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民法 給付者及び受益者双方に不法な原因がある場合 最三小判昭和29年8月31日

概要
消費貸借契約の締結において、貸主の側に多少の不法があったとしても、当該不法が微弱なものであり、借主の側の不法に比べれば問題とならない程度のものであるならば、既に交付された物の返還請求に関して708条は適用されず、貸主は貸金の返還を請求することができる。
判例
事案:消費貸借契約の締結において貸主の側に多少の不法があった場合において、当該違法が借主の側の不法に比べれば問題にならない程度のものであったとしても、既に交付された物の返還請求に関して708条が適用されるのかが問題となった。

判旨:「上告人が本件貸金を為すに至つた経路において多少の不法的分子があつたとしても、その不法的分子は甚だ微弱なもので、これを被上告人の不法に比すれば問題にならぬ程度のものである。殆ど不法は被上告人の一方にあるといつてもよい程のものであつて、かかる場合は既に交付された物の返還請求に関する限り民法第90条も第708条もその適用なきものと解するを相当とする。」
過去問・解説
(H19 司法 第28問 3)
給付者に不法な原因がある場合には、受益者により大きい不法な原因があるときでも、給付者から受益者に対する給付物返還請求が認められることはない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭29.8.31)は、「上告人が本件貸金を為すに至つた経路において多少の不法的分子があつたとしても、その不法的分子は甚だ微弱なもので、これを被上告人の不法に比すれば問題にならぬ程度のものである。殆ど不法は被上告人の一方にあるといつてもよい程のものであつて、かかる場合は既に交付された物の返還請求に関する限り民法第90条も第708条もその適用なきものと解するを相当とする。」と判示している。したがって、給付者に不法な原因がある場合においても、受益者により大きい不法な原因があるときは、給付者から受益者に対する給付物返還請求が認められることがありうる。

(R1 司法 第27問 オ)
消費貸借が、その成立の経緯において、貸主の側に少しでも不法があったときは、借主の側に多大の不法があったとしても、貸主は貸金の返還を請求することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭29.8.31)は、「上告人が本件貸金を為すに至つた経路において多少の不法的分子があつたとしても、その不法的分子は甚だ微弱なもので、これを被上告人の不法に比すれば問題にならぬ程度のものである。殆ど不法は被上告人の一方にあるといつてもよい程のものであつて、かかる場合は既に交付された物の返還請求に関する限り民法第90条も第708条もその適用なきものと解するを相当とする。」と判示している。したがって、消費貸借が、その成立の経緯において、貸主の側に少しの不法があるにすぎず、借主の側に多大の不法があったときには、708条が適用されず、貸主が貸金の返還を請求することができる場合がある。
総合メモ
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