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民法 不法原因給付と抵当権設定登記の抹消請求 最二小判昭和40年12月17日
概要
賭博行為によって生じた金銭債権の担保のために、債務者所有の不動産に抵当権が設定され、その登記がされた場合において、債務者が当該抵当権設定登記の抹消を請求する行為には、708条は適用されない。
判例
事案:不法な契約によって生じた債権のために抵当権が設定され、その登記がされた場合において、抵当権設定者が当該抵当権設定登記の抹消を請求したとき、当該請求に708条が適用されるかが問題となった。
判旨:「按ずるに、このような事実関係のもとにおいては、被上告人が右抵当権設定登記の抹消を求めることは、一見民法708条の適用を受けて許されないようであるが、他面、上告人が右抵当権を実行しようとすれば、被上告人において賭博行為が民法90条に違反することを理由としてその行為の無効、したがつて被担保債権の不存在を主張し、その実行を阻止できるものというべきであり、被担保債権の存在しない抵当権の存続は法律上許されないのであるから、このような場合には、結局、民法708条の適用はなく、被上告人において右抵当権設定登記の抹消を上告人に対して請求できるものと解するのが相当である。」
判旨:「按ずるに、このような事実関係のもとにおいては、被上告人が右抵当権設定登記の抹消を求めることは、一見民法708条の適用を受けて許されないようであるが、他面、上告人が右抵当権を実行しようとすれば、被上告人において賭博行為が民法90条に違反することを理由としてその行為の無効、したがつて被担保債権の不存在を主張し、その実行を阻止できるものというべきであり、被担保債権の存在しない抵当権の存続は法律上許されないのであるから、このような場合には、結局、民法708条の適用はなく、被上告人において右抵当権設定登記の抹消を上告人に対して請求できるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H19 司法 第15問 ウ)
金銭消費貸借契約に基づく貸金債権について抵当権の設定登記がなされたが、その金銭消費貸借契約が公序良俗に違反するとともに、貸金の交付が不法原因給付に当たる場合、抵当権設定者は、抵当権者に対して、抵当権設定登記の抹消を求めることができる。
金銭消費貸借契約に基づく貸金債権について抵当権の設定登記がなされたが、その金銭消費貸借契約が公序良俗に違反するとともに、貸金の交付が不法原因給付に当たる場合、抵当権設定者は、抵当権者に対して、抵当権設定登記の抹消を求めることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭40.12.17)は、賭博行為によって生じた金銭債権の担保のために、債務者所有の不動産に抵当権が設定され、その登記がされた場合において、債務者が当該抵当権設定登記の抹消を請求する行為には、708条は適用されない旨判示している。したがって、金銭消費貸借契約に基づく貸金債権について抵当権の設定登記がなされたが、その金銭消費貸借契約が公序良俗に違反するとともに、貸金の交付が不法原因給付に当たる場合においては、抵当権設定者が抵当権者に対して抵当権設定登記の抹消を請求する行為について、708条は適用されないため、抵当権設定者は、抵当権者に対して、抵当権設定登記の抹消を求めることができる。
判例(最判昭40.12.17)は、賭博行為によって生じた金銭債権の担保のために、債務者所有の不動産に抵当権が設定され、その登記がされた場合において、債務者が当該抵当権設定登記の抹消を請求する行為には、708条は適用されない旨判示している。したがって、金銭消費貸借契約に基づく貸金債権について抵当権の設定登記がなされたが、その金銭消費貸借契約が公序良俗に違反するとともに、貸金の交付が不法原因給付に当たる場合においては、抵当権設定者が抵当権者に対して抵当権設定登記の抹消を請求する行為について、708条は適用されないため、抵当権設定者は、抵当権者に対して、抵当権設定登記の抹消を求めることができる。