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民法 建物の占有者の責任 最三小判昭和31年12月18日
概要
717条1項の「占有者」には、間接占有者も含む。
判例
事案:土地の工作物たる土地上の建物をその所有者から賃借し、これを転貸した場合において、当該転貸人が、当該建物の設置または保存に関する瑕疵によって生じた損害について、占有者責任(717条1項)を負うかが問題となった。
判旨:「国が連合国占領軍の接収通知に応じ建物をその所有者より借り受けた場合においては、たといこれを同軍の使用に供し同軍が事実上右建物を占有支配している場合においても国は依然としてなお右建物の賃借人であることに変りはなく、従つてまた右建物についても当然に間接占有を有するものと解さなければならない。そして民法717条にいわゆる占有者には特に間接占有者を除外すべき法文上の根拠もなくまたこれを首肯せしむベき実質上の理由もないから、国は右建物の設置保存に関する瑕疵に基因する損害については当然に右法条における占有者としてその責に任ずべきものと解するを至当とする。」
判旨:「国が連合国占領軍の接収通知に応じ建物をその所有者より借り受けた場合においては、たといこれを同軍の使用に供し同軍が事実上右建物を占有支配している場合においても国は依然としてなお右建物の賃借人であることに変りはなく、従つてまた右建物についても当然に間接占有を有するものと解さなければならない。そして民法717条にいわゆる占有者には特に間接占有者を除外すべき法文上の根拠もなくまたこれを首肯せしむベき実質上の理由もないから、国は右建物の設置保存に関する瑕疵に基因する損害については当然に右法条における占有者としてその責に任ずべきものと解するを至当とする。」
過去問・解説
(R1 司法 第28問 エ)
Aがその所有する甲建物をBに賃貸し、Bが甲建物をCに転貸し、それぞれ引渡しがされた場合には、甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによって第三者に生じた損害について、Bが占有者として損害賠償の責任を負うことはない。
Aがその所有する甲建物をBに賃貸し、Bが甲建物をCに転貸し、それぞれ引渡しがされた場合には、甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによって第三者に生じた損害について、Bが占有者として損害賠償の責任を負うことはない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭31.12.18)は、本肢と同種の事案において、「民法717条にいわゆる占有者には特に間接占有者を除外すべき法文上の根拠もなくまたこれを首肯せしむベき実質上の理由もない」と判示している。したがって、本肢においても、Aがその所有する甲建物をBに賃貸し、Bが甲建物をCに転貸し、それぞれ引渡しがされた場合、Bは717条1項にいう「占有者」に当たるから、甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによって第三者に生じた損害について、Bは占有者として損害賠償の責任を負う。
判例(最判昭31.12.18)は、本肢と同種の事案において、「民法717条にいわゆる占有者には特に間接占有者を除外すべき法文上の根拠もなくまたこれを首肯せしむベき実質上の理由もない」と判示している。したがって、本肢においても、Aがその所有する甲建物をBに賃貸し、Bが甲建物をCに転貸し、それぞれ引渡しがされた場合、Bは717条1項にいう「占有者」に当たるから、甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによって第三者に生じた損害について、Bは占有者として損害賠償の責任を負う。