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民法 立木所有権の優劣 大判大正10年4月14日
概要
立木のみの譲受人は、その権利取得について明認方法を備えることによって、その後、前所有者から立木及びその存する土地を譲り受けて明認方法若しくは登記を備えた第三者に対して、立木所有権の取得を対抗することができる。
判例
事案:立木のみの譲受人と、立木及びその存する土地の譲受人との間の、立木所有権についての優劣の判断方法が問題となった。
判旨:「立木ニ関スル法律ノ適用ヲ受ケサル立木ト雖モ土地ト分離シ独立シテ譲渡ノ目的ト為ルコトヲ得ルモノニシテ其所有権ノ譲渡ヲ第三者ニ対抗スルニハ第三者ヲシテ権利ノ譲渡ヲ明認セシムルニ足ルヘキ行為ヲ為スコトヲ必要トス従テ立木ノ譲受人ハ其権利ノ取得ニ付キ明認行為ナル公示方法ヲ施シタルトキハ第三者ニ対シ絶対ニ其所有権ヲ対抗スルコトヲ得ルモノニシテ土地及ヒ立木ノ前所有者ヨリ更ニ土地及ヒ立木ヲ買受ケタル者カ土地ニ付キ所有権取得ノ登記ヲ為シ若クハ立木ニ付キ明認行為ヲ為シタル場合ト雖モ此等ノ公示方法カ叙上ノ如ク既ニ他ノ権利取得者ノ為メニ明認行為ヲ為シタル後ニ施サレタルモノナルトキハ土地及ヒ立木ノ買受人ハ其ノ立木ノ所有権ヲ以テ既ニ明認行為ヲ為シタル権利取得者ニ対抗スルコトヲ得ス換言スレハ斯ノ如ク立木ノ所有権ニ付キ同一所有者カ数回ノ譲渡ヲ為シタルトキハ立木ノ所有権ハ権利取得ニ付キ最先ニ公示方法ヲ施シタル者ニ帰属シ何人モ其権利取得ヲ争ウコトヲ得サルモノトス。」
判旨:「立木ニ関スル法律ノ適用ヲ受ケサル立木ト雖モ土地ト分離シ独立シテ譲渡ノ目的ト為ルコトヲ得ルモノニシテ其所有権ノ譲渡ヲ第三者ニ対抗スルニハ第三者ヲシテ権利ノ譲渡ヲ明認セシムルニ足ルヘキ行為ヲ為スコトヲ必要トス従テ立木ノ譲受人ハ其権利ノ取得ニ付キ明認行為ナル公示方法ヲ施シタルトキハ第三者ニ対シ絶対ニ其所有権ヲ対抗スルコトヲ得ルモノニシテ土地及ヒ立木ノ前所有者ヨリ更ニ土地及ヒ立木ヲ買受ケタル者カ土地ニ付キ所有権取得ノ登記ヲ為シ若クハ立木ニ付キ明認行為ヲ為シタル場合ト雖モ此等ノ公示方法カ叙上ノ如ク既ニ他ノ権利取得者ノ為メニ明認行為ヲ為シタル後ニ施サレタルモノナルトキハ土地及ヒ立木ノ買受人ハ其ノ立木ノ所有権ヲ以テ既ニ明認行為ヲ為シタル権利取得者ニ対抗スルコトヲ得ス換言スレハ斯ノ如ク立木ノ所有権ニ付キ同一所有者カ数回ノ譲渡ヲ為シタルトキハ立木ノ所有権ハ権利取得ニ付キ最先ニ公示方法ヲ施シタル者ニ帰属シ何人モ其権利取得ヲ争ウコトヲ得サルモノトス。」
過去問・解説
(R1 司法 第8問 エ)
甲土地とその上の立木を所有するAがBに甲土地を立木とともに譲渡し、甲土地についてAからBへの所有権移転登記がされた後、CがAから立木のみを譲り受け、立木について明認方法を備えた場合、Cは立木の所有権をBに主張することができる。
甲土地とその上の立木を所有するAがBに甲土地を立木とともに譲渡し、甲土地についてAからBへの所有権移転登記がされた後、CがAから立木のみを譲り受け、立木について明認方法を備えた場合、Cは立木の所有権をBに主張することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大10.4.14)は、立木のみの譲受人は、その権利取得について明認方法を備えることによって、その後、前所有者から立木及びその存する土地を譲り受けて明認方法若しくは登記を備えた第三者に対して、立木所有権の取得を対抗することができる旨判示している。そうすると、立木のみの譲受人と、立木及びその存する土地の譲受人との間の、立木所有権取得についての優劣は、立木に対する明認方法と、土地についての登記の先後によって決せられる。
本肢においては、甲土地とその上の立木を所有するAがBに甲土地を立木とともに譲渡し、甲土地についてAからBへの所有権移転登記がされた後、CがAから立木のみを譲り受け、立木について明認方法を備えているから、Cが立木に対して備えた明認方法は、甲土地についてBが備えた登記に劣後する。したがって、Cは立木の所有権をBに主張することができない。
判例(大判大10.4.14)は、立木のみの譲受人は、その権利取得について明認方法を備えることによって、その後、前所有者から立木及びその存する土地を譲り受けて明認方法若しくは登記を備えた第三者に対して、立木所有権の取得を対抗することができる旨判示している。そうすると、立木のみの譲受人と、立木及びその存する土地の譲受人との間の、立木所有権取得についての優劣は、立木に対する明認方法と、土地についての登記の先後によって決せられる。
本肢においては、甲土地とその上の立木を所有するAがBに甲土地を立木とともに譲渡し、甲土地についてAからBへの所有権移転登記がされた後、CがAから立木のみを譲り受け、立木について明認方法を備えているから、Cが立木に対して備えた明認方法は、甲土地についてBが備えた登記に劣後する。したがって、Cは立木の所有権をBに主張することができない。