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先取特権
第303条
条文
第303条(先取特権の内容)
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
総合メモ
第304条
条文
第304条(物上代位)
① 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
② 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。
① 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
② 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。
過去問・解説
(H19 司法 第12問 1)
留置権、質権及び抵当権には、いずれも物上代位性が認められている。
留置権、質権及び抵当権には、いずれも物上代位性が認められている。
(正答) ✕
(解説)
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しており、同条は質権にも準用される(350条)。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しており、同条は質権にも準用される(350条)。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
(H19 司法 第14問 1)
動産売買の先取特権を有する者は、債務者が第三者に先取特権の目的物を売却した場合、その転売代金債権について、物上代位権を行使することができる。
動産売買の先取特権を有する者は、債務者が第三者に先取特権の目的物を売却した場合、その転売代金債権について、物上代位権を行使することができる。
(正答) 〇
(解説)
304条1項本文は、「先取特権は、その目的物の売却…によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。
304条1項本文は、「先取特権は、その目的物の売却…によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。
(H20 司法 第12問 3)
留置権は、質権と異なり、目的物が滅失した場合、これに代わって債務者が取得する物には効力が及ばず、消滅する。
留置権は、質権と異なり、目的物が滅失した場合、これに代わって債務者が取得する物には効力が及ばず、消滅する。
(正答) 〇
(解説)
304条は、「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。したがって、留置権は、質権と異なり、目的物が滅失した場合、これに代わって債務者が取得する物には効力が及ばず、消滅する。
304条は、「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。したがって、留置権は、質権と異なり、目的物が滅失した場合、これに代わって債務者が取得する物には効力が及ばず、消滅する。
(H21 司法 第12問 5)
留置権者は、目的物の滅失によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対して物上代位をすることができる。
留置権者は、目的物の滅失によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対して物上代位をすることができる。
(正答) ✕
(解説)
304条は、「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
304条は、「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
(H24 共通 第14問 ウ)
抵当権者は、目的物が第三者の行為により滅失した場合、物上代位により、その第三者に対して所有者が有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができるのに対し、留置権者は、目的物が第三者の行為により滅失した場合には、損害賠償請求権に物上代位権を行使することができない。
抵当権者は、目的物が第三者の行為により滅失した場合、物上代位により、その第三者に対して所有者が有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができるのに対し、留置権者は、目的物が第三者の行為により滅失した場合には、損害賠償請求権に物上代位権を行使することができない。
(正答) 〇
(解説)
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しており、同条は抵当権にも準用される(372条)。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しており、同条は抵当権にも準用される(372条)。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
(H26 司法 第13問 オ)
留置権者は、目的物の滅失によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対して物上代位をすることができる。
留置権者は、目的物の滅失によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対して物上代位をすることができる。
(正答) ✕
(解説)
304条は、「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
304条は、「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
(H28 共通 第11問 2)
留置権、先取特権、質権及び抵当権には、いずれも物上代位性が認められる。
留置権、先取特権、質権及び抵当権には、いずれも物上代位性が認められる。
(正答) ✕
(解説)
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しており、同条は質権と抵当権に準用される(350条、372条)。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しており、同条は質権と抵当権に準用される(350条、372条)。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
(R1 共通 第14問 ア)
抵当権者は、目的物が第三者の行為により滅失した場合、物上代位により、所有者がその第三者に対して有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができる。
抵当権者は、目的物が第三者の行為により滅失した場合、物上代位により、所有者がその第三者に対して有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができる。
(正答) 〇
(解説)
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しており、同条は抵当権にも準用される(372条)。そして、304条でいう「目的物の…滅失…によって債務者が受けるべき金銭」には、損害賠償請求権も含まれる。したがって、抵当権者は、目的物が第三者の行為により滅失した場合、物上代位により、所有者がその第三者に対して有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができる。
