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民法 特定物の他人物売買契約の所有物の移転時期 大判大正8年7月5日

概要
売買の目的物が他人所有の特定物である場合、売主が後日その物の所有権を取得したときには、当事者の何らの意思表示を要せず、その物は当然に直ちに買主の所有に帰する。
判例
事案:売買の目的物が他人所有の特定物である場合において、売主が後日その物の所有権を取得したとき、その物の所有権は当然に買主に帰属することとなるかが問題となった。

判旨:「他人ノ物ヲ自己ノ所有ニ属スルモノト誤信シ之ヲ第三者ニ売却シタル場合ハ民法第562条ニ規定セル売主カ契約ノ当時其売却シタル権利ノ自己ニ属セサルコトヲ知ラサリシ場合ニ該当スルカ故ニ同法第560条ニ従ヒ売主ハ其権利ヲ取得シテ之ヲ買主ニ移転スルノ義務ヲ有スルモノニシテ而テ其売買ノ目的タル物カ他人所有ノ特定物ナル場合ニ売主カ後日其物ノ所有権ヲ取得スルニ至リタルトキハ当事者ニ於テ更ニ何等ノ意思表示ヲ為スコトヲ要セス其物ハ当然直ニ買主ノ所有ニ帰スルモノトス蓋シ売買ニ因リテ所有権ヲ移転スルニハ売買契約ノ外尚所有権ノ移轂ヲ目的トスル物権契約ヲ締結スルコトヲ必要トスル法制ニ在リテハ叙上ノ場合ニ売主ハ更ニ買主ニ対シ所有権ヲ移轂スヘキ意思表示ヲ為スコトヲ要スルハ当然ナレトモ我民法ノ如ク特定物ニ関スル所有権ハ売買ノ意思表示ニ依リテ直ニ買主ニ移転スヘキ法制ノ下ニ在リテハ上記売買ノ目的タル第三者所有ノ特定物ノ所有権カ売主ニ帰属スルニ至リタルトキハ売買ノ効力ハ直ニ実現シ其物ノ所有権ハ何等ノ意思表示ヲ為スコトナク当然直ニ買主ニ移轂スル。」
過去問・解説
(H21 司法 第27問 エ)
Aが所有する甲不動産について、Bを売主とし、Cを買主とする売買契約が成立した。甲不動産の所有権は売買契約成立時にBからCに移転するが、BがAから所有権を取得することができないため売買契約が解除された場合は、甲不動産の所有権はCからAに直接復帰する。

(正答)

(解説)
判例(大判大8.7.5)は、売買の目的物が他人所有の特定物である場合、売主が後日その物の所有権を取得したときには、当事者の何らの意思表示を要せず、その物は当然に直ちに買主の所有に帰する旨判示している。したがって、Aが所有する甲不動産について、Bを売主とし、Cを買主とする売買契約が成立した場合には、甲不動産の所有権は、当該売買契約成立時ではなく、BがAから甲不動産の所有権を取得したときに初めてBからCに移転する。
総合メモ
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