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民法 譲渡担保権者から譲渡担保権消滅後に目的不動産を譲り受けた者と民法177条の「第三者」 最一小判昭和62年11月12日

概要
不動産が譲渡担保の目的とされ、譲渡担保権設定者から譲渡担保権者への所有権移転登記が経由された場合において、被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に譲渡担保権者から目的不動産を譲り受けた第三者は、背信的悪意者に当たらない限り、177条の「第三者」に当たるため、譲渡担保権設定者は、登記がない限り、その所有権を当該第三者に対抗することができない。
判例
事案:被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に譲渡担保権者から目的不動産を譲り受けた第三者がある場合に、譲渡担保権設定者は、譲渡担保の目的不動産の所有権を、登記なくして当該第三者に対抗することができるかが問題となった。

判旨:「不動産が譲渡担保の目的とされ、設定者から譲渡担保権者への所有権移転登記が経由された場合において、被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に目的不動産が譲渡担保権者から第三者に譲渡されたときは、右第三者がいわゆる背信的悪意者に当たる場合は格別、そうでない限り、譲渡担保設定者は、登記がなければ、その所有権を右第三者に対抗することができないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H21 司法 第16問 イ)
Aは、その所有する不動産を目的として、Aの債権者であるBのために譲渡担保権を設定し、所有権移転登記をした。Aが弁済期に債務を弁済し、譲渡担保権が消滅した後に、Bが目的不動産を第三者に譲渡した場合、譲受人がいわゆる背信的悪意者でない限り、Aは、登記をしなければ不動産の所有権を譲受人に対抗することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭62.11.12)は、「不動産が譲渡担保の目的とされ、設定者から譲渡担保権者への所有権移転登記が経由された場合において、被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に目的不動産が譲渡担保権者から第三者に譲渡されたときは、右第三者がいわゆる背信的悪意者に当たる場合は格別、そうでない限り、譲渡担保設定者は、登記がなければ、その所有権を右第三者に対抗することができないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、Aは、登記をしなければ不動産の所有権を譲受人に対抗することができない。

(H23 司法 第16問 オ)
被担保債権の弁済期が到来し、債務者が被担保債権を弁済した後に、譲渡担保権者が目的不動産を第三者に売却した場合には、当該第三者は、被担保債権が弁済されていることについて知らないで、かつ、知らないことに過失がないときに限り、目的不動産の所有権を取得する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭62.11.12)は、「不動産が譲渡担保の目的とされ、設定者から譲渡担保権者への所有権移転登記が経由された場合において、被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に目的不動産が譲渡担保権者から第三者に譲渡されたときは、右第三者がいわゆる背信的悪意者に当たる場合は格別、そうでない限り、譲渡担保設定者は、登記がなければ、その所有権を右第三者に対抗することができないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、債務者が被担保債権を弁済した後に、譲渡担保権者が目的不動産を第三者に売却した場合には、当該第三者は、被担保債権が弁済されていることについて知っており、又は知らないことに過失があったとしても、背信的悪意者に当たらなければ、目的不動産の所有権を取得する。

(H27 司法 第14問 エ)
不動産が譲渡担保の目的とされ、譲渡担保権の設定者から譲渡担保権者への所有権移転登記がされた場合において、その譲渡担保権に係る債務の弁済により譲渡担保権が消滅した後にその不動産が譲渡担保権者から第三者に譲渡されたときは、譲渡担保権の設定者は、登記がなければ、その所有権をその不動産を譲り受けた第三者に対抗することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭62.11.12)は、「不動産が譲渡担保の目的とされ、設定者から譲渡担保権者への所有権移転登記が経由された場合において、被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に目的不動産が譲渡担保権者から第三者に譲渡されたときは、右第三者がいわゆる背信的悪意者に当たる場合は格別、そうでない限り、譲渡担保設定者は、登記がなければ、その所有権を右第三者に対抗することができないものと解するのが相当である。」と判示している。
総合メモ
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