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しており、同条は抵当権にも準用される(372条)。そして、304条でいう「目的物の…滅失…によって債務者が受けるべき金銭」には、損害賠償請求権も含まれる。したがって、抵当権者は、目的物が第三者の行為により滅失した場合、物上代位により、所有者がその第三者に対して有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができる。
(R4 共通 第11問 ウ)
留置権者は、留置物の滅失によって債務者が受けるべき保険金請求権に対しても、これを差し押さえることにより留置権を行使することができる。
留置権者は、留置物の滅失によって債務者が受けるべき保険金請求権に対しても、これを差し押さえることにより留置権を行使することができる。
(正答) ✕
(解説)
304条は、「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
304条は、「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。」と規定している。しかし、留置権については、物上代位に関する規定は存在しないから、物上代位は認められない。
(R6 司法 第13問 ウ)
一般の先取特権者は、債務者がその所有する動産の売却により代金として受けるべき金銭についてその先取特権を行使するためには、その払渡しの前に代金債権を差し押さえなければならない。
一般の先取特権者は、債務者がその所有する動産の売却により代金として受けるべき金銭についてその先取特権を行使するためには、その払渡しの前に代金債権を差し押さえなければならない。
(正答) ✕
(解説)
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しているが、同条1項本文でいう「先取特権」には一般先取特権(306条以下)は含まれない。一般の先取特権では総財産を目的としているために、物上代位を認める実益がないからである。
304条は、先取特権に基づく物上代位について規定しているが、同条1項本文でいう「先取特権」には一般先取特権(306条以下)は含まれない。一般の先取特権では総財産を目的としているために、物上代位を認める実益がないからである。
総合メモ
第306条
条文
第306条(一般の先取特権)
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 葬式の費用
四 日用品の供給
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 葬式の費用
四 日用品の供給
過去問・解説
(H20 司法 第26問 5)
労働者は、その有する報酬債権の担保として、使用者の総財産について先取特権を有する。
労働者は、その有する報酬債権の担保として、使用者の総財産について先取特権を有する。
(正答) 〇
(解説)
306条は、一般先取特権の被担保債権の一つとして「雇用関係」(2号)を挙げており、308条は、「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」と規定している。
したがって、労働者は、その有する報酬債権の担保として、使用者の総財産について先取特権を有する。
306条は、一般先取特権の被担保債権の一つとして「雇用関係」(2号)を挙げており、308条は、「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」と規定している。
したがって、労働者は、その有する報酬債権の担保として、使用者の総財産について先取特権を有する。
(H21 司法 第13問 イ)
一般の先取特権を有する債権者は、債務者がその所有物の代償として支払を受けた金銭についても、先取特権を行使することができる。
一般の先取特権を有する債権者は、債務者がその所有物の代償として支払を受けた金銭についても、先取特権を行使することができる。
(正答) 〇
(解説)
一般先取特権は、「債務者の総財産」を担保目的物とする(306条)ところ、債務者がその所有物の代償として支払を受けた金銭も「債務者の総財産」に当たる。したがって、一般の先取特権を有する債権者は、債務者がその所有物の代償として支払を受けた金銭についても、先取特権を行使することができる。
一般先取特権は、「債務者の総財産」を担保目的物とする(306条)ところ、債務者がその所有物の代償として支払を受けた金銭も「債務者の総財産」に当たる。したがって、一般の先取特権を有する債権者は、債務者がその所有物の代償として支払を受けた金銭についても、先取特権を行使することができる。
(H28 司法 第13問 ウ)
会社の従業員は、会社が給料を支払っていない場合、その給料債権につき、未払となっている期間にかかわらず、当該会社の総財産について先取特権を有する。
会社の従業員は、会社が給料を支払っていない場合、その給料債権につき、未払となっている期間にかかわらず、当該会社の総財産について先取特権を有する。
(正答) 〇
(解説)
306条は、一般先取特権の被担保債権の一つとして「雇用関係」(2号)を挙げており、308条は、「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」と規定している。
したがって、会社の従業員は、会社が給料を支払っていない場合、その給料債権につき、未払となっている期間にかかわらず、当該会社の総財産について先取特権を有する。
306条は、一般先取特権の被担保債権の一つとして「雇用関係」(2号)を挙げており、308条は、「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」と規定している。
したがって、会社の従業員は、会社が給料を支払っていない場合、その給料債権につき、未払となっている期間にかかわらず、当該会社の総財産について先取特権を有する。
(H30 予備 第5問 イ)
一般の先取特権は、債務者以外の者の財産についても成立する。
一般の先取特権は、債務者以外の者の財産についても成立する。
(正答) ✕
(解説)
一般先取特権は、「債務者の総財産」(306条)について成立するものであり、債務者以外の者の財産についても成立するものではない。
一般先取特権は、「債務者の総財産」(306条)について成立するものであり、債務者以外の者の財産についても成立するものではない。
総合メモ
第308条
条文
第308条(雇用関係の先取特権)
雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。
雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。
過去問・解説
(H19 司法 第13問 イ)
雇用関係の先取特権は、定期に支払われる給料を担保するが、使用人が退職する際に支払われるべき退職金を担保しない。
雇用関係の先取特権は、定期に支払われる給料を担保するが、使用人が退職する際に支払われるべき退職金を担保しない。
(正答) ✕
(解説)
308条は、「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」と規定しており、退職金も「債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権」に含まれる。
