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民法 所有権に基づく返還請求権を行使する相手方の占有 大判昭和13年1月28日
概要
占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人は、間接占有者として、他人の土地の所有権を侵害している者に他ならないから、当該土地の所有者は、当該賃貸人に対して、物権的請求権を行使することができる。
判例
事案:占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人に対して、当該土地の所有者が、物権的請求権を行使することができるかが問題となった。
判旨:「賃貸人ハ賃借人ヲシテ賃貸借ノ目的物ノ使用収益ヲ為サシムル為之ヲ賃借人ニ引渡シタル後ニ於テモ之ニ対スル占有ヲ失フモノニアラス蓋目的物ノ引渡ヲ受ケタル賃借人ハ賃貸借ノ目的タル使用収益ヲ為ス為ニ之ヲ所持スルモノ即「自己ノ為ニスル意思ヲ以テ物ヲ所持スル」者ナルト同時ニ賃貸借関係ニ基キ賃貸人ノ為ニ善良ナル管理者ノ注意ヲ用ヒテ目的物ヲ保管シ賃貸借終了ノ場合ニ於テハ之ヲ賃貸人ニ返還スヘキ義務ヲ負ヘル者ナレハ賃借人ノ占有ニカカル賃貸借ノ目的物ハ常ニ賃借人ヲ介シテ賃貸人ノ事実上ノ支配ノ中ニアリ即賃貸人ノ間接占有ノ下ニ有リト云フヘキヲ以テナリ従テ他人ノ物ヲ占有スヘキ権限ナキニ拘ラス之ヲ第三者ニ賃貸シテ引渡ヲ了シ同人ヲシテ使用収益セシメツツアル賃貸人ハ他人ノ物ヲ不法ニ占有スル者即他人ノ所有権ヲ侵害スル者ニ外ナラス物ノ所有者ハ右ノ賃貸人ニ対シ所有権ニ基キ所有権侵害ヲ止ムヘキコトヲ要求スル権能アルコト明白ナリトス(当院昭和4年(オ)第1809号昭和5年5月3日言渡判決参照)。」
判旨:「賃貸人ハ賃借人ヲシテ賃貸借ノ目的物ノ使用収益ヲ為サシムル為之ヲ賃借人ニ引渡シタル後ニ於テモ之ニ対スル占有ヲ失フモノニアラス蓋目的物ノ引渡ヲ受ケタル賃借人ハ賃貸借ノ目的タル使用収益ヲ為ス為ニ之ヲ所持スルモノ即「自己ノ為ニスル意思ヲ以テ物ヲ所持スル」者ナルト同時ニ賃貸借関係ニ基キ賃貸人ノ為ニ善良ナル管理者ノ注意ヲ用ヒテ目的物ヲ保管シ賃貸借終了ノ場合ニ於テハ之ヲ賃貸人ニ返還スヘキ義務ヲ負ヘル者ナレハ賃借人ノ占有ニカカル賃貸借ノ目的物ハ常ニ賃借人ヲ介シテ賃貸人ノ事実上ノ支配ノ中ニアリ即賃貸人ノ間接占有ノ下ニ有リト云フヘキヲ以テナリ従テ他人ノ物ヲ占有スヘキ権限ナキニ拘ラス之ヲ第三者ニ賃貸シテ引渡ヲ了シ同人ヲシテ使用収益セシメツツアル賃貸人ハ他人ノ物ヲ不法ニ占有スル者即他人ノ所有権ヲ侵害スル者ニ外ナラス物ノ所有者ハ右ノ賃貸人ニ対シ所有権ニ基キ所有権侵害ヲ止ムヘキコトヲ要求スル権能アルコト明白ナリトス(当院昭和4年(オ)第1809号昭和5年5月3日言渡判決参照)。」
過去問・解説
(H21 司法 第7問 1)
所有権に基づく返還請求権を行使する相手方の占有は、直接占有でなければならず、間接占有であってはならない。
所有権に基づく返還請求権を行使する相手方の占有は、直接占有でなければならず、間接占有であってはならない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭13.1.28)は、占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人は、間接占有者として、他人の土地の所有権を侵害している者に他ならないから、当該土地の所有者は、当該賃貸人に対して、物権的請求権を行使することができる旨判示している。したがって、所有権に基づく返還請求権を行使する相手方の占有は、間接占有であってもよい。
判例(大判昭13.1.28)は、占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人は、間接占有者として、他人の土地の所有権を侵害している者に他ならないから、当該土地の所有者は、当該賃貸人に対して、物権的請求権を行使することができる旨判示している。したがって、所有権に基づく返還請求権を行使する相手方の占有は、間接占有であってもよい。
(H24 共通 第11問 3)
Aは、B所有の土地に何らの権原なく建物を建て、この建物をCに賃貸した。この場合、建物を占有しているのはCであるから、Bは、Aに対して、建物を収去して土地を明け渡すことを請求することはできない。
Aは、B所有の土地に何らの権原なく建物を建て、この建物をCに賃貸した。この場合、建物を占有しているのはCであるから、Bは、Aに対して、建物を収去して土地を明け渡すことを請求することはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭13.1.28)は、占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人は、間接占有者として、他人の土地の所有権を侵害している者に他ならないから、当該土地の所有者は、当該賃貸人に対して、物権的請求権を行使することができる旨判示している。したがって、Aが、B所有の土地に何らの権原なく建物を建て、この建物をCに賃貸した場合においても、Aは、当該建物の間接占有者として、B所有の土地の所有権を侵害している者に他ならず、Bは、Aに対して、建物を収去して土地を明け渡すことを請求することができる。
判例(大判昭13.1.28)は、占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人は、間接占有者として、他人の土地の所有権を侵害している者に他ならないから、当該土地の所有者は、当該賃貸人に対して、物権的請求権を行使することができる旨判示している。したがって、Aが、B所有の土地に何らの権原なく建物を建て、この建物をCに賃貸した場合においても、Aは、当該建物の間接占有者として、B所有の土地の所有権を侵害している者に他ならず、Bは、Aに対して、建物を収去して土地を明け渡すことを請求することができる。