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民法 立木所有権と明認方法 最二小判昭和34年8月7日

概要
土地の所有権を移転するにあたり、当事者間の合意によって当該土地上の立木の所有権を土地譲渡人が留保したときは、当該留保を公示するに足る明認方法を講じなければ、当該留保をもってその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗できない。
判例
事案:土地上の立木の所有権を留保して当該土地のみを移転した場合において、当該土地の権利を新たに取得した第三者に対して、当該立木の所有権留保を対抗するためには、明認方法を備えることが必要かが問題となった。

判旨:「立木は本来土地の一部として一個の土地所有権の内容をなすものであるが、土地の所有権を移転するに当り、特に当事者間の合意によつて立木の所有権を留保した場合は、立木は土地と独立して所有権の目的となるものであるが、留保もまた物権変動の一場合と解すべきであるから、この場合には立木につき立木法による登記をするかまたは該留保を公示するに足る明認方法を講じない以上、第三者は全然立木についての所有権留保の事実を知るに由ないものであるから、右登記または明認方法を施さない限り、立木所有権の留保をもつてその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗し得ないものと解するを相当とする。」
過去問・解説
(H26 司法 第11問 イ)
土地を所有する者が売主となる売買において、当事者間で合意をすれば土地上の立木についての所有権を当該売主に留保することができるが、それを第三者に対抗するためには、当該売主が立木の所有者である旨を公示する対抗要件を具備しなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭34.8.7)は、「立木は本来土地の一部として一個の土地所有権の内容をなすものであるが、土地の所有権を移転するに当り、特に当事者間の合意によつて立木の所有権を留保した場合は、立木は土地と独立して所有権の目的となるものであるが、留保もまた物権変動の一場合と解すべきであるから、この場合には立木につき立木法による登記をするかまたは該留保を公示するに足る明認方法を講じない以上、第三者は全然立木についての所有権留保の事実を知るに由ないものであるから、右登記または明認方法を施さない限り、立木所有権の留保をもつてその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗し得ないものと解するを相当とする。」と判示している。

(R1 司法 第8問 ウ)
甲土地とその上の立木を所有するAが立木の所有権を留保して甲土地をBに譲渡した後、BがCに甲土地を立木とともに譲渡した場合、Aは、立木の所有権の留保について登記や明認方法を備えなくても、立木の所有権をCに主張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭34.8.7)は、「立木は本来土地の一部として一個の土地所有権の内容をなすものであるが、土地の所有権を移転するに当り、特に当事者間の合意によつて立木の所有権を留保した場合は、立木は土地と独立して所有権の目的となるものであるが、留保もまた物権変動の一場合と解すべきであるから、この場合には立木につき立木法による登記をするかまたは該留保を公示するに足る明認方法を講じない以上、第三者は全然立木についての所有権留保の事実を知るに由ないものであるから、右登記または明認方法を施さない限り、立木所有権の留保をもつてその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗し得ないものと解するを相当とする。」と判示している。したがって、甲土地とその上の立木を所有するAが立木の所有権を留保して甲土地をBに譲渡した後、BがCに甲土地を立木とともに譲渡した場合、Aは、立木の所有権の留保について登記や明認方法を備えなければ、立木の所有権をCに主張することができない。

(R6 司法 第8問 オ)
Aが所有する甲土地の上にAが植栽した乙立木がある。乙立木について立木ニ関スル法律による所有権保存登記はされていない。
AがHに乙立木の所有権を留保して甲土地を売却した後、HがIに甲土地及び乙立木を売却したときは、Aは、乙立木について明認方法を施さなければ、乙立木の所有権の留保を第三者Iに対抗することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭34.8.7)は、「立木は本来土地の一部として一個の土地所有権の内容をなすものであるが、土地の所有権を移転するに当り、特に当事者間の合意によつて立木の所有権を留保した場合は、立木は土地と独立して所有権の目的となるものであるが、留保もまた物権変動の一場合と解すべきであるから、この場合には立木につき立木法による登記をするかまたは該留保を公示するに足る明認方法を講じない以上、第三者は全然立木についての所有権留保の事実を知るに由ないものであるから、右登記または明認方法を施さない限り、立木所有権の留保をもつてその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗し得ないものと解するを相当とする。」と判示している。したがって、Aは、乙立木について明認方法を施さなければ、乙立木の所有権の留保を第三者Iに対抗することができない。
総合メモ
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