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民法 請負人の報酬債権と注文者の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺 最一小判昭和53年9月21日

概要
請負人の注文者に対する報酬債権と注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権とは、同時履行の関係にあるものの、その対等額により相殺することが許され、この理は、相殺に供される自働債権と受働債権の金額に差異があることにより異ならない。
判例
事案:債権額の異なる請負人の報酬債権と注文者の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権とが存在する場合において、両債権を相殺することができるかが問題となった。

判旨:「請負契約における注文者の工事代金支払義務と請負人の目的物引渡義務とは対価的牽連関係に立つものであり、瑕疵ある目的物の引渡を受けた注文者が請負人に対し取得する瑕疵修補に代る損害賠償請求権は、右法律関係を前提とするもので、実質的・経済的には、請負代金を減額し、請負契約の当事者が相互に負う義務につきその間に等価関係をもたらす機能を有するのであって(最高裁昭和50年(オ)第485号同51年3月4日第一小法廷判決・民集30巻2号48頁参照)、しかも、請負人の注文者に対する工事代金債権と注文者の請負人に対する瑕疵修補に代る損害賠償債権は、ともに同一の原因関係に基づく金銭債権である。以上のような実質関係に着目すると、右両債権は同時履行の関係にある…とはいえ、相互に現実の履行をさせなければならない特別の利益があるものとは認められず、両債権のあいだで相殺を認めても、相手方に対し抗弁権の喪失による不利益を与えることにはならないものと解される。むしろ、このような場合には、相殺により清算的調整を図ることが当事者双方の便宜と公平にかない、法律関係を簡明ならしめるゆえんでもある。この理は、相殺に供される自働債権と受働債権の金額に差異があることにより異なるものではない。したがって、本件工事代金債権と瑕疵修補に代る損害賠償債権とは、その対当額による相殺を認めるのが相当であり、右と同旨の原判決は正当として是認することができる。」
過去問・解説
(H23 共通 第23問 エ)
請負人の注文者に対する請負代金債権と、注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償請求権は、同時履行の関係にあるため、注文者及び請負人は、原則として共に相殺することができないが、双方の債権額が等しい場合には例外として相殺をすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭53.9.21)は、請負人の注文者に対する報酬債権と注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権とは、同時履行の関係にあるものの、その対等額により相殺することが許され、この理は、相殺に供される自働債権と受働債権の金額に差異があることにより異ならない旨判示している。

(H27 共通 第20問 オ)
注文者は、請負人に対する目的物の瑕疵の修補に代わる損害賠償債権を自働債権として、請負人の注文者に対する報酬債権と相殺することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭53.9.21)は、請負人の注文者に対する報酬債権と注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権とは、同時履行の関係にあるものの、その対等額により相殺することが許され、この理は、相殺に供される自働債権と受働債権の金額に差異があることにより異ならない旨判示している。
総合メモ
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