に移転登記を経由した者に対し、時効取得者は、登記なくして所有権を対抗することができる旨判示している。したがって、本肢においても、Aは、Cに対し、乙土地の所有権を時効取得したことを主張することができる。

(R1 司法 第5問 エ)
自己の所有物を占有する者は、その物について取得時効を援用することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.7.21)は、「所有権に基づいて不動産を占有する者についても、民法162条の適用があるものと解すべきである。」と判示している。したがって、自己の所有物を占有する者は、その物について取得時効を援用することができる。
総合メモ
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