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民法 占有の要件 最三小判昭和27年2月19日

概要
家屋の所有者が、当該家屋に錠をかけてその鍵を所持する、あるいは標札や貼紙などで当該所有者が現に占有していることを第三者にもわかるようにするなどの方法を講じていなかったからといって、必ずしも当該所有者に家屋の所持がないとはいえない。家屋の所有者が、その家屋の隣家に居住し、常に出入口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にあるときは、所有者はその家屋を所持するものといえる。
判例
事案:家屋の所有者が、当該家屋に錠をかけてその鍵を所持する、あるいは標札や貼紙などで当該所有者が現に占有していることを第三者にもわかるようにするなどの方法を講じていなかった場合において、当該所有者が当該家屋の隣家に居住しており、当該家屋の裏口を常に監視して容易に侵入を制止し得る状況であったという事情があるときには、当該所有者に当該家屋の所持が認められるかが問題となった。

判旨:「論旨は、Aは右家屋に錠をかけてその鍵を所持するとか標札や貼紙などでBが現に占有することが第三者にもわかるようにしておくとか、いうような方法を講じなかつた、と指摘する。しかし、さような手段を執らなかつたからとて、必ずしも所持なしとは言えない。」
 「論旨は、原判決が認定したところによると、右家屋の裏口には外部からの侵入を防ぐに足る何らの措置も講じてなかつたというのだから、たといA方が隣家であつても、所持があつたとは言い得ない、と主張する。しかしA方が隣家であるため、問題の家屋の裏口を常に監視して容易に侵入を制止し得る状況であり、現にBらの侵入に際しAの妻女が制止した事実を原判決が認めたような次第であつて、Aに本件家屋の所持があつたと言い得る。」
過去問・解説
(H21 司法 第8問 イ)
家屋の所有者が、その家屋の隣家に居住し、常に出入口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にあるとしても、その所有者がその家屋に錠をかけて鍵を所持し、又は標札や貼紙によって占有中であることを示さなければ、家屋を占有するものとはいえない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭27.2.19)は、家屋の所有者が、当該家屋に錠をかけてその鍵を所持する、あるいは標札や貼紙などで当該所有者が現に占有していることを第三者にもわかるようにするなどの方法を講じていなかったからといって、必ずしも当該所有者に家屋の所持がないとはいえない旨判示したうえで、家屋の所有者が、その家屋の隣家に居住し、常に出入口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にあるときは、所有者はその家屋を所持するものといえる旨判示している。したがって、家屋の所有者が、その家屋の隣家に居住し、常に出入口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にある場合には、その所有者がその家屋に錠をかけて鍵を所持し、又は標札や貼紙によって占有中であることを示していないとしても、なお家屋を占有するものといえる。
総合メモ
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