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民法 債権質が設定されている場合の相殺の可否 大判大正5年9月5日
概要
債権を目的とした質権が対抗要件を備えた場合、その後第三債務者が質権設定者に対して債権を取得し、当該質権の目的債権と相殺することは、質権者に対抗することができない。
判例
事案:債権を目的とした質権が対抗要件を備えた場合において、その後第三債務者が質権設定者に対して債権を取得し、当該質権の目的債権と相殺することを、質権者に対抗することができるかが問題となった。
判旨:「債権ヲ目的ト為シタル質権ノ効力トシテ質権者ハ目的タル債権ヲ直接ニ取立ツルコトヲ得ルコト民法第367条ニ依リ明カナリ故ニ質権設定者ハ勿論第三債務者モ亦之ニ対スル対抗条件ノ具備シタル上ハ質権者ノ取立権能ヲ害スルノ行為ヲ為スコトヲ得サルモノト謂ハサルヘカラス而シテ指名債権ヲ以テ質権ノ目的ト為シタル質権者ハ第三債務者ニ質権ノ設定ヲ通知シ又ハ第三債務者カ之ヲ承諾シタル時ヨリ其質権ヲ以テ第三債務者其他ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ルヲ以テ第三債務者ハ此時ヨリ質権者ノ取立権能ヲ害スルノ行為ヲ為スコトヲ得サルモノト謂フ可シ此時以後ニ於テ第三債務者カ質権設定者ニ対スル債権ヲ取得シ之ヲ以テ質権者ニ相殺ヲ対抗スルハ質権者ノ取立権能ヲ害スルモノトス故ニ第三債務者ハ質権設定ノ通知ヲ受ケ又ハ之ヲ承諾シタル時ヨリ以後ニ取得シタル質権設定者ニ対スル債権ヲ以テ質権者ニ相殺ヲ対抗スルコトヲ得サルモノト解スルヲ相当トス。」
判旨:「債権ヲ目的ト為シタル質権ノ効力トシテ質権者ハ目的タル債権ヲ直接ニ取立ツルコトヲ得ルコト民法第367条ニ依リ明カナリ故ニ質権設定者ハ勿論第三債務者モ亦之ニ対スル対抗条件ノ具備シタル上ハ質権者ノ取立権能ヲ害スルノ行為ヲ為スコトヲ得サルモノト謂ハサルヘカラス而シテ指名債権ヲ以テ質権ノ目的ト為シタル質権者ハ第三債務者ニ質権ノ設定ヲ通知シ又ハ第三債務者カ之ヲ承諾シタル時ヨリ其質権ヲ以テ第三債務者其他ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ルヲ以テ第三債務者ハ此時ヨリ質権者ノ取立権能ヲ害スルノ行為ヲ為スコトヲ得サルモノト謂フ可シ此時以後ニ於テ第三債務者カ質権設定者ニ対スル債権ヲ取得シ之ヲ以テ質権者ニ相殺ヲ対抗スルハ質権者ノ取立権能ヲ害スルモノトス故ニ第三債務者ハ質権設定ノ通知ヲ受ケ又ハ之ヲ承諾シタル時ヨリ以後ニ取得シタル質権設定者ニ対スル債権ヲ以テ質権者ニ相殺ヲ対抗スルコトヲ得サルモノト解スルヲ相当トス。」
過去問・解説
(R6 司法 第15問 エ)
AはBに対して貸金債権甲を有する。FがAから甲を目的とする質権の設定を受け、AからBに対しその質権の設定の通知がされた場合には、Bは、その後にAとの間で売買契約を締結してAに対して代金債権丙を取得したときであっても、丙を自働債権とし、甲を受働債権とする相殺をもってFに対抗することができない。
AはBに対して貸金債権甲を有する。FがAから甲を目的とする質権の設定を受け、AからBに対しその質権の設定の通知がされた場合には、Bは、その後にAとの間で売買契約を締結してAに対して代金債権丙を取得したときであっても、丙を自働債権とし、甲を受働債権とする相殺をもってFに対抗することができない。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大5.9.5)は、債権を目的とした質権が対抗要件を備えた場合、その後第三債務者が質権設定者に対して債権を取得し、当該質権の目的債権と相殺することは、質権者に対抗することができない旨判示している。したがって、FがAから甲を目的とする質権の設定を受け、AからBに対しその質権の設定の通知がされた場合には、Bは、その後にAとの間で売買契約を締結してAに対して代金債権丙を取得したときであっても、丙を自働債権とし、甲を受働債権とする相殺をもってFに対抗することができない。
判例(大判大5.9.5)は、債権を目的とした質権が対抗要件を備えた場合、その後第三債務者が質権設定者に対して債権を取得し、当該質権の目的債権と相殺することは、質権者に対抗することができない旨判示している。したがって、FがAから甲を目的とする質権の設定を受け、AからBに対しその質権の設定の通知がされた場合には、Bは、その後にAとの間で売買契約を締結してAに対して代金債権丙を取得したときであっても、丙を自働債権とし、甲を受働債権とする相殺をもってFに対抗することができない。