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民法 不法占拠と有益費償還請求権 最二小判昭和46年7月16日

概要
建物の賃借人が、債務不履行により賃貸借契約を解除された後、当該建物を占有する権原のないことを知りながら当該建物を不法に占有する間に、当該建物について有益費を支出しても、その者は、295条2項の類推適用により、同費用の償還請求権に基づいて当該建物に留置権を行使することはできない。
判例
事案:建物賃貸借契約解除後の不法占有中に支出した有益費について、295条2項が類推適用されるかどうかが問題となった。

判旨:「亡Aが、本件建物の賃貸借契約が解除された後は右建物を占有すべき権原のないことを知りながら不法にこれを占有していた旨の原判決の認定・判断は、挙示の証拠関係に徴し首肯することができる。そして、亡Aが右のような状況のもとに本件建物につき支出した有益費の償還請求権については、民法295条2項の類推適用により、Bらは本件建物につき、右請求権に基づく留置権を主張することができないと解すべきである(最高裁判所昭和39年(オ)第654号同41年3月3日第一小法廷判決、民集20巻3号386頁参照)。」
過去問・解説
(H29 共通 第11問 ウ)
AがBから甲建物を賃借していたが、Aの賃料不払によりその賃貸借契約が解除された後、明渡しの準備をしている間にAが甲建物について有益費を支出した場合、Aは、Bに対し、その費用の償還請求権を被担保債権とする留置権を行使して甲建物の明渡しを拒むことはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭46.7.16)は、建物の賃借人が、債務不履行により賃貸借契約を解除された後、当該建物を占有する権原のないことを知りながら当該建物を不法に占有する間に、当該建物について有益費を支出しても、その者は、295条2項の類推適用により、同費用の償還請求権に基づいて当該建物に留置権を行使することはできない旨判示している。したがって、AがBから甲建物を賃借していたが、Aの賃料不払によりその賃貸借契約が解除された後、明渡しの準備をしている間にAが甲建物について有益費を支出した場合においても、当該有益費の支出はAの不法占有中に支出されたものである以上、295条2項が類推適用されるため、Aは、Bに対し、その費用の償還請求権を被担保債権とする留置権を行使して甲建物の明渡しを拒むことはできない。
総合メモ
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