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民法 地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽された立木の所有権と対抗要件 最二小判昭和35年3月1日
概要
立木所有権の地盤所有権からの分離は、立木が地盤に附合したまま移転する本来の物権変動の効果を立木について制限することになるのであるから、その物権的効果を第三者に対抗するためには、少くとも立木所有権を公示する対抗要件が必要である。
判例
事案:Aが訴外Bから本件山林を買い受け、地盤所有者として本件立木を植栽して後、Bはこの山林を別に訴外Cに売り渡して移転登記を得させ、Dは更にCから買受けて移転登記を経たという事案において、Aが本件立木所有権をDらに対抗できるかが問題となった。
判旨:「原審確定の事案によれば、Aが訴外Bから本件山林を買い受け、地盤所有者として本件立木を植栽して後、Bはこの山林を別に訴外Cに売り渡して移転登記を得させ、Dは更にCから買受けて移転登記を経たというのであつて、Aはこの山林所有権につきDらに対抗できないのである。ただ本件立木はAが権原に基づいて植栽したものであるから、民法242条但書を類推すれば、この場合、C・Dらの地盤所有権に対する関係では、本件立木の地盤への附合は遡って否定せられ、立木はAの独立の所有権の客体となりえたわけである。しかしかかる立木所有権の地盤所有権からの分離は、立木が地盤に附合したまま移転する本来の物権変動の効果を立木について制限することになるのであるから、その物権的効果を第三者に対抗するためには、少くとも立木所有権を公示する対抗要件を必要とすると解せられるところ、原審確定の事実によれば、Dらの本件山林所有権の取得は地盤の上の立木をその売買の目的から除外してなされたものとは認められず、かつ、Dらの山林取得当時にはAの施した立木の明認方法は既に消滅してしまつていたというのであるから、Aの本件立木所有権は結局Dらに対抗しえないものと言わなければならない。」
判旨:「原審確定の事案によれば、Aが訴外Bから本件山林を買い受け、地盤所有者として本件立木を植栽して後、Bはこの山林を別に訴外Cに売り渡して移転登記を得させ、Dは更にCから買受けて移転登記を経たというのであつて、Aはこの山林所有権につきDらに対抗できないのである。ただ本件立木はAが権原に基づいて植栽したものであるから、民法242条但書を類推すれば、この場合、C・Dらの地盤所有権に対する関係では、本件立木の地盤への附合は遡って否定せられ、立木はAの独立の所有権の客体となりえたわけである。しかしかかる立木所有権の地盤所有権からの分離は、立木が地盤に附合したまま移転する本来の物権変動の効果を立木について制限することになるのであるから、その物権的効果を第三者に対抗するためには、少くとも立木所有権を公示する対抗要件を必要とすると解せられるところ、原審確定の事実によれば、Dらの本件山林所有権の取得は地盤の上の立木をその売買の目的から除外してなされたものとは認められず、かつ、Dらの山林取得当時にはAの施した立木の明認方法は既に消滅してしまつていたというのであるから、Aの本件立木所有権は結局Dらに対抗しえないものと言わなければならない。」
過去問・解説
(H30 共通 第11問 ア)
AがA所有の甲土地をBに譲渡し、Bが甲土地上に立木を植栽して明認方法を施した場合において、その後、AがCに甲土地を譲渡して、Cに対する所有権移転登記をしたときは、明認方法が存続していたとしても、BはCに対して、立木の所有権を対抗することができない。
AがA所有の甲土地をBに譲渡し、Bが甲土地上に立木を植栽して明認方法を施した場合において、その後、AがCに甲土地を譲渡して、Cに対する所有権移転登記をしたときは、明認方法が存続していたとしても、BはCに対して、立木の所有権を対抗することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭35.3.1)は、本肢と同種の事案において、「立木所有権の地盤所有権からの分離は、立木が地盤に附合したまま移転する本来の物権変動の効果を立木について制限することになるのであるから、その物権的効果を第三者に対抗するためには、少なくとも立木所有権を公示する対抗要件を必要とする」と判示している。
また、判例(最判昭36.5.4)は、「明認方法は、立木に関する法律の適用を受けない立木の物権変動の公示方法として是認されているものであるから、それは、…第三者が利害関係を取得する当時にもそれだけの効果をもつて存在するものでなければなら」ないと判示している。
本肢においては、AがCに甲土地を譲渡して、Cに対する所有権移転登記をするのに先立ち、Bが立木に明認方法を施していた上、CがAから甲土地を譲り受けた当時においても、当該明認方法が存続していた。したがって、BはCに対して、立木の所有権を対抗することができる。
判例(最判昭35.3.1)は、本肢と同種の事案において、「立木所有権の地盤所有権からの分離は、立木が地盤に附合したまま移転する本来の物権変動の効果を立木について制限することになるのであるから、その物権的効果を第三者に対抗するためには、少なくとも立木所有権を公示する対抗要件を必要とする」と判示している。
また、判例(最判昭36.5.4)は、「明認方法は、立木に関する法律の適用を受けない立木の物権変動の公示方法として是認されているものであるから、それは、…第三者が利害関係を取得する当時にもそれだけの効果をもつて存在するものでなければなら」ないと判示している。
本肢においては、AがCに甲土地を譲渡して、Cに対する所有権移転登記をするのに先立ち、Bが立木に明認方法を施していた上、CがAから甲土地を譲り受けた当時においても、当該明認方法が存続していた。したがって、BはCに対して、立木の所有権を対抗することができる。