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民法 仮装の養子縁組についての心裡留保 最一小判昭和23年12月23日
概要
802条第1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないときは、802条1号により、養子縁組は無効となり、93条が適用される余地はない。
判例
事案:養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があるが、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものであるという場合において、当該養子縁組が効力を生じるかが問題となった。
判旨:「所論は、旧民法第851条第1号(新民法第802条第1号)に「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、「届出自体が当事者の意思に反する場合即ち届出其のものに瑕疵ある場合」を指すものであると主張する。しかし、それは、当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものであると解すべきは、言をまたないところである。されば、たとい養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があつたとしても、それは単に他の目的を達するための便法として仮託されたに過ぎずして真に養親子関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合においては、養子縁組は効力を生じないのである。」
「真に養親子関係の設定を欲する効果意思がない場合においては、養子縁組は旧民法第851条第1号(新民法802条第1号)によつて無効である。そして、この無効は絶対的なものであるから、所論のように原審が同第93条但書を適用する必要もなく、又適用したものでもない。」
判旨:「所論は、旧民法第851条第1号(新民法第802条第1号)に「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、「届出自体が当事者の意思に反する場合即ち届出其のものに瑕疵ある場合」を指すものであると主張する。しかし、それは、当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものであると解すべきは、言をまたないところである。されば、たとい養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があつたとしても、それは単に他の目的を達するための便法として仮託されたに過ぎずして真に養親子関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合においては、養子縁組は効力を生じないのである。」
「真に養親子関係の設定を欲する効果意思がない場合においては、養子縁組は旧民法第851条第1号(新民法802条第1号)によつて無効である。そして、この無効は絶対的なものであるから、所論のように原審が同第93条但書を適用する必要もなく、又適用したものでもない。」
過去問・解説
(H19 司法 第1問 4)
表示と内心の意思とが異なる意味に解されることを表意者自身が知りながらそのことを告げないで意思表示をした場合、それがたとえ婚姻に関するものであっても、意思表示の相手方を保護するため、その意思表示は無効とならない。
表示と内心の意思とが異なる意味に解されることを表意者自身が知りながらそのことを告げないで意思表示をした場合、それがたとえ婚姻に関するものであっても、意思表示の相手方を保護するため、その意思表示は無効とならない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭23.12.23)は、802条第1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないときは、802条1号により、養子縁組は無効となり、93条が適用される余地はない旨判示している。この判例は、93条は、当事者の意思を尊重すべき縁組のような身分行為には適用されないという理解に基づいており、この理解は、婚姻についても妥当すると解されている。
したがって、表示と内心の意思とが異なる意味に解されることを表意者自身が知りながらそのことを告げないで意思表示をした場合であっても、それが婚姻に関するものであれば、93条本文は適用されず、802条1号により、その意思表示は無効となる。
判例(最判昭23.12.23)は、802条第1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないときは、802条1号により、養子縁組は無効となり、93条が適用される余地はない旨判示している。この判例は、93条は、当事者の意思を尊重すべき縁組のような身分行為には適用されないという理解に基づいており、この理解は、婚姻についても妥当すると解されている。
したがって、表示と内心の意思とが異なる意味に解されることを表意者自身が知りながらそのことを告げないで意思表示をした場合であっても、それが婚姻に関するものであれば、93条本文は適用されず、802条1号により、その意思表示は無効となる。