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民法 留置権の抗弁と引換給付判決 最一小判昭和33年3月13日

概要
物の引渡を求める訴訟において、被告の留置権の抗弁を認容する場合には、引換給付判決がされる。
判例
事案:物の引渡を求める訴訟において、被告の留置権の抗弁を認容する場合、請求棄却判決をするべきか、引換給付判決をするべきかが問題となった。

判旨:「留置権は、物の占有者がその物に関して生じた債権の弁済を受けるまでその物を留置することを得るに過ぎないものであつて、物に関して生じた債権を他の債権に優先して弁済を受けしめることを趣旨とするものではない。従つて、裁判所は、物の引渡請求に対する留置権の抗弁を理由ありと認めるときは、その引渡請求を棄却することなく、その物に関して生じた債権の弁済と引換に物の引渡を命ずべきものと解するを相当とする。」
過去問・解説
(H28 司法 第12問 オ)
質権の目的物を所有する債務者が、質権者に対して被担保債権を消滅させずに目的物の返還を求める訴訟を提起した場合に質権の主張が認められるときは、債務者の請求は棄却されるが、留置権の目的物を所有する債務者が、留置権者に対して被担保債権を消滅させずに目的物の返還を求める訴訟を提起した場合に留置権の主張が認められるときは、引換給付判決がされる。

(正答)

(解説)
判例(大判大9.3.29)は、質権の目的物を所有する債務者が、質権者に対して被担保債権を消滅させずに目的物の返還を求める訴訟を提起した場合に質権の主張が認められるときは、引換給付判決ではなく請求棄却判決が下される旨判示している。したがって、本肢前段は正しい。
また、判例(最判昭33.3.13)は、「裁判所は、物の引渡請求に対する留置権の抗弁を理由ありと認めるときは、その引渡請求を棄却することなく、その物に関して生じた債権の弁済と引換に物の引渡を命ずべきものと解するを相当とする。」と判示している。したがって、本肢後段も正しい。

(H29 共通 第11問 イ)
AからB、BからCに建設機械が順次売却され、BがAに対して代金を支払っていない場合に、Cが提起した所有権に基づく建設機械の引渡請求訴訟においてAの留置権が認められるときは、Cの請求は棄却される。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.3.13)は、「裁判所は、物の引渡請求に対する留置権の抗弁を理由ありと認めるときは、その引渡請求を棄却することなく、その物に関して生じた債権の弁済と引換に物の引渡を命ずべきものと解するを相当とする。」と判示している。したがって、Cが提起した所有権に基づく建設機械の引渡請求訴訟においてAの留置権が認められるときは、Cの請求は棄却されるのではなく、引換給付判決がされる。
総合メモ
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