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民法 土地の工作物等の占有者及び所有者の責任 大判昭和3年6月7日
概要
土地の工作物の設置または保存についての瑕疵が、前所有者が所有していた際に生じたものである場合であっても、現所有者は、717条1項により、当該瑕疵によって生じた損害について責任を負担する。
判例
事案:土地の工作物の設置又は保存についての瑕疵が、前所有者が所有していた際に生じたものである場合において、現所有者が、当該瑕疵により生じた損害について所有者責任(717条1項)を負うかが問題となった。
判旨:「然レトモ土地ノ工作物ノ設置又ハ保存ニ瑕疵アルニ因リテ他人ニ損害ヲ生シタルトキハ第1次ニ其ノ占有者ニ於テ第二次ニ其ノ所有者ニ於テ之カ賠償ノ責ニ任スヘキモノナルコトハ民法第717条第1項ノ規定スル所ニシテ占有者ハ損害ノ発生ヲ防止スルニ必要ナル注意ヲ為シタルコトヲ立証シテ其ノ責任ヲ免ルルコトヲ得ルモ所有者ハ斯ル瑕疵アル工作物ヲ所有スルコトニ因リテ其ノ責ニ任スヘキモノニシテ其ノ瑕疵ヲ生シタルコトニ付過失ナカリシコトヲ立証シテ責ヲ免カルルコトヲ得サルモノトス是民法第714条第1項第715条第1項第718条第1項ニ各但書ノ規定アルモ第717条ニ斯ル規定ナキニ依リテ明ナリ故ニ工作物ノ所有者ハ自ラ之ヲ設置セス従テ其ノ設置又ハ保存ニ因ル瑕疵カ前所有者ノ所有シタル際ニ生シタル場合ニ於テモ現ニ該工作物ヲ所有スルノ一事ニ因リテ其ノ瑕疵ニ対スル責任ヲ負担スヘキモノト謂ハサルヲ得ス。」
判旨:「然レトモ土地ノ工作物ノ設置又ハ保存ニ瑕疵アルニ因リテ他人ニ損害ヲ生シタルトキハ第1次ニ其ノ占有者ニ於テ第二次ニ其ノ所有者ニ於テ之カ賠償ノ責ニ任スヘキモノナルコトハ民法第717条第1項ノ規定スル所ニシテ占有者ハ損害ノ発生ヲ防止スルニ必要ナル注意ヲ為シタルコトヲ立証シテ其ノ責任ヲ免ルルコトヲ得ルモ所有者ハ斯ル瑕疵アル工作物ヲ所有スルコトニ因リテ其ノ責ニ任スヘキモノニシテ其ノ瑕疵ヲ生シタルコトニ付過失ナカリシコトヲ立証シテ責ヲ免カルルコトヲ得サルモノトス是民法第714条第1項第715条第1項第718条第1項ニ各但書ノ規定アルモ第717条ニ斯ル規定ナキニ依リテ明ナリ故ニ工作物ノ所有者ハ自ラ之ヲ設置セス従テ其ノ設置又ハ保存ニ因ル瑕疵カ前所有者ノ所有シタル際ニ生シタル場合ニ於テモ現ニ該工作物ヲ所有スルノ一事ニ因リテ其ノ瑕疵ニ対スル責任ヲ負担スヘキモノト謂ハサルヲ得ス。」
過去問・解説
(R1 司法 第28問 ウ)
Aが所有する甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによってBに損害が生じた場合には、その瑕疵がAの前の所有者が甲建物を所有していた時期に生じたものであるときであっても、Aは、甲建物の所有者として損害賠償の責任を負う。
Aが所有する甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによってBに損害が生じた場合には、その瑕疵がAの前の所有者が甲建物を所有していた時期に生じたものであるときであっても、Aは、甲建物の所有者として損害賠償の責任を負う。
(正答)〇
(解説)
判例(大判昭3.6.7)は、本肢と同種の事案において、土地の工作物の設置または保存についての瑕疵が、前所有者が所有していた際に生じたものである場合であっても、現所有者は、717条1項により、当該瑕疵によって生じた損害について責任を負担する旨判示している。したがって、Aが所有する甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによってBに損害が生じた場合には、その瑕疵がAの前の所有者が甲建物を所有していた時期に生じたものであるときであっても、Aは、甲建物の所有者として損害賠償の責任を負う。
判例(大判昭3.6.7)は、本肢と同種の事案において、土地の工作物の設置または保存についての瑕疵が、前所有者が所有していた際に生じたものである場合であっても、現所有者は、717条1項により、当該瑕疵によって生じた損害について責任を負担する旨判示している。したがって、Aが所有する甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによってBに損害が生じた場合には、その瑕疵がAの前の所有者が甲建物を所有していた時期に生じたものであるときであっても、Aは、甲建物の所有者として損害賠償の責任を負う。