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民法 賃料の支払いと債務の本旨に従った弁済の提供 最三小判昭和31年11月27日

概要
甲家屋の賃貸人がその賃料の支払を催告したのに対し、賃借人が、乙家屋と丙土地もともに賃貸借の目的物であると争って、甲家屋の賃料に乙家屋と丙土地の相当賃料額を合わせた金員を、この全額を受領しなければ支払わない意思で提供した場合には、債務の本旨に従った履行の提供があったものとはいえない。
判例
事案:賃借人が、賃貸人が要求する賃貸物の賃料の支払いに加え、他の不動産も賃貸借の目的物であるとして、その賃料もともに受領しなければ支払わないという意思で提供した場合おいて、債務の本旨に従った履行の提供があったと認められるかが問題となった。

判旨:「被上告人の延滞賃料の催告は別紙第1目録(イ)の家屋に関するものであつて、(ロ)の家屋と同第2目録(ハ)の土地とは上告人において賃貸していなかつたものである。しかるに上告人は被上告人の催告に対し右(ロ)の家屋と(ハ)の土地とが(イ)の家屋とともに賃貸借の目的物であるとし、この部分をも含めた賃料を提供し、この全額を受領しなければ支払わない意思であつたという趣旨である。右催告は所論のように不適法なものではなくこのような場合に、賃貸人が、争われている目的物に相当する賃料をも合せて受領すれば、それが賃貸借の目的物となっていることを承認していたと認められる資料となるおそれがあるから、債務の本旨に従った履行の提供があつたものとすることはできず、賃貸人が提供の全額について受領を拒絶するのは相当であって、受領の遅滞もまた生ずるものでないと解するを相当とする。」
過去問・解説
(R1 司法 第20問 オ)
甲土地の賃貸人がその賃料の支払を催告したのに対し、賃借人が、賃貸借の目的物ではない乙土地も共に賃貸借の目的物であると主張して、甲土地の賃料額を超える額の金員を、その全額が受領されるのでなければ支払わない意思で提供した場合、債務の本旨に従った弁済の提供があったものとはいえない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭31.11.27)は、本肢と同種の事案において、「被上告人の延滞賃料の催告は別紙第1目録(イ)の家屋に関するものであつて、(ロ)の家屋と同第2目録(ハ)の土地とは上告人において賃貸していなかつたものである。しかるに上告人は被上告人の催告に対し右(ロ)の家屋と(ハ)の土地とが(イ)の家屋とともに賃貸借の目的物であるとし、この部分をも含めた賃料を提供し、この全額を受領しなければ支払わない意思であつたという趣旨である。右催告は所論のように不適法なものではなくこのような場合に、賃貸人が、争われている目的物に相当する賃料をも合せて受領すれば、それが賃貸借の目的物となっていることを承認していたと認められる資料となるおそれがあるから、債務の本旨に従った履行の提供があつたものとすることはでき」ないと判示している。したがって、甲土地の賃貸人がその賃料の支払を催告したのに対し、賃借人が、賃貸借の目的物ではない乙土地も共に賃貸借の目的物であると主張して、甲土地の賃料額を超える額の金員を、その全額が受領されるのでなければ支払わない意思で提供した場合、債務の本旨に従った弁済の提供があったものとはいえない。
総合メモ
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