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民法 地上権の準共有と179条1項但書 東京地判平成20年10月9日

概要
建物所有を目的とする借地権が準共有されている場合において、準共有者の1人が借地権の目的である土地の所有権を取得したときには、179条1項但書が類推適用され、混同の例外として、当該借地権は消滅しない。
判例
事案:建物所有を目的とする借地権が準共有されている場合において、準共有者の一人が借地権の目的である土地の所有権を取得したとき、当該借地権が消滅するかが問題となった。

判旨:「借地借家法によって効力の強化されている建物所有を目的とする賃借権(借地権)については、民法179条1項の「他の物権」に準じて、同項を類推適用し、その混同消滅の是非を検討するのが相当である。
 本件借地権は、Cらと脱退前Aとの準共有となっていた。そうすると、賃借人脱退前Aの本件借地権は、賃貸人Bと賃借人脱退前A以外の「第三者」であるCらの準共有権の対象とされていたのであるから、民法179条1項ただし書の「当該の物権が第三者の権利の目的あるとき」に該当し、脱退前Aが本件建物及び本件借地権を取得した後、本件建物の底地(本件土地)を取得したからといって、本件借地権は、混同の例外として、消滅しないと解すべきである(東京高判S30・12・24高民集8巻10号739頁結論同旨)。」
過去問・解説
(H24 司法 第12問 2)
甲土地を所有するAがB及びCのために甲土地を目的とする地上権を設定してその旨の登記がされ、その地上権をB及びCが準共有している場合でも、その後、BがAから甲土地の所有権を取得したときは、地上権は消滅する。

(正答)

(解説)
裁判例(東京地判平20.10.9)は、建物所有を目的とする借地権が準共有されている事案において、「借地借家法によって効力の強化されている建物所有を目的とする賃借権(借地権)については、民法179条1項の「他の物権」に準じて、同項を類推適用し、その混同消滅の是非を検討するのが相当である。」と判示した上で、「本件借地権は、Cらと脱退前Aとの準共有となっていた。そうすると、賃借人脱退前Aの本件借地権は、賃貸人Bと賃借人脱退前A以外の「第三者」であるCらの準共有権の対象とされていたのであるから、民法179条1項ただし書の「当該の物権が第三者の権利の目的あるとき」に該当し、脱退前原告が本件建物及び本件借地権を取得した後、本件建物の底地(本件土地)を取得したからといって、本件借地権は、混同の例外として、消滅しないと解すべきである…。」と判示している。この判例の理解は、地上権が準共有されている場合にも妥当すると解される。
したがって、甲土地を目的とする地上権をB及びCが準共有している場合、その後、BがAから甲土地の所有権を取得したときは、Cは、179条1項但書の「第三者」に当たり、当該地上権は、同但書の「当該他の物権が第三者の権利の目的であるとき」に当たるといえる。よって、同但書が適用され、地上権は消滅しない。
総合メモ
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