308条は、「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」と規定しており、退職金も「債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権」に含まれる。
(H25 司法 第14問 ウ)
雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。
雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。
(正答) 〇
(解説)
308条は、「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」と規定している。
308条は、「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」と規定している。
総合メモ
第311条
条文
第311条(動産の先取特権)
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。
一 不動産の賃貸借
二 旅館の宿泊
三 旅客又は荷物の運輸
四 動産の保存
五 動産の売買
六 種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給
七 農業の労務
八 工業の労務
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。
一 不動産の賃貸借
二 旅館の宿泊
三 旅客又は荷物の運輸
四 動産の保存
五 動産の売買
六 種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給
七 農業の労務
八 工業の労務
総合メモ
第313条
条文
第313条(不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲)
① 土地の賃貸人の先取特権は、その土地又はその利用のための建物に備え付けられた動産、その土地の利用に供された動産及び賃借人が占有するその土地の果実について存在する。
② 建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する
① 土地の賃貸人の先取特権は、その土地又はその利用のための建物に備え付けられた動産、その土地の利用に供された動産及び賃借人が占有するその土地の果実について存在する。
② 建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する
過去問・解説
(H21 司法 第13問 ア)
建物の賃貸人が有する不動産賃貸の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。
建物の賃貸人が有する不動産賃貸の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。
(正答) 〇
(解説)
312条2項は、「建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。」と規定している。
312条2項は、「建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。」と規定している。
(R2 司法 第11問 オ)
建物賃貸借において、賃借権が適法に譲渡され、譲受人が建物に動産を備え付けた場合、賃貸借関係から生じた賃貸人の債権が譲渡前に発生していたものであっても、不動産の賃貸の先取特権はその動産に及ぶ。
建物賃貸借において、賃借権が適法に譲渡され、譲受人が建物に動産を備え付けた場合、賃貸借関係から生じた賃貸人の債権が譲渡前に発生していたものであっても、不動産の賃貸の先取特権はその動産に及ぶ。
(正答) 〇
(解説)
313条2項は、「建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する」と規定し、314条前段は、「賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。」と規定している。
313条2項は、「建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する」と規定し、314条前段は、「賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。」と規定している。
総合メモ
第316条
条文
第316条(不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲)
賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。
賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。
過去問・解説
(H28 司法 第13問 ア)
建物の賃貸人は、賃借人が賃料を支払わない場合、敷金を受け取っており、未払賃料額が敷金額の範囲内であっても、賃借人が当該建物に備え付けた動産について先取特権を行使することができる。
建物の賃貸人は、賃借人が賃料を支払わない場合、敷金を受け取っており、未払賃料額が敷金額の範囲内であっても、賃借人が当該建物に備え付けた動産について先取特権を行使することができる。
(正答) ✕
(解説)
316条は、「賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。」と規定している。したがって、未払賃料額が敷金額の範囲内である場合には、賃貸人は不動産賃貸の先取特権を行使することはできない。
316条は、「賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。」と規定している。したがって、未払賃料額が敷金額の範囲内である場合には、賃貸人は不動産賃貸の先取特権を行使することはできない。
(R4 司法 第26問 ア)
AがBからその所有する甲建物を賃借してBに敷金を交付した。Bは、Aが賃料を支払わない場合、未払賃料額が敷金額の範囲内であっても、Aが甲建物に備え付けた動産について先取特権を行使することができる。
AがBからその所有する甲建物を賃借してBに敷金を交付した。Bは、Aが賃料を支払わない場合、未払賃料額が敷金額の範囲内であっても、Aが甲建物に備え付けた動産について先取特権を行使することができる。
(正答) ✕
(解説)
316条は、「賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。」と規定している。したがって、未払賃料額が敷金額の範囲内である場合には、賃貸人は不動産賃貸の先取特権を行使することはできない。
316条は、「賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。」と規定している。したがって、未払賃料額が敷金額の範囲内である場合には、賃貸人は不動産賃貸の先取特権を行使することはできない。
(R6 司法 第13問 エ)
建物の賃貸人は、賃借人から敷金を受け取っているときであっても、未払賃料債権の全部について不動産賃貸の先取特権を有する。
建物の賃貸人は、賃借人から敷金を受け取っているときであっても、未払賃料債権の全部について不動産賃貸の先取特権を有する。
(正答) ✕
(解説)
