現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
民法 地盤について所有権移転登記がなされた後に立木についてなされた保存登記の効力 最二小判昭和30年9月23日
概要
立木とその地盤とが同一人の所有に属しており、立木と地盤との所有権を同時に移転する場合において、地盤について所有権移転登記がなされた後に立木についてなされた保存登記の効力は立木にも及ぶ。
判例
事案:立木とその地盤とが同一人の所有に属しており、立木と地盤との所有権を同時に移転する場合において、地盤について所有権移転登記がなされた後に立木についてなされた保存登記の効力は立木にも及ぶかが問題となった。
判旨:「立木とその地盤とが同一人の所有に属するときは、立木の所有権は地盤の所有権に包含せられて、立木と地盤とは1箇の土地所有権の目的となるものであるから、立木と地盤との所有権を同時に移転する場合は、土地所有権の移転登記をなせば、これにより地盤ばかりでなく、立木についても所有権の移転を第三者に対抗できるのである(大審院大正9年1月20日言渡判決、民録26輯4頁参照)。しかるに原判決は本件立木と地盤との所有権は昭和4年12月中Aに譲渡され且つ地盤についてはA名義に同月23日所有権移転登記がなされたことを確定したのであるから、これによりAは、地盤のみならず立木についても、その所有権の取得を以て第三者に対抗しうるにいたったことが明らかである。さればその後の昭和5年9月にいたり右立木につき訴外Bの名義に保存登記がなされたとしても、該登記はすでに対抗要件を備えたものにつき重ねてなされた登記に外ならず、無効であるといわなければならない。従って原判決が、『CがBに対する強制競売手続において本件立木を競落したからといって同人は当時本件立木の所有者でなかったのであるから、右競落によって有効にその所有権を取得するに由なく、右競落を原因として本件立木についてなされたC名義の所有権移転登記は事実に吻合しない無効のものである』とした判断は結局正当である。論旨は立木と地盤とが常に別個独立の公示方法を要するとする独自の見解に立つものであって採用できず、なお論旨引用の判例はすべて本件に適切でない。」
判旨:「立木とその地盤とが同一人の所有に属するときは、立木の所有権は地盤の所有権に包含せられて、立木と地盤とは1箇の土地所有権の目的となるものであるから、立木と地盤との所有権を同時に移転する場合は、土地所有権の移転登記をなせば、これにより地盤ばかりでなく、立木についても所有権の移転を第三者に対抗できるのである(大審院大正9年1月20日言渡判決、民録26輯4頁参照)。しかるに原判決は本件立木と地盤との所有権は昭和4年12月中Aに譲渡され且つ地盤についてはA名義に同月23日所有権移転登記がなされたことを確定したのであるから、これによりAは、地盤のみならず立木についても、その所有権の取得を以て第三者に対抗しうるにいたったことが明らかである。さればその後の昭和5年9月にいたり右立木につき訴外Bの名義に保存登記がなされたとしても、該登記はすでに対抗要件を備えたものにつき重ねてなされた登記に外ならず、無効であるといわなければならない。従って原判決が、『CがBに対する強制競売手続において本件立木を競落したからといって同人は当時本件立木の所有者でなかったのであるから、右競落によって有効にその所有権を取得するに由なく、右競落を原因として本件立木についてなされたC名義の所有権移転登記は事実に吻合しない無効のものである』とした判断は結局正当である。論旨は立木と地盤とが常に別個独立の公示方法を要するとする独自の見解に立つものであって採用できず、なお論旨引用の判例はすべて本件に適切でない。」
過去問・解説
(R6 司法 第8問 エ)
Aが所有する甲土地の上にAが植栽した乙立木がある。乙立木について立木ニ関スル法律による所有権保存登記はされていない。
AがFに甲土地及び乙立木を売却し、甲土地についてFが所有権移転登記を備えた場合には、その後にAがGに乙立木のみを売却し、乙立木についてGが明認方法を施したときであっても、Fは、乙立木の所有権の取得を第三者Gに対抗することができる。
Aが所有する甲土地の上にAが植栽した乙立木がある。乙立木について立木ニ関スル法律による所有権保存登記はされていない。
AがFに甲土地及び乙立木を売却し、甲土地についてFが所有権移転登記を備えた場合には、その後にAがGに乙立木のみを売却し、乙立木についてGが明認方法を施したときであっても、Fは、乙立木の所有権の取得を第三者Gに対抗することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭30.9.23)は、「立木とその地盤とが同一人の所有に属するときは、立木の所有権は地盤の所有権に包含せられて、立木と地盤とは一箇の土地所有権の目的となるものであるから、立木と地盤との所有権を同時に移転する場合は、土地所有権の移転登記をなせば、これにより地盤ばかりでなく、立木についても所有権の移転を第三者に対抗できるのである…。」と判示している。
そうすると、AがFに甲土地及び乙立木を売却し、甲土地についてFが所有権移転登記を備えた場合には、Fは、甲土地だけでなく、乙立木についても所有権の移転を第三者に対抗できる。したがって、その後にAがGに乙立木のみを売却し、乙立木についてGが明認方法を施したときであっても、Fは、乙立木の所有権の取得を第三者Gに対抗することができる。
判例(最判昭30.9.23)は、「立木とその地盤とが同一人の所有に属するときは、立木の所有権は地盤の所有権に包含せられて、立木と地盤とは一箇の土地所有権の目的となるものであるから、立木と地盤との所有権を同時に移転する場合は、土地所有権の移転登記をなせば、これにより地盤ばかりでなく、立木についても所有権の移転を第三者に対抗できるのである…。」と判示している。
そうすると、AがFに甲土地及び乙立木を売却し、甲土地についてFが所有権移転登記を備えた場合には、Fは、甲土地だけでなく、乙立木についても所有権の移転を第三者に対抗できる。したがって、その後にAがGに乙立木のみを売却し、乙立木についてGが明認方法を施したときであっても、Fは、乙立木の所有権の取得を第三者Gに対抗することができる。