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民法 内縁関係が先行する場合における嫡出推定 大連判昭和15年1月23日

概要
内縁の妻が、内縁関係の継続中その夫によって懐胎し、適法に婚姻をした後に出生した場合において、生まれた子は、夫が認知をするか否かにかかわらず、出生と同時に当然に嫡出子たる身分を有する。
判例
事案:内縁関係の係属中に内縁の妻が内縁の夫により懐胎し、当該内縁の夫婦が法律上の婚姻をした後に出産した場合において、生まれた子が、父の認知を要することなく嫡出子としての身分を取得するかが問題となった。

判旨:「未タ婚姻ノ届出ヲ為ササルモ既ニ事実上ノ夫婦トシテ同棲シ所謂内縁関係ノ継続中ニ内縁ノ妻カ内縁ノ夫ニ因リテ懐胎シ而モ右内縁ノ夫妻カ適式ニ法律上ノ婚姻ヲ為シタル後ニ於テ出生シタル子ノ如キハ仮令婚姻ノ届出ト其ノ出生トノ間ニ民法第820条所定ノ200日ノ期間ヲ存セサル場合ト雖モ之ヲ民法上私生子ヲ以テ目スヘキモノニアラスカクノ如キ子ハ特ニ父母ノ認知ノ手続ヲ要セスシテ出生ト同時ニ当然ニ父母ノ嫡出子タル身分ヲ有スルモノト解スルハ之ヲ民法中親子法ニ関スル規定全般ノ精神ヨリ推シテ当ヲ得タルモノト謂ハサルヘカラス。」
過去問・解説
(R3 予備 第13問 エ)
婚姻の届出から1か月後に妻が出産した子について夫がその子との間の法律上の父子関係を否定しようとする場合、婚姻前に数年にわたり内縁関係が先行するときに限り、嫡出否認の訴えによらなければならない。

(正答)

(解説)
772条は、1項において「妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。」と規定した上で、2項前段において「前項の場合において、婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定…する。」と規定している。そうすると、婚姻の届出から1か月後に妻が出産した子は、婚姻前に数年にわたり内縁関係が先行するか否かにかかわらず、「婚姻前に懐胎したものと推定」され、それにより「夫の子と推定」される。そして、嫡出推定を覆す場合には、嫡出否認の訴えによる必要がある(774条1項、775条)。
したがって、婚姻の届出から1か月後に妻が出産した子について夫がその子との間の法律上の父子関係を否定しようとする場合、婚姻前に数年にわたり内縁関係が先行するか否かにかかわらず、嫡出否認の訴えによらなければならない。
総合メモ
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