316条は、「賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。」と規定している。
316条は、「賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。」と規定している。
総合メモ
第317条
条文
第317条(旅館宿泊の先取特権)
旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。
旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。
過去問・解説
(H27 司法 第12問 イ)
宿泊客が旅館に持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でない場合、旅館の主人は、その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたとしても、その手荷物について先取特権を行使することができない。
宿泊客が旅館に持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でない場合、旅館の主人は、その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたとしても、その手荷物について先取特権を行使することができない。
(正答) ✕
(解説)
317条は、「旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。」と規定しており、「旅館の宿泊の先取特権」は即時取得(192条)の対象となる(319条による192条の準用)。
したがって、宿泊客が旅館に持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でない場合、旅館の主人は、その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたのであれば、先取特権を即時取得するため、その手荷物について先取特権を行使することができる。
317条は、「旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。」と規定しており、「旅館の宿泊の先取特権」は即時取得(192条)の対象となる(319条による192条の準用)。
したがって、宿泊客が旅館に持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でない場合、旅館の主人は、その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたのであれば、先取特権を即時取得するため、その手荷物について先取特権を行使することができる。
(R2 司法 第11問 イ)
旅館に宿泊客が持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でなく他人の所有物であった場合、旅館主は、その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたときであっても、その手荷物について旅館の宿泊の先取特権を行使することはできない。
旅館に宿泊客が持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でなく他人の所有物であった場合、旅館主は、その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたときであっても、その手荷物について旅館の宿泊の先取特権を行使することはできない。
(正答) ✕
(解説)
317条は、「旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。」と規定しており、「旅館の宿泊の先取特権」は即時取得(192条)の対象となる(319条による192条の準用)。
したがって、宿泊客が旅館に持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でなく他人の所有物であった場合、旅館主は、その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたのであれば、先取特権を即時取得するため、その手荷物について旅館の宿泊の先取特権を行使することができる。
317条は、「旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。」と規定しており、「旅館の宿泊の先取特権」は即時取得(192条)の対象となる(319条による192条の準用)。
したがって、宿泊客が旅館に持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でなく他人の所有物であった場合、旅館主は、その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたのであれば、先取特権を即時取得するため、その手荷物について旅館の宿泊の先取特権を行使することができる。
総合メモ
第320条
条文
第320条(動産保存の先取特権)
動産の保存の先取特権は、動産の保存のために要した費用又は動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その動産について存在する。
動産の保存の先取特権は、動産の保存のために要した費用又は動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その動産について存在する。
総合メモ
第329条
条文
第329条(一般の先取特権の順位)
① 一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。
② 一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。
① 一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。
② 一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。
過去問・解説
(H18 司法 第9問 3)
対抗要件を備える必要がない物権の場合には、時間的に先に成立した物権が優先する。
対抗要件を備える必要がない物権の場合には、時間的に先に成立した物権が優先する。
(正答) ✕
(解説)
329条1項は、「一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。」と規定している。そして、先取特権は、対抗要件を備える必要がない物権である。したがって、対抗要件を備える必要がない物権であっても、時間的に先に成立した物権が優先するとは限らない。
329条1項は、「一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。」と規定している。そして、先取特権は、対抗要件を備える必要がない物権である。したがって、対抗要件を備える必要がない物権であっても、時間的に先に成立した物権が優先するとは限らない。
(H27 司法 第12問 ウ)
家屋の賃借人がその家屋に備え付けた家具が競売された場合において、その執行費用に関する先取特権は、その家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
