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民法 譲渡担保権者の清算義務 最一小判昭和46年3月25日

概要
貸金債権担保のため債務者所有の不動産につき譲渡担保契約を締結し、債務者が弁済期に債務を弁済すれば、同不動産を債務者に返還するが、弁済をしないときは債務の弁済に代えて確定的に債権者に同不動産の所有権を移転させるとの合意の基に、債権者に所有権移転登記が経由されている場合において、債務者が弁済期に弁済をしないときの譲渡担保権者の清算義務と設定者の目的物引渡義務は、特段の事情がある場合を除き、同時履行の関係となる。
判例
事案:譲渡担保契約が締結され、債務者が弁済期に債務を弁済すれば同不動産を債務者に返還するが、弁済をしないときは債務の弁済に代えて確定的に債権者に同不動産の所有権を移転させるとの合意の基に、債権者に同不動産の所有権移転登記が経由されている場合において、債務者が弁済期に弁済をしないときは、譲渡担保権者の清算義務と設定者の目的物引渡義務とは、同時履行の関係となるのかが問題となった。

判旨:「貸金債権担保のため債務者所有の不動産につき譲渡担保形式の契約を締結し、債務者が弁済期に債務を弁済すれば不動産は債務者に返還するが、弁済をしないときは右不動産を債務の弁済の代わりに確定的に自己の所有に帰せしめるとの合意のもとに、自己のため所有権移転登記を経由した債権者は、債務者が弁済期に債務の弁済をしない場合においては、目的不動産を換価処分し、またはこれを適正に評価することによって具体化する右物件の価額から、自己の債権額を差し引き、なお残額があるときは、これに相当する金銭を清算金として債務者に支払うことを要するのである。そして、この担保目的実現の手段として、債務者に対し右不動産の引渡ないし明渡を求める訴を提起した場合に、債務者が右清算金の支払と引換えにその履行をなすべき旨を主張したときは、特段の事情のある場合を除き、債権者の右請求は、債務者への清算金の支払と引換えにのみ認容されるべきものと解するのが相当である(最高裁判所昭和43年(オ)第371号、同45年9月24日第一小法廷判決)。」
過去問・解説
(H21 司法 第16問 エ)
Aは、その所有する不動産を目的として、Aの債権者であるBのために譲渡担保権を設定し、所有権移転登記をした。Bが、譲渡担保権の実行として、Aに対し目的不動産の引渡しを求める訴えを提起したのに対し、Aが清算金の支払と引換えにその履行をすべき旨を主張したときは、特段の事情のある場合を除き、Bの請求は、Aへの清算金の支払と引換えにのみ認容される。

(正答)

(解説)
判例(最判昭46.3.25)は、 貸金債権担保のため債務者所有の不動産につき譲渡担保契約を締結し、債務者が弁済期に債務を弁済すれば、同不動産を債務者に返還するが、弁済をしないときは債務の弁済に代えて確定的に債権者に同不動産の所有権を移転させるとの合意の基に、債権者に所有権移転登記が経由されている場合において、債務者が弁済期に弁済をしないときの譲渡担保権者の清算義務と設定者の目的物引渡義務は、特段の事情がある場合を除き、同時履行の関係となる旨判示している。本肢においても、Aの債権者であるBのために譲渡担保権が設定され、所有権移転登記が経由されている。そうすると、譲渡担保権者Bの清算義務と設定者Aの目的物引渡義務は、特段の事情がある場合を除き、同時履行の関係になる。
ここで、同時履行の関係にある2つの債務について、片方の債務の履行の請求を求める訴えが提起された場合において、相手方から同時履行の抗弁が主張されたときには、引換給付判決がなされる。したがって、Bが、譲渡担保権の実行として、Aに対し目的不動産の引渡しを求める訴えを提起したのに対し、Aが清算金の支払と引換えにその履行をすべき旨を主張し同時履行の抗弁を主張したときは、特段の事情のある場合を除き、Bの請求は、Aへの清算金の支払と引換えにのみ認容される。
総合メモ
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