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民法 質権設定者による債権存在確認の訴えの可否 大判昭和5年6月27日

概要
債権者が自己の有する債権に質権を設定した場合において、債権者兼質権設定者は、目的債権の債権存在確認訴訟を提起して、目的債権の消滅時効の中断をすることができる。
判例
事案:債権者が目的債権に質権を設定した場合において、債権者兼質権設定者が、目的債権の債権存在確認訴訟を提起して、目的債権の消滅時効の中断をすることができるかが問題となった。

判旨:「債権ヲ目的トシテ質権ヲ設定シタル場合ニ於テハ質権者ハ其ノ債権ヲ直接ニ取立ツル権利ヲ取得シ質権設定者ハ質入債権ニ付其ノ債務者ニ対シ支払ノ請求ヲ為スコトヲ得サルハ言ヲ俟タサル所ナリト雖債権質ハ債権ノ譲渡ニ非サルヲ以テ債権ノ帰属者ハ依然トシテ質権設定者ニシテ従テ質権設定者ハ債権者トシテ其ノ債権ニ付消滅時効ノ進行ヲ中断セシムルコトヲ得ルモノナリト謂ハサルヘカラス唯質権設定者ハ質権ノ存続スル間ハ債務者ニ対シ自己ニ支払ヲ為スヘキ旨ノ請求ヲ為スコトヲ得サル結果トシテ右ノ如キ請求権ノ行使ニ因リテ消滅時効ヲ中断スルコトヲ得サルヘシト雖債務者カ質権設定者ニ対シテ其ノ債務ヲ承認シタルトキハ固ヨリ質入債権ニ付時効中断ノ効力ヲ生スヘキコト疑ナク又債務者ト質権設定者トノ間ニ債権関係若ハ其ノ基本タル法律関係ノ存否ニ付争アル場合ニ於テ質権設定者カ其ノ存在ノ確定ヲ求ムル訴訟ヲ提起シタル場合ニ於テハ質入債権ニ付時効中断ノ効力ヲ生スルモノト解セサルヘカラス蓋時効中断ノ原因タル裁判上ノ請求ハ給付訴訟ノミニ限定セラルルモノニ非スシテ積極的確認訴訟ヲモ包含スルモノナルヲ以テ債権者カ債権質ノ設定ニ因リ一時債権ノ取立権ヲ有セサル場合ニ於テモ確認訴訟ニ依リテ其ノ債権ノ時効ヲ中断セシムルコトハ毫モ之ヲ妨ケサルヲ以テナリ。」
過去問・解説
(H21 司法 第14問 4)
Aは、Bのために、AがCに対して有する指名債権である金銭債権を目的として、質権を設定し、Cに対して質権の設定を通知した。Aは、目的債権の消滅時効の完成猶予及び更新のために必要があるときは、Cを被告として、債権存在確認の訴えを提起することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭5.6.27)は、債権者が自己の有する債権に質権を設定した場合において、債権者兼質権設定者は、目的債権の債権存在確認訴訟を提起して、目的債権の消滅時効の中断をすることができる旨判示しており、改正民法下における時効の完成猶予及び更新についても同様に解されている。したがって、Aは、目的債権の消滅時効の完成猶予及び更新のために必要があるときは、Cを被告として、債権存在確認の訴えを提起することができる。
総合メモ
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