家屋の賃借人がその家屋に備え付けた家具が競売された場合において、その執行費用に関する先取特権は、その家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定する一方で、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」と規定している。そして、競売の執行費用に関する先取特権は、「共益の費用の先取特権」に該当する。また、家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権は、動産先取特権(311条1号)である。
したがって、競売の執行費用に関する先取特権は、家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定する一方で、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」と規定している。そして、競売の執行費用に関する先取特権は、「共益の費用の先取特権」に該当する。また、家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権は、動産先取特権(311条1号)である。
したがって、競売の執行費用に関する先取特権は、家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
(H28 司法 第13問 エ)
会社が、電器店から購入した冷蔵庫の売買代金を支払わず、かつ、従業員への給料も支払っていない場合、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
会社が、電器店から購入した冷蔵庫の売買代金を支払わず、かつ、従業員への給料も支払っていない場合、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
329条2項本文は、「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定している。そして、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権は、一般先取特権である雇用の先取特権(306条2号)であるのに対し、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、特別の先取特権である動産先取特権(311条4号)である。
したがって、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
329条2項本文は、「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定している。そして、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権は、一般先取特権である雇用の先取特権(306条2号)であるのに対し、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、特別の先取特権である動産先取特権(311条4号)である。
したがって、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
(R6 司法 第13問 イ)
建物の賃借人がその建物に備え付けた動産について競売がされたときは、執行費用を被担保債権とする共益の費用の先取特権は、その動産について存在する不動産賃貸の先取特権に優先する。
建物の賃借人がその建物に備え付けた動産について競売がされたときは、執行費用を被担保債権とする共益の費用の先取特権は、その動産について存在する不動産賃貸の先取特権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定する一方で、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」と規定している。
したがって、競売の執行費用を被担保債権とする共益の先取特権(306条1号)は、家屋の賃貸人が賃料債権を被担保債権として家具について有する不動産賃貸の先取特権(311条1号)に優先する。
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定する一方で、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」と規定している。
したがって、競売の執行費用を被担保債権とする共益の先取特権(306条1号)は、家屋の賃貸人が賃料債権を被担保債権として家具について有する不動産賃貸の先取特権(311条1号)に優先する。
総合メモ
第330条
条文
第330条(動産の先取特権の順位)
① 同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、第2号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権
二 動産の保存の先取特権
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
② 前項の場合において、第1順位の先取特権者は、その債権取得の時において第2順位又は第3順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第1順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。
③ 果実に関しては、第1の順位は農業の労務に従事する者に、第2の順位は種苗又は肥料の供給者に、第3の順位は土地の賃貸人に属する。
① 同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、第2号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権
二 動産の保存の先取特権
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
② 前項の場合において、第1順位の先取特権者は、その債権取得の時において第2順位又は第3順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第1順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。
③ 果実に関しては、第1の順位は農業の労務に従事する者に、第2の順位は種苗又は肥料の供給者に、第3の順位は土地の賃貸人に属する。
過去問・解説
(H27 予備 第6問 ウ)
動産売買先取特権と動産質権が競合する場合、動産質権は動産売買先取特権より先順位となる。
動産売買先取特権と動産質権が競合する場合、動産質権は動産売買先取特権より先順位となる。
(正答) ✕
(解説)
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、また、動産売買先取特権は、330条において第3順位とされている。そのため、動産売買先取特権と動産質権が競合する場合、動産質権は動産売買先取特権より先順位となるようにも思える。しかし、330条2項は、「第1順位の先取特権者は、その債権取得の時において第2順位又は第3順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。」と規定しているから、動産質権者が債権所得時に動産売買先取特権の存在を知っていた場合は、動産売買先取特権が先順位となる。
