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民法 無記名定期預金の相殺と478条 最三小判昭和48年3月27日

概要
銀行が、定期預金債権に担保の設定をうけ、または、当該債権を受働債権として相殺をする予定のもとに、新たに貸付をする場合においては、預金者を定め、その者に対し貸付をし、これによって生じた貸金債権を自働債権として定期預金債務と相殺がされるに至ったとき等は、銀行は、銀行が預金者と定めた者が真実の預金者と異なるとしても、銀行として尽くすべき相当な注意を用いた場合は、478条の類推適用によって、銀行が預金者と定めた者に対する貸金債権と定期預金債務との相殺等をもって真実の預金者に対抗できる。
判例
事案:銀行が定期預金の預金者と認定した者に対して貸付をした場合において、貸付債権と定期預金債務を相殺するときに、478条の類推適用がされるかが問題となった。

判旨:「銀行が、無記名定期預金債権に担保の設定をうけ、または、右債権を受働債権として相殺をする予定のもとに、新たに貸付をする場合においては、預金者を定め、その者に対し貸付をし、これによって生じた貸金債権を自働債権として無記名定期預金債務と相殺がされるに至ったとき等は、実質的には、無記名定期預金の期限前払戻と同視することができるから、銀行は、銀行が預金者と定めた者(以下、表見預金者という。)が真実の預金者と異なるとしても、銀行として尽くすべき相当な注意を用いた以上、民法478条の類推適用…によつて、表見預金者に対する貸金債権と無記名定期預金債務との相殺等ををもつて真実の預金者に対抗しうるものと解する…。」
過去問・解説
(H26 共通 第21問 イ)
AがB銀行に対する定期預金債権を有していたところ、Cが、Aと称して、B銀行に対し、その定期預金債権を担保とした貸付けの申込みをし、B銀行は、CをAと誤信したため貸付けに応じた。その後、貸付金債権の履行期に弁済がなかったため、B銀行がその貸付金債権を自働債権としてその定期預金債権と相殺をした場合において、貸付けの際に、金融機関として負担すべき相当の注意義務を尽くしていたときは、B銀行は、その相殺をもってAに対抗することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭48.3.27)は、「銀行が、無記名定期預金債権に担保の設定をうけ、…新たに貸付をする場合においては、預金者を定め、その者に対し貸付をし、これによって生じた貸金債権を自働債権として無記名定期預金債務と相殺がされるに至ったとき等は、実質的には、無記名定期預金の期限前払戻と同視することができるから、銀行は、銀行が預金者と定めた者(以下、表見預金者という。)が真実の預金者と異なるとしても、銀行として尽くすべき相当な注意を用いた以上、民法478条の類推適用…によつて、表見預金者に対する貸金債権と無記名定期預金債務との相殺等ををもつて真実の預金者に対抗しうるものと解する…。」と判示している。本肢においても、貸付金債権の履行期に弁済がなかったため、B銀行がその貸付金債権を自働債権としてその定期預金債権と相殺をした場合において、貸付けの際に、金融機関として負担すべき相当の注意義務を尽くしていたときは、B銀行は、その相殺をもってAに対抗することができる。
総合メモ
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