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民法 相続放棄と後見人の利益相反行為 最二小判昭和53年2月24日
概要
共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合において、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人みずからが相続の放棄をしたのちにされたか、又は後見人自らの相続の放棄と同時にされたときは、後見人と被後見人の間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為にならない。
判例
事案:共同相続人の1人である後見人が、他の共同相続人である被後見人を代理して相続の放棄をした場合において、当該相続放棄が利益相反行為に当たるかが問題となった。
判旨:「共同相続人の一部の者が相続の放棄をすると、その相続に関しては、その者は初めから相続人とならなかつたものとみなされ、その結果として相続分の増加する相続人が生ずることになるのであつて、相続の放棄をする者とこれによつて相続分が増加する者とは利益が相反する関係にあることが明らかであり、また、民法860条によつて準用される同法826条は、同法108条とは異なり、適用の対象となる行為を相手方のある行為のみに限定する趣旨であるとは解されないから、相続の放棄が相手方のない単独行為であるということから直ちに民法826条にいう利益相反行為にあたる余地がないと解するのは相当でない。…しかしながら、共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、後見人がまずみずからの相続の放棄をしたのちに被後見人全員を代理してその相続の放棄をしたときはもとより、後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」
判旨:「共同相続人の一部の者が相続の放棄をすると、その相続に関しては、その者は初めから相続人とならなかつたものとみなされ、その結果として相続分の増加する相続人が生ずることになるのであつて、相続の放棄をする者とこれによつて相続分が増加する者とは利益が相反する関係にあることが明らかであり、また、民法860条によつて準用される同法826条は、同法108条とは異なり、適用の対象となる行為を相手方のある行為のみに限定する趣旨であるとは解されないから、相続の放棄が相手方のない単独行為であるということから直ちに民法826条にいう利益相反行為にあたる余地がないと解するのは相当でない。…しかしながら、共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、後見人がまずみずからの相続の放棄をしたのちに被後見人全員を代理してその相続の放棄をしたときはもとより、後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H19 司法 第2問 2)
共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人自らが相続の放棄をした後にされたときは、後見人と被後見人との間において利益相反行為に当たらない。
共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人自らが相続の放棄をした後にされたときは、後見人と被後見人との間において利益相反行為に当たらない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭53.2.24)は、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、後見人がまずみずからの相続の放棄をしたのちに被後見人全員を代理してその相続の放棄をしたときは…、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。
判例(最判昭53.2.24)は、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、後見人がまずみずからの相続の放棄をしたのちに被後見人全員を代理してその相続の放棄をしたときは…、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。
(H28 共通 第30問 オ)
夫婦であるAとBの間に未成年の子Cがいる。判例によれば、Aが死亡し、その相続人がBとCの2人であり、BがCの親権者である場合において、BがAを被相続人とする相続につき自ら相続放棄をするのと同時にCを代理してCについて相続放棄をしたときは、B及びCの相続放棄はいずれも有効となる。
夫婦であるAとBの間に未成年の子Cがいる。判例によれば、Aが死亡し、その相続人がBとCの2人であり、BがCの親権者である場合において、BがAを被相続人とする相続につき自ら相続放棄をするのと同時にCを代理してCについて相続放棄をしたときは、B及びCの相続放棄はいずれも有効となる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭53.2.24)は、本肢と同種の事案において、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、…後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、本肢においても、BがAを被相続人とする相続につき自ら相続放棄をするのと同時にCを代理してCについて相続放棄をしたときは、B及びCの相続放棄はいずれも有効となる。
判例(最判昭53.2.24)は、本肢と同種の事案において、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、…後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、本肢においても、BがAを被相続人とする相続につき自ら相続放棄をするのと同時にCを代理してCについて相続放棄をしたときは、B及びCの相続放棄はいずれも有効となる。
(R2 司法 第31問 ウ)
親権者とその数人の子が共同相続人である場合に、親権者が自ら相続の放棄をすると同時にその子全員を代理して相続の放棄をすることは、利益相反行為に当たらない。
親権者とその数人の子が共同相続人である場合に、親権者が自ら相続の放棄をすると同時にその子全員を代理して相続の放棄をすることは、利益相反行為に当たらない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭53.2.24)は、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、…後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。
判例(最判昭53.2.24)は、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、…後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。