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民法 入会団体の構成員の妨害排除請求 最一小判昭和57年7月1日

概要
①入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求については、構成員各自が単独で行うことができる。
②入会部落の構成員は、自己の有する使用収益権を根拠として、入会地について経由された地上権設定仮登記の抹消登記手続を請求することができない。
判例
事案:①入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求について、構成員各自が単独で行うことができるかが問題となった。
 ②入会部落の構成員が有する使用収益権に基づいて、構成員各自が、入会地について経由された地上権設定仮登記の抹消登記手続を請求することができるかが問題となった。

判旨:①「入会部落の構成員が入会権の対象である山林原野において入会権の内容である使用収益を行う権能は、入会部落の構成員たる資格に基づいて個別的に認められる権能であつて、入会権そのものについての管理処分の権能とは異なり、部落内で定められた規律に従わなければならないという拘束を受けるものであるとはいえ、本来、各自が単独で行使することができるものであるから、右使用収益権を争い又はその行使を妨害する者がある場合には、その者が入会部落の構成員であるかどうかを問わず、各自が単独で、その者を相手方として自己の使用収益権の確認又は妨害の排除を請求することができるものと解するのが相当である。」
 ②「当事者参加人らの請求中本件山林について経由された地上権設定仮登記の抹消登記手続請求の当否について検討するに、当事者参加人らが有する使用収益権を根拠にしては右抹消登記手続を請求することはできないものと解するのが相当である。けだし、原審が適法に確定したところによれば、当事者参加人らが入会部落の構成員として入会権の内容である使用収益を行う権能は、本件山林に立ち入つて採枝、採草等の収益行為を行うことのできる権能にとどまることが明らかであるところ、かかる権能の行使自体は、特段の事情のない限り、単に本件山林につき地上権設定に関する登記が存在することのみによつては格別の妨害を受けることはないと考えられるからである。もつとも、かかる地上権設定に関する登記の存在は、入会権自体に対しては侵害的性質をもつといえるから、入会権自体に基づいて右登記の抹消請求をすることは可能であるが、かかる妨害排除請求権の訴訟上の主張、行使は、入会権そのものの管理処分に関する事項であつて、入会部落の個々の構成員は、右の管理処分については入会部落の一員として参与しうる資格を有するだけで、共有におけるような持分権又はこれに類する権限を有するものではないから、構成員各自においてかかる入会権自体に対する妨害排除としての抹消登記を請求することはできないのである。」
過去問・解説
(H24 司法 第13問 1)
入会団体の構成員は、入会権の目的となっている山林原野の使用収益を妨げる者がいる場合には、別段の慣習がない限り、単独で、その者に対し、妨害排除を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭57.7.1)は、「入会部落の構成員が入会権の対象である山林原野において入会権の内容である使用収益を行う権能は、入会部落の構成員たる資格に基づいて個別的に認められる権能であつて、…本来、各自が単独で行使することができるものであるから、右使用収益権を争い又はその行使を妨害する者がある場合には、その者が入会部落の構成員であるかどうかを問わず、各自が単独で、その者を相手方として自己の使用収益権の確認又は妨害の排除を請求することができるものと解するのが相当である。」と判示している。

(H29 共通 第10問 オ)
入会団体の構成員が採枝・採草の収益を行う権能を有する入会地がある場合において、その入会地にA名義の不実の地上権設定登記があるときは、その入会団体の構成員であるBは、Aに対し、入会地におけるBの使用収益権に基づき、当該地上権設定登記の抹消登記手続を求めることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭57.7.1)は、入会団体の構成員は、自己の有する使用収益権を根拠として、入会地について経由された地上権設定仮登記の抹消登記手続を請求することができない旨判示している。したがって、入会地にA名義の不実の地上権設定登記があるときであっても、その入会団体の構成員であるBは、Aに対し、入会地におけるBの使用収益権に基づき、当該地上権設定登記の抹消登記手続を求めることができない。

(R5 共通 第12問 オ)
入会権の行使を妨害する者に対する妨害排除請求権の行使は、別段の慣習がない限り、入会団体の構成員の全員でしなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭57.7.1)は、「入会部落の構成員が入会権の対象である山林原野において入会権の内容である使用収益を行う権能は、入会部落の構成員たる資格に基づいて個別的に認められる権能であつて、…本来、各自が単独で行使することができるものであるから、右使用収益権を争い又はその行使を妨害する者がある場合には、その者が入会部落の構成員であるかどうかを問わず、各自が単独で、その者を相手方として自己の使用収益権の確認又は妨害の排除を請求することができるものと解するのが相当である。」と判示している。
総合メモ
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