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民法 占有回収の訴えにおける「占有を奪われたとき」 大判大正11年11月27日

概要
200条1項の「占有を奪われたとき」とは、占有者の意思に反して占有を奪われることをいい、占有移転が他人の欺罔によって生じた場合は、「占有を奪われたとき」に当たらない。
判例
事案:200条1項の「占有を奪われたとき」の定義が問題となった。

判旨:「民法第200条第1項ノ「占有者カ其ノ占有物ヲ奪ハレタルトキ」トハ占有者カ其ノ意思ニ因ラスシテ物ノ所持ヲ失ヒタル場合ヲ指称スルモノナレハ占有侵奪ノ事実アルニハ占有者自ラ占有ノ意思ヲ失ヒタルニ非サルコトヲ要ス故ニ占有者カ他人ニ任意ニ物ノ占有ヲ移転シタルトキハ仮令其ノ移転ノ意思カ他人ノ欺罔ニ因リテ生シタル場合ナリトスルモ占有侵奪ノ事実アリト謂フヲ得ス。」
過去問・解説
(H26 司法 第10問 3)
A大学の図書館所蔵の書籍甲を、同大学教授Bが借り出し、図書館と同一の構内にある自己の研究室で利用していた。Bが研究室から自宅に甲を持ち帰る途中、電車内に甲を置き忘れたところ、Fがこれを拾得して現に所持している場合、Bは、Fに対し、占有回収の訴えにより甲の返還を求めることができる。

(正答)

(解説)
判例(大判大11.11.27)は、「民法第200条第1項ノ「占有者カ其ノ占有物ヲ奪ハレタルトキ」トハ占有者カ其ノ意思ニ因ラスシテ物ノ所持ヲ失ヒタル場合ヲ指称スルモノナレハ占有侵奪ノ事実アルニハ占有者自ラ占有ノ意思ヲ失ヒタルニ非サルコトヲ要ス。」と判示している。この判例の理解によれば、占有者が遺失した物を他人が拾った場合は、200条1項の「占有を奪われたとき」に当たらないといえる。
したがって、Bが研究室から自宅に甲を持ち帰る途中、電車内に甲を置き忘れたところ、Fがこれを拾得して現に所持している場合は、「占有を奪われたとき」に当たらず、Bは、Fに対し、同項の占有回収の訴えにより甲の返還を求めることはできない。

(R2 司法 第9問 エ)
Aは、自己の所有する自転車をBに詐取された。この場合、Aは、Bに対し、占有回収の訴えにより自転車の返還を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判大11.11.27)は、「民法第200条第1項ノ「占有者カ其ノ占有物ヲ奪ハレタルトキ」トハ占有者カ其ノ意思ニ因ラスシテ物ノ所持ヲ失ヒタル場合ヲ指称スルモノナレハ占有侵奪ノ事実アルニハ占有者自ラ占有ノ意思ヲ失ヒタルニ非サルコトヲ要ス故ニ占有者カ他人ニ任意ニ物ノ占有ヲ移転シタルトキハ仮令其ノ移転ノ意思カ他人ノ欺罔ニ因リテ生シタル場合ナリトスルモ占有侵奪ノ事実アリト謂フヲ得ス。」と判示している。したがって、Aは、自己の所有する自転車をBに詐取されているが、これは200条1項の「占有を奪われたとき」には当たらない。よって、Aは、Bに対し、占有回収の訴えにより自転車の返還を請求することができない。
総合メモ
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