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民法 親権者死亡後の親権者変更 名古屋高金沢支決昭和52年3月23日

概要
離婚の際未成年の子の単独親権者と定められた一方の親が死亡して親権を行なう者が欠けた場合に、他方の親が共存し、それを望み、それが子の福祉に沿うときは、裁判所は、819条6項の親権者変更の規定を準用し、生存する他方の親を当該子の親権者とすることができる。
判例
事案:離婚の際未成年の子の単独親権者と定められた一方の親が死亡した場合において、裁判所が、未成年者の親族の請求により、親権者を離婚の際親権者とならなかった他方の親とすることができるかが問題となった。

判旨:「離婚の際未成年の子の単独親権者と定められた親が死亡した場合、家庭裁判所は子の親族の請求により親権者を離婚の際親権者とならなかった他方の親とすることができるものであり、そのことは単独親権者の死亡によつて開始した後見について既に後見人が選任されている場合であっても同様である(死亡した単独親権者の遺言によって後見人が指定されている場合についてはしばらくおくこととする)と解するのが相当である。
 すなわち、親権も未成年後見もともに未成年の子のための監護、養育および財産管理の面における保護を目的とする制度であるが、未成年後見の開始事由、終了事由等についての民法の規定に照らせば、民法の基本的な態度は、親子の自然的社会的関係に基盤を置く、親による子の保護を原則とし、後見は親権者たる親がない場合あるいは親の親権行使が制限される場合に補充的にその機能を果すことを予定しているものとみることができる。
 従って後見が開始し、さらに後見人が選任された後であっても、そのことを理由に親権が機能する余地がないと解するのは相当でない。
 そして、離婚の際一方の親を未成年の子の親権者と定めることを要するのは、離婚した両親にとって親権を共同行使することが事実上困難であることによるものであるから、親権者と定められた一方の親が死亡して親権を行なう者が欠けた場合に、他方の親が共存し、それを望み、それが当該未成年者の福祉にそうときは、民法第819条第6項の親権者変更の規定を準用し、生存する他方の親に親権を行使する可能性を認めることは、民法の明文に反するものでないばかりか、むしろそう解してこそ民法の基本的態度にも、国民一般の感情にも合致するものである。」
過去問・解説
(R6 司法 第33問 エ)
父母が離婚した場合において、親権者と定められた父が死亡したときは、生存している母が、直ちに親権者となる。

(正答)

(解説)
裁判例(名古屋高金沢支決昭52.3.23)は、「離婚の際未成年の子の単独親権者と定められた親が死亡した場合、家庭裁判所は子の親族の請求により親権者を離婚の際親権者とならなかった他方の親とすることができるものであり、そのことは単独親権者の死亡によつて開始した後見について既に後見人が選任されている場合であっても同様である…と解するのが相当である。」と判示している。したがって、父母が離婚した場合において、親権者と定められた父が死亡したときは、生存している母は、直ちに親権者となるのではなく、家庭裁判所が子の親族の請求により親権者を当該母とすることを要する。
総合メモ
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