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民法 土地の明渡請求と登記 大判昭和6年3月31日

概要
不動産の賃借人は、177条の「第三者」に当たる。
判例
事案:不動産の買主が、当該不動産の売主から当該不動産を賃借している賃借人に対して明渡請求を行った場合において、不動産の賃借人が177条の「第三者」に当たるかどうかが問題となった。

判旨:「民法第177条ニ所謂第三者トハ不動産物権ノ得喪及変更ニ付登記ノ欠缺ヲ主張スル正当ノ利益ヲ有スル第三者ヲ指称シ当事者若ハ包括承継人ニ非サル総テノモノヲ包含スルモノニ非サルカ故ニ(明治41年(オ)第269号同年12月15日民事聯合部判決参照)第三者ニシテ不動産物権ノ得喪及変更ニ付登記ノ欠缺ヲ主張シ其ノ物権ノ変動ヲ否認セントセハ必ス其ノ登記ノ欠缺ヲ主張スルニ付正当ノ利益ヲ有スルコトヲ要スルモノトス…本件ニ於テAハ本件家屋ハ其ノ所有者Bヨリ賃借シ内縁ノ妻タルC共ニ之ニ居住シタルモノニシテ決シテ之ヲ不法ニ占拠シタルモノニ非スト主張シDカ本件家屋ヲBヨリ買受ケタルコトヲ否認シタルコト原判決事実摘示ニ依リ明ナル所ナリトス故ニ若シAトB間ノ賃貸借ニシテDノ右家屋買受後モ尚引続キ存続シ居タリトセハA等ノ本件家屋占拠ハ賃借権ニ基キ之ヲ為スモノニ外ナラス縦令其ノ後Dニ於テ該家屋ヲ買受ケ其ノ所有権ヲ取得シタリトスルモ其ノタノ登記ヲ了セサル限リAハDノ所有権取得ニ付登記ノ欠缺セルコトヲ主張シテDノ所有権取得ヲ否認シ得ルモノ換言スレハ右登記ノ欠缺ヲ主張スル正当ノ利益ヲ有スルモノト謂ハサルヘカラス。」
過去問・解説
(H28 共通 第6問 3)
Aがその所有する甲土地をBに賃貸し、Bが甲土地を自動車の駐車場として利用していたところ、甲土地の賃借権の登記がされない間に、AがCに対し甲土地を売却した場合において、CがAからの甲土地の所有権移転登記を経由していないときは、Bは、Cからの甲土地の明渡請求を拒むことができる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭6.3.31)は、不動産の賃借人は、177条の「第三者」に当たる旨判示している。したがって、Aから甲土地を賃借しているBは「第三者」に当たり、Aから甲土地を買い受けたCとは、対抗関係となる。よって、CがAからの甲土地の所有権移転登記を経由していないときは、Cは自己の甲土地所有権取得をBに対抗することができず、Bは、Cからの甲土地の明渡請求を拒むことができる。
総合メモ
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