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民法 即時取得における無過失の立証責任 最一小判昭和41年6月9日
概要
192条による即時取得の成立を主張する動産の占有者は、同条の「過失がないとき」の立証責任を負わない。
判例
事案:192条による即時取得の成立を主張する動産の占有者は、同条の「過失がないとき」の立証責任を負うかが問題となった。
判旨:「思うに、右法条にいう「過失なきとき」とは、物の譲渡人である占有者が権利者たる外観を有しているため、その譲受人が譲渡人にこの外観に対応する権利があるものと誤信し、かつこのように信ずるについて過失のないことを意味するものであるが、およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」
判旨:「思うに、右法条にいう「過失なきとき」とは、物の譲渡人である占有者が権利者たる外観を有しているため、その譲受人が譲渡人にこの外観に対応する権利があるものと誤信し、かつこのように信ずるについて過失のないことを意味するものであるが、およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」
過去問・解説
(H19 司法 第9問 3)
占有者から動産を譲り受けてその占有を取得した者は、即時取得を主張するために、自己に過失がないことを立証しなければならない。
占有者から動産を譲り受けてその占有を取得した者は、即時取得を主張するために、自己に過失がないことを立証しなければならない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭41.6.9)は、即時取得(192条)の成否が問題となった事案において、「およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」と判示している。
判例(最判昭41.6.9)は、即時取得(192条)の成否が問題となった事案において、「およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」と判示している。
(H27 共通 第13問 1)
Aが、A所有の甲動産を占有するBに対し、所有権に基づく甲動産の引渡請求訴訟を提起したところ、Bは、Aの夫Cから質権の設定を受けその質権を即時取得した旨の反論をした。占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定されるから、Bは、質権の即時取得の成立を基礎付ける事実を主張・立証する必要はない。
Aが、A所有の甲動産を占有するBに対し、所有権に基づく甲動産の引渡請求訴訟を提起したところ、Bは、Aの夫Cから質権の設定を受けその質権を即時取得した旨の反論をした。占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定されるから、Bは、質権の即時取得の成立を基礎付ける事実を主張・立証する必要はない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭41.6.9)は、即時取得(192条)の成否が問題となった事案において、「およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」と判示している。そうすると、Bは、甲動産につきCが無権利者であることについて善意であることにつき「過失がない」ことを立証する必要はないといえるが、推定されない他の即時取得の成立を基礎づける事実(「取引行為」によって「動産の占有を始めた」こと(192条))については、なお主張・立証する責任を負う。したがって、Bは、なおこれらの、質権の即時取得の成立を基礎づける事実を主張・立証する必要がある。
判例(最判昭41.6.9)は、即時取得(192条)の成否が問題となった事案において、「およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」と判示している。そうすると、Bは、甲動産につきCが無権利者であることについて善意であることにつき「過失がない」ことを立証する必要はないといえるが、推定されない他の即時取得の成立を基礎づける事実(「取引行為」によって「動産の占有を始めた」こと(192条))については、なお主張・立証する責任を負う。したがって、Bは、なおこれらの、質権の即時取得の成立を基礎づける事実を主張・立証する必要がある。
(H28 司法 第9問 ア)
Aがその占有する時計をBに売却した場合において、Bが、即時取得により当該時計の所有権を取得したことを主張するためには、当該時計の引渡しの当時、自己に過失がなかったことを立証しなければならない。
Aがその占有する時計をBに売却した場合において、Bが、即時取得により当該時計の所有権を取得したことを主張するためには、当該時計の引渡しの当時、自己に過失がなかったことを立証しなければならない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭41.6.9)は、即時取得(192条)の成否が問題となった事案において、「およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」と判示している。したがって、Bが、即時取得により当該時計の所有権を取得したことを主張するためには、当該時計の引渡しの当時、自己に過失がなかったことを立証する必要はない。
判例(最判昭41.6.9)は、即時取得(192条)の成否が問題となった事案において、「およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」と判示している。したがって、Bが、即時取得により当該時計の所有権を取得したことを主張するためには、当該時計の引渡しの当時、自己に過失がなかったことを立証する必要はない。