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民法 共有持分権に基づく物権的請求権 最三小判平成10年3月24日
概要
共有者の1人が他の共有者の同意を得ることなく共有物に変更を加えた場合には、他の共有者は、行為の全部の禁止を求めることができるだけでなく、共有物を原状に復することが不能であるなどの特段の事情がない限り、当該変更により生じた結果を除去して共有物を原状に復させることを求めることもできる。
判例
事案:共有者の1人が他の共有者の同意を得ることなく共有物に変更を加えた場合、他の共有者が、当該行為の禁止及び当該共有物を原状に復させることを求めることができるかどうかが問題となった。
判旨:「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、他の共有者は、各自の共有持分権に基づいて、右行為の全部の禁止を求めることができるだけでなく、共有物を原状に復することが不能であるなどの特段の事情がある場合を除き、右行為により生じた結果を除去して共有物を原状に復させることを求めることもできると解するのが相当である。」
判旨:「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、他の共有者は、各自の共有持分権に基づいて、右行為の全部の禁止を求めることができるだけでなく、共有物を原状に復することが不能であるなどの特段の事情がある場合を除き、右行為により生じた結果を除去して共有物を原状に復させることを求めることもできると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H24 共通 第11問 4)
畑として使用されてきた土地をA、B及びCが持分3分の1ずつで共有していたところ、第三者が、Aの承諾を得て、その土地を造成して宅地にしようとした。この場合、Cは、単独で、その第三者に対し、共有持分権に基づく物権的請求権の行使として、土地全体について造成行為の禁止を求めることができる。
畑として使用されてきた土地をA、B及びCが持分3分の1ずつで共有していたところ、第三者が、Aの承諾を得て、その土地を造成して宅地にしようとした。この場合、Cは、単独で、その第三者に対し、共有持分権に基づく物権的請求権の行使として、土地全体について造成行為の禁止を求めることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平10.3.24)は、「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、他の共有者は、各自の共有持分権に基づいて、右行為の全部の禁止を求めることができる」と判示しており、この判例の理解は、共有者ではない第三者が、共有者の一部からのみの同意に基づいて、共有物に変更を加える行為をしている場合にも妥当すると解されている。
本肢においては、第三者は、Aの承諾を得るのみで、他の共有者B及びCの承諾を得ずに、共有物である土地に変更を加えようとしているのであるから、Cは、単独で、その第三者に対し、共有持分権に基づく物権的請求権の行使として、土地全体について造成行為の禁止を求めることができる。
判例(最判平10.3.24)は、「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、他の共有者は、各自の共有持分権に基づいて、右行為の全部の禁止を求めることができる」と判示しており、この判例の理解は、共有者ではない第三者が、共有者の一部からのみの同意に基づいて、共有物に変更を加える行為をしている場合にも妥当すると解されている。
本肢においては、第三者は、Aの承諾を得るのみで、他の共有者B及びCの承諾を得ずに、共有物である土地に変更を加えようとしているのであるから、Cは、単独で、その第三者に対し、共有持分権に基づく物権的請求権の行使として、土地全体について造成行為の禁止を求めることができる。
(H27 司法 第9問 イ)
Aが3分の1、Bが3分の2の持分で甲土地を共有している。Aに無断でBが甲土地を農地から宅地にする造成工事を行い、甲土地の形状を変更している場合、Aは、Bに対し、その工事の差止めを求めることができる。
Aが3分の1、Bが3分の2の持分で甲土地を共有している。Aに無断でBが甲土地を農地から宅地にする造成工事を行い、甲土地の形状を変更している場合、Aは、Bに対し、その工事の差止めを求めることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平10.3.24)は、「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、他の共有者は、各自の共有持分権に基づいて、右行為の全部の禁止を求めることができる」と判示している。本肢においては、Aに無断でBが甲土地を農地から宅地にする造成工事を行い、甲土地の形状を変更しているから、Aは、自己の共有持分権に基づいて、Bに対し、その工事の差止めを求めることができる。
判例(最判平10.3.24)は、「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、他の共有者は、各自の共有持分権に基づいて、右行為の全部の禁止を求めることができる」と判示している。本肢においては、Aに無断でBが甲土地を農地から宅地にする造成工事を行い、甲土地の形状を変更しているから、Aは、自己の共有持分権に基づいて、Bに対し、その工事の差止めを求めることができる。
(R4 共通 第10問 イ)
A、B及びCが甲土地を各3分の1の割合で共有している。AがB及びCの同意を得ずに農地である甲土地の宅地造成工事を完了した場合には、原状回復ができるときであっても、Bは、甲土地の原状回復を請求することができない。
A、B及びCが甲土地を各3分の1の割合で共有している。AがB及びCの同意を得ずに農地である甲土地の宅地造成工事を完了した場合には、原状回復ができるときであっても、Bは、甲土地の原状回復を請求することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平10.3.24)は、「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、…共有物を原状に復することが不能であるなどの特段の事情がある場合を除き、右行為により生じた結果を除去して共有物を原状に復させることを求めることもできると解するのが相当である。」と判示している。したがって、AがB及びCの同意を得ずに農地である甲土地の宅地造成工事を完了した場合において、原状回復ができるときは、Bは、甲土地の原状回復を請求することができる。
判例(最判平10.3.24)は、「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、…共有物を原状に復することが不能であるなどの特段の事情がある場合を除き、右行為により生じた結果を除去して共有物を原状に復させることを求めることもできると解するのが相当である。」と判示している。したがって、AがB及びCの同意を得ずに農地である甲土地の宅地造成工事を完了した場合において、原状回復ができるときは、Bは、甲土地の原状回復を請求することができる。