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民法 賃借人と所有の意思 最一小判昭和45年6月18日

概要
占有における所有の意思の有無は、占有取得の原因たる事実によって外形的客観的に定められるべきものであるから、賃貸借が法律上効力を生じない場合にあっても、賃貸借により取得した占有は他主占有というべきである。
判例
事案:占有における所有の意思の有無の判断基準が問題となった。

判旨:「占有における所有の意思の有無は、占有取得の原因たる事実によつて外形的客観的に定められるべきものであるから、賃貸借が法律上効力を生じない場合にあつても、賃貸借により取得した占有は他主占有というべきであ…る。」
過去問・解説
(R3 司法 第8問 ウ)
AがB所有の動産甲を無断でCに賃貸した後、Cの責めに帰すべき事由によって甲が損傷した場合、Bから甲の返還を求められたCは、甲の所有者がAであると過失なく信じていたとしても、その損害の全部の賠償をしなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭45.6.18)は、「占有における所有の意思の有無は、占有取得の原因たる事実によつて外形的客観的に定められるべきものであるから、賃貸借が法律上効力を生じない場合にあつても、賃貸借により取得した占有は他主占有というべきであ…る。」と判示している。したがって、Cは、Aから賃貸借により甲を取得しているため、当該賃貸借が、AがB所有の動産甲を無断でCに賃貸したものであって法律上効力を生じない場合であったとしても、Cの動産甲に対する占有は他主占有であるといえる。
ここで、191条は、「占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。」と規定している。上記の通り、Cの動産甲に対する占有は他主占有であるため、Cは「所有の意思のない占有者」であるといえ、同条ただし書が適用される。
したがって、Cの責めに帰すべき事由によって甲が損傷した場合、甲の所有者がAであると過失なく信じていたとしても、その損害の全部の賠償をしなければならない。
総合メモ
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