現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

民法 指図による占有移転と即時取得 最三小判昭和57年9月7日

概要
指図による占有移転の方法による占有取得は、「動産の占有を始めた」(192条)に含まれる。
判例
事案:指図による占有移転の方法による占有取得が、「動産の占有を始めた」(192条)に含まれるかが問題となった。

判旨:「Aが右寄託者台帳上の寄託者名義の変更によりBから本件豚肉につき占有代理人をCとする指図による占有移転を受けることによつて民法192条にいう占有を取得したものであるとした原審の判断は、正当として是認することができる。」
過去問・解説
(H28 予備 第5問 オ)
Aは、甲をBに賃貸していたところ、Bが甲をCに寄託した。その後、BがAに無断で甲をDに売却するとともに、Cに対し以後Dのために甲を占有するように命じた。Dは、甲がBの所有物であると過失なく信じて、Cによる甲の占有を承諾した。この場合、Aは、Dに対し、甲の返還を求めることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭57.9.7)は、指図による占有移転の方法による占有取得は、「動産の占有を始めた」(192条)に含まれる旨判示している。BがAに無断で甲をDに売却するとともに、Cに対し以後Dのために甲を占有するように命じ、Dは、Cによる甲の占有を承諾しており、このことから、Dは、指図による占有移転(184条)の方法によって甲の占有を取得したといえる。そうすると、甲がBの所有物であると過失なく信じているDは、即時取得(192条)により甲の所有権を取得するから、反対にAは、甲の所有権を失う。したがって、この場合、Aは、Dに対し、甲の返還を求めることができない。

(R2 共通 第8問 ウ)
Aは、B所有の宝石をBから賃借して引渡しを受けた上、宝石をCに預けていたが、宝石をDに売却し、Cに対し、宝石を今後Dのために占有するよう命じ、Dがこれを承諾した。この場合、Dは、宝石がA所有であると信じ、かつ、そのことに過失がなかったとしても、即時取得により宝石の所有権を取得することはない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭57.9.7)は、指図による占有移転の方法による占有取得は、「動産の占有を始めた」(192条)に含まれる旨判示している。AがB所有の宝石をDに売却し、Cに対し、宝石を今後Dのために占有するよう命じ、Dがこれを承諾しており、このことから、Dは、指図による占有移転(184条)の方法によってB所有の宝石の占有を取得したといえる。そうすると、当該宝石がA所有であると信じ、かつ、そのことに過失がなかったDは、192条の要件を満たすから、即時取得により当該宝石の所有権を取得することができる。
総合メモ
前の判例 次の判例