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、また、動産売買先取特権は、330条において第3順位とされている。そのため、動産売買先取特権と動産質権が競合する場合、動産質権は動産売買先取特権より先順位となるようにも思える。しかし、330条2項は、「第1順位の先取特権者は、その債権取得の時において第2順位又は第3順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。」と規定しているから、動産質権者が債権所得時に動産売買先取特権の存在を知っていた場合は、動産売買先取特権が先順位となる。
(H28 司法 第13問 イ)
建物の賃借人が、家具店から購入して当該建物に備え付けたタンスについて未だ売買代金を支払わず、かつ、建物の賃料の支払も怠っている場合、家具店が当該タンスについて有する先取特権は、建物の賃貸人が当該タンスについて有する先取特権に優先する。
建物の賃借人が、家具店から購入して当該建物に備え付けたタンスについて未だ売買代金を支払わず、かつ、建物の賃料の支払も怠っている場合、家具店が当該タンスについて有する先取特権は、建物の賃貸人が当該タンスについて有する先取特権に優先する。
(正答) ✕
(解説)
330条1項は、「同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合」における優先権の順位について、①「不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権」(1号)、②「動産の保存の先取特権」(2号)、③「動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権」(3号)という順序に従うと定めている。
そして、建物の賃貸人がタンスについて有する先取特権は、①「不動産の賃貸…の先取特権」であり、家具店が当該タンスについて有する先取特権は、③「動産の売買の…先取特権」(3号)である。
したがって、建物の賃貸人が当該タンスについて有する先取特権(①)は、家具店がタンスについて有する先取特権(③)に優先する。
330条1項は、「同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合」における優先権の順位について、①「不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権」(1号)、②「動産の保存の先取特権」(2号)、③「動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権」(3号)という順序に従うと定めている。
そして、建物の賃貸人がタンスについて有する先取特権は、①「不動産の賃貸…の先取特権」であり、家具店が当該タンスについて有する先取特権は、③「動産の売買の…先取特権」(3号)である。
したがって、建物の賃貸人が当該タンスについて有する先取特権(①)は、家具店がタンスについて有する先取特権(③)に優先する。
(H29 司法 第13問 イ)
農地の天然果実については、農業労務の先取特権が不動産賃貸の先取特権に優先する。
農地の天然果実については、農業労務の先取特権が不動産賃貸の先取特権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
330条3項は、「果実に関しては、第1の順位は農業の労務に従事する者に、第2の順位は種苗又は肥料の供給者に、第3の順位は土地の賃貸人に属する。」と規定している。したがって、農地の天然果実については、農業労務の先取特権(第1順位)が不動産賃貸の先取特権(第3順位)に優先する。
330条3項は、「果実に関しては、第1の順位は農業の労務に従事する者に、第2の順位は種苗又は肥料の供給者に、第3の順位は土地の賃貸人に属する。」と規定している。したがって、農地の天然果実については、農業労務の先取特権(第1順位)が不動産賃貸の先取特権(第3順位)に優先する。
(R5 司法 第13問 ア)
Aの不動産賃貸の先取特権の目的である動産甲について、BがAの利益となる保存をしたことにより動産保存の先取特権を取得したときは、Aは、Bに対し、その優先権を行使することができない。
Aの不動産賃貸の先取特権の目的である動産甲について、BがAの利益となる保存をしたことにより動産保存の先取特権を取得したときは、Aは、Bに対し、その優先権を行使することができない。
(正答) 〇
(解説)
330条2項は、「第1順位の先取特権者は、その債権取得の時において第2順位又は第3順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。」と規定している。
Aの「不動産の賃貸…の先取特権」(同条1項1号)とBの「動産の保存の先取特権」(同条1項2号)では、本来は、前者が後者に優先するが、Aは、その債権取得の時においてBの「動産の保存の先取特権」(同条1項2号)の存在を知っていた時は、Bの「動産の保存の先取特権」(同条1項2号)に優先することができない。
330条2項は、「第1順位の先取特権者は、その債権取得の時において第2順位又は第3順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。」と規定している。
Aの「不動産の賃貸…の先取特権」(同条1項1号)とBの「動産の保存の先取特権」(同条1項2号)では、本来は、前者が後者に優先するが、Aは、その債権取得の時においてBの「動産の保存の先取特権」(同条1項2号)の存在を知っていた時は、Bの「動産の保存の先取特権」(同条1項2号)に優先することができない。
(R5 司法 第13問 イ)
Aが賃貸した土地で収穫された果実がAの不動産賃貸の先取特権の目的である場合において、その果実に対してBが農業労務の先取特権を有するときは、Aは、Bに対し、その優先権を行使することができる。
Aが賃貸した土地で収穫された果実がAの不動産賃貸の先取特権の目的である場合において、その果実に対してBが農業労務の先取特権を有するときは、Aは、Bに対し、その優先権を行使することができる。
(正答) ✕
(解説)
330条3項は、「果実に関しては、第1の順位は農業の労務に従事する者に、第2の順位は種苗又は肥料の供給者に、第3の順位は土地の賃貸人に属する。」と規定している。したがって、農地の天然果実については、農業労務の先取特権(第1順位)が不動産賃貸の先取特権(第3順位)に優先する。
330条3項は、「果実に関しては、第1の順位は農業の労務に従事する者に、第2の順位は種苗又は肥料の供給者に、第3の順位は土地の賃貸人に属する。」と規定している。したがって、農地の天然果実については、農業労務の先取特権(第1順位)が不動産賃貸の先取特権(第3順位)に優先する。
総合メモ
第331条
条文
第331条(不動産の先取特権の順位)
① 同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第325条各号に掲げる順序に従う。
② 同一の不動産について売買が順次された場合には、売主相互間における不動産売買の先取特権の優先権の順位は、売買の前後による。
① 同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第325条各号に掲げる順序に従う。
② 同一の不動産について売買が順次された場合には、売主相互間における不動産売買の先取特権の優先権の順位は、売買の前後による。
過去問・解説
(H29 司法 第13問 エ)
