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民法 賃貸借契約における保証人からの一方的な保証契約の解約の可否 大判昭和8年4月6日
概要
賃貸借契約における賃借人の賃貸人に対する債務を期間の定めなく保証した者は、保証契約の締結後相当期間を経過し、かつ、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情があるときには、保証人は、賃貸人に対する一方的な意思表示により当該保証契約を解除することができる。
判例
事案:賃貸借契約における賃借人の賃貸人に対する債務を期間の定めなく保証した者が、保証契約の締結後相当期間を経過し、かつ、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという事情がある場合において、保証人が、賃貸人に対する一方的な意思表示により当該保証契約を解除することができるかが問題となった。
判旨:「保証人ハ主タル債務者カ其ノ債務ヲ履行セサル場合ニ於テ其ノ履行ヲ為ス責ニ任スルモノナレハ賃借人ノ為保証ヲ為シタル者ハ其ノ賃借人ノ支払ヲ怠リタル賃料及損害金等カ日時ノ経過ニ因リ増額スルモ之ヲ支払フヘキ責任ヲ辞スルコトヲ得スト雖其保証人カ期間ノ定ナキ保証契約ヲ締結シタル後相当ノ期間ヲ経過シ且賃借人カ屡賃料ノ支払ヲ怠リ将来ニ於テモ誠実ニ其ノ債務ヲ履行スヘキ見込ナキニ拘ラス賃貸人カ依然トシテ賃借人ヲシテ賃貸物ノ使用収益ヲ為サシメ賃貸借解除明渡等ノ処置ヲ為ササル場合ニ於テ而モ保証人カ保証責任ノ存続ヲ欲セサルトキト雖尚賃借人ノ債務不履行ニ付保証人ノ責任ヲ免ルルコトヲ得スト為スハ信義ノ原則ニ反スルモノト謂フヘキヲ以テ斯ノ如キ場合ニハ保証人ハ賃貸人ニ対スル一方的意思表示ニ依リ保証契約ヲ解除スルコトヲ得ルモノト解スルヲ相当トス(昭和7年(オ)第225号同年12月17日当院判決参照)。」
判旨:「保証人ハ主タル債務者カ其ノ債務ヲ履行セサル場合ニ於テ其ノ履行ヲ為ス責ニ任スルモノナレハ賃借人ノ為保証ヲ為シタル者ハ其ノ賃借人ノ支払ヲ怠リタル賃料及損害金等カ日時ノ経過ニ因リ増額スルモ之ヲ支払フヘキ責任ヲ辞スルコトヲ得スト雖其保証人カ期間ノ定ナキ保証契約ヲ締結シタル後相当ノ期間ヲ経過シ且賃借人カ屡賃料ノ支払ヲ怠リ将来ニ於テモ誠実ニ其ノ債務ヲ履行スヘキ見込ナキニ拘ラス賃貸人カ依然トシテ賃借人ヲシテ賃貸物ノ使用収益ヲ為サシメ賃貸借解除明渡等ノ処置ヲ為ササル場合ニ於テ而モ保証人カ保証責任ノ存続ヲ欲セサルトキト雖尚賃借人ノ債務不履行ニ付保証人ノ責任ヲ免ルルコトヲ得スト為スハ信義ノ原則ニ反スルモノト謂フヘキヲ以テ斯ノ如キ場合ニハ保証人ハ賃貸人ニ対スル一方的意思表示ニ依リ保証契約ヲ解除スルコトヲ得ルモノト解スルヲ相当トス(昭和7年(オ)第225号同年12月17日当院判決参照)。」
過去問・解説
(H22 司法 第18問 エ)
賃貸借契約において賃借人が賃貸人に対して負う債務を期間の定めなく保証した保証人は、保証契約の成立後相当の期間が経過したときは、保証契約を将来に向けて解約することができる。
賃貸借契約において賃借人が賃貸人に対して負う債務を期間の定めなく保証した保証人は、保証契約の成立後相当の期間が経過したときは、保証契約を将来に向けて解約することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭8.4.6)は、賃貸借契約における賃借人の賃貸人に対する債務を期間の定めなく保証した者は、保証契約の締結後相当期間を経過し、かつ、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情があるときには、保証人は、賃貸人に対する一方的な意思表示により当該保証契約を解除することができる旨判示している。したがって、保証契約の成立後相当の期間が経過したときであっても、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情がなければ、保証契約を将来に向けて解約することはできない。
判例(大判昭8.4.6)は、賃貸借契約における賃借人の賃貸人に対する債務を期間の定めなく保証した者は、保証契約の締結後相当期間を経過し、かつ、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情があるときには、保証人は、賃貸人に対する一方的な意思表示により当該保証契約を解除することができる旨判示している。したがって、保証契約の成立後相当の期間が経過したときであっても、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情がなければ、保証契約を将来に向けて解約することはできない。