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民法 詐害行為取消訴訟における資力が回復したことの主張立証時期 大判大正5年5月1日
概要
詐害行為取消の訴えにおいて、債権者は、取消の対象となる行為の際に債務者が無資力であったことを主張立証すれば足り、詐害行為取消権行使の際の債務者の資産状態については、相手方の抗弁がない限り主張立証する必要はない。
判例
事案:詐害行為取消の訴えにおいて、取消の対象となる行為の際に債務者が無資力であったことを超えて、詐害行為取消権行使の際の債務者の資産状態についても、債権者が主張立証する必要があるかが問題となった。
判旨:「詐害行為取消ノ訴ハ債務者カ債権者ヲ害スルコトヲ知リテ為シタル法律行為ノ取消ヲ求ムル訴ナルヲ以テ其取消ヲ求メラルル行為ヲ為シタル当時ニ於テ債務者ノ資産カ負債ヲ償却スルコト能ハサル状態ニ在リタルコトヲ判示スルヲ以テ足ルモノニシテ取消訴権行使当時ノ債務者ノ資産状態ニ付テハ相手方ヨリ特ニ此点ニ付テノ抗弁ナキ限リハ此点ニ渉リ説明判断ヲ為スノ必要ナキモノトス。」
判旨:「詐害行為取消ノ訴ハ債務者カ債権者ヲ害スルコトヲ知リテ為シタル法律行為ノ取消ヲ求ムル訴ナルヲ以テ其取消ヲ求メラルル行為ヲ為シタル当時ニ於テ債務者ノ資産カ負債ヲ償却スルコト能ハサル状態ニ在リタルコトヲ判示スルヲ以テ足ルモノニシテ取消訴権行使当時ノ債務者ノ資産状態ニ付テハ相手方ヨリ特ニ此点ニ付テノ抗弁ナキ限リハ此点ニ渉リ説明判断ヲ為スノ必要ナキモノトス。」
過去問・解説
(H27 共通 第17問 オ)
AがBに対して融資をしていたところ、Bがその所有する建物をBの妻Cに贈与し、その旨の所有権移転登記手続をしたことから、Aが詐害行為取消訴訟を提起した。この場合、Aは、BC間の贈与契約の当時Bが無資力であったことを主張・立証すれば足り、詐害行為取消訴訟の口頭弁論終結時までにBの資力が回復したことは、Cが主張・立証しなければならない。
AがBに対して融資をしていたところ、Bがその所有する建物をBの妻Cに贈与し、その旨の所有権移転登記手続をしたことから、Aが詐害行為取消訴訟を提起した。この場合、Aは、BC間の贈与契約の当時Bが無資力であったことを主張・立証すれば足り、詐害行為取消訴訟の口頭弁論終結時までにBの資力が回復したことは、Cが主張・立証しなければならない。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大5.5.1)は、詐害行為取消の訴えにおいて、債権者は、取消の対象となる行為の際に債務者が無資力であったことを主張立証すれば足り、詐害行為取消権行使の際の債務者の資産状態については、相手方の抗弁がない限り主張立証する必要はない旨判示している。したがって、Aが詐害行為取消訴訟を提起した場合、Aは、BC間の贈与契約の当時Bが無資力であったことを主張・立証すれば足り、詐害行為取消訴訟の口頭弁論終結時までにBの資力が回復したことは、Cが主張・立証しなければならない。
判例(大判大5.5.1)は、詐害行為取消の訴えにおいて、債権者は、取消の対象となる行為の際に債務者が無資力であったことを主張立証すれば足り、詐害行為取消権行使の際の債務者の資産状態については、相手方の抗弁がない限り主張立証する必要はない旨判示している。したがって、Aが詐害行為取消訴訟を提起した場合、Aは、BC間の贈与契約の当時Bが無資力であったことを主張・立証すれば足り、詐害行為取消訴訟の口頭弁論終結時までにBの資力が回復したことは、Cが主張・立証しなければならない。