同一の不動産について不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権が競合する場合、その優先権の順位は同一となる。
同一の不動産について不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権が競合する場合、その優先権の順位は同一となる。
(正答) ✕
(解説)
331条1項は、「同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第325条各号に掲げる順序に従う。」と規定している。
325条は、不動産の先取特権の順序について、「不動産の保存」(1号)、「不動産の工事」(2号)、「不動産の売買」(3号)と定めている。
したがって、同一の不動産について「不動産の保存」(1号)の先取特権と「不動産の工事」(2号)の先取特権が競合する場合、前者が後者に優先する。
331条1項は、「同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第325条各号に掲げる順序に従う。」と規定している。
325条は、不動産の先取特権の順序について、「不動産の保存」(1号)、「不動産の工事」(2号)、「不動産の売買」(3号)と定めている。
したがって、同一の不動産について「不動産の保存」(1号)の先取特権と「不動産の工事」(2号)の先取特権が競合する場合、前者が後者に優先する。
総合メモ
第332条
条文
第332条(同一順位の先取特権)
同一の目的物について同一順位の先取特権者が数人あるときは、各先取特権者は、その債権額の割合に応じて弁済を受ける。
同一の目的物について同一順位の先取特権者が数人あるときは、各先取特権者は、その債権額の割合に応じて弁済を受ける。
総合メモ
第333条
条文
第333条(先取特権と第三取得者)
先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
過去問・解説
(H18 司法 第16問 イ)
甲動産を所有するAが、これをBに売り、さらにBがCに譲渡したが、AがBから代金の支払を受けていない場合において、甲動産がAからBへ、さらにBからCへ売買により引き渡されたとき、Aは、動産売買先取特権の行使として、甲動産を差し押さえることができる。
甲動産を所有するAが、これをBに売り、さらにBがCに譲渡したが、AがBから代金の支払を受けていない場合において、甲動産がAからBへ、さらにBからCへ売買により引き渡されたとき、Aは、動産売買先取特権の行使として、甲動産を差し押さえることができる。
(正答) ✕
(解説)
333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」と規定している。したがって、動産先取特権の目的である甲動産がAからBへ、さらにBからCへ売買により引き渡されたときは、「債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した」として、その後は、Aは、動産売買先取特権の行使として、甲動産を差し押さえることができる。
333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」と規定している。したがって、動産先取特権の目的である甲動産がAからBへ、さらにBからCへ売買により引き渡されたときは、「債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した」として、その後は、Aは、動産売買先取特権の行使として、甲動産を差し押さえることができる。
(H19 司法 第12問 5)
動産先取特権を有する者は、その目的物が第三者に売却され、引き渡された場合であっても、第三者が、その動産が動産先取特権の目的であることを知っているときは、その動産について先取特権を行使することができる。
動産先取特権を有する者は、その目的物が第三者に売却され、引き渡された場合であっても、第三者が、その動産が動産先取特権の目的であることを知っているときは、その動産について先取特権を行使することができる。
(正答) ✕
(解説)
333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」と規定している。したがって、動産先取特権の目的物が第三者に売却され、引き渡された場合は、「債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した」として、その後は、第三者が、その動産が動産先取特権の目的であることを知っているか否かにかかわらず、動産先取特権を有する者は、その動産について先取特権を行使することができない。
333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」と規定している。したがって、動産先取特権の目的物が第三者に売却され、引き渡された場合は、「債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した」として、その後は、第三者が、その動産が動産先取特権の目的であることを知っているか否かにかかわらず、動産先取特権を有する者は、その動産について先取特権を行使することができない。
(H24 共通 第17問 1)
動産の売主と買主との間で、売買の目的物を買主が第三者に転売して引き渡したときでも、売主はその目的物に先取特権を行使することができる旨の特約がある場合において、買主がその目的物を転売して転買主にこれを引き渡したときは、売主は、転買主が占有している目的物について、その特約について転買主が悪意であるときでも、先取特権を行使することはできない。
動産の売主と買主との間で、売買の目的物を買主が第三者に転売して引き渡したときでも、売主はその目的物に先取特権を行使することができる旨の特約がある場合において、買主がその目的物を転売して転買主にこれを引き渡したときは、売主は、転買主が占有している目的物について、その特約について転買主が悪意であるときでも、先取特権を行使することはできない。
(正答) 〇
(解説)
333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない」と規定している。したがって、買主がその目的物を転売して転買主にこれを引き渡したときは、「債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した」として、その後は、売主は、転買主が占有している目的物について、その特約について転買主が悪意であるときでも、先取特権を行使することはできない。
333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない」と規定している。したがって、買主がその目的物を転売して転買主にこれを引き渡したときは、「債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した」として、その後は、売主は、転買主が占有している目的物について、その特約について転買主が悪意であるときでも、先取特権を行使することはできない。
(H25 司法 第14問 イ)
動産売買の先取特権の目的物が転売され、第三者に引き渡されたときは、先取特権者は、その動産について先取特権を行使することができない。
動産売買の先取特権の目的物が転売され、第三者に引き渡されたときは、先取特権者は、その動産について先取特権を行使することができない。
(正答) 〇
(解説)
333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」と規定している。
333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」と規定している。
総合メモ
第334条
条文
第334条(先取特権と動産質権との競合)
先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。
先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。
過去問・解説
(H27 司法 第12問 エ)
動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、動産売買の先取特権が質権に優先する。
動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、動産売買の先取特権が質権に優先する。
(正答) ✕
(解説)
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、330条は、「動産の売買…の先取特権」(3号)を第3順と定めている。したがって、動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、動産売買の先取特権が動産質権に優先するのではなく、動産質権が動産売買の先取特権に優先する。
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、330条は、「動産の売買…の先取特権」(3号)を第3順と定めている。したがって、動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、動産売買の先取特権が動産質権に優先するのではなく、動産質権が動産売買の先取特権に優先する。
(H28 共通 第11問 5)
動産先取特権は、動産質権に優先する。
動産先取特権は、動産質権に優先する。
(正答) ✕
(解説)
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、330条は、「動産の売買…の先取特権」(3号)を第3順と定めている。したがって、動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、動産質権が動産売買の先取特権に優先する。
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、330条は、「動産の売買…の先取特権」(3号)を第3順と定めている。したがって、動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、動産質権が動産売買の先取特権に優先する。
(R4 司法 第12問 ウ)
Aは、Bに対し、自己が所有する工作機械甲を売り、甲を引き渡した。Bが甲につきCのための質権を設定し、引渡しを了した場合において、Cが質権を取得した時点でAの先取特権があることを知らなかったときは、Cの質権は、Aの先取特権に優先する。
Aは、Bに対し、自己が所有する工作機械甲を売り、甲を引き渡した。Bが甲につきCのための質権を設定し、引渡しを了した場合において、Cが質権を取得した時点でAの先取特権があることを知らなかったときは、Cの質権は、Aの先取特権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、330条は、「動産の売買…の先取特権」(3号)を第3順と定めている。したがって、動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、Cの動産質権がAの動産売買の先取特権に優先する。
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、330条は、「動産の売買…の先取特権」(3号)を第3順と定めている。したがって、動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、Cの動産質権がAの動産売買の先取特権に優先する。
(R5 司法 第13問 エ)
AがBに対して動産甲を売却したことにより甲につき動産売買の先取特権を有する場合において、Bが甲につきCのために質権を設定したときは、Aは、Cの質権に先立って、その先取特権を行使することができる。
AがBに対して動産甲を売却したことにより甲につき動産売買の先取特権を有する場合において、Bが甲につきCのために質権を設定したときは、Aは、Cの質権に先立って、その先取特権を行使することができる。
(正答) ✕
(解説)
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、330条は、「動産の売買…の先取特権」(3号)を第3順と定めている。したがって、動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、Aの動産売買の先取特権がCの動産質権に優先するのではなく、Cの動産質権がAの動産売買の先取特権に優先する。
334条は、「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。」と規定しており、330条は、「動産の売買…の先取特権」(3号)を第3順と定めている。したがって、動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合、Aの動産売買の先取特権がCの動産質権に優先するのではなく、Cの動産質権がAの動産売買の先取特権に優先する。
総合メモ
第335条
条文
第335条(一般の先取特権の効力)
① 一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
② 一般の先取特権者は、不動産については、まず特別担保の目的とされていないものから弁済を受けなければならない。
③ 一般の先取特権者は、前2項の規定に従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしたならば弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない。
④ 前3項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。
① 一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
② 一般の先取特権者は、不動産については、まず特別担保の目的とされていないものから弁済を受けなければならない。
③ 一般の先取特権者は、前2項の規定に従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしたならば弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない。
④ 前3項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。
過去問・解説
(H25 共通 第13問 2)
一般の先取特権者は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価が配当される場合を除き、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
一般の先取特権者は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価が配当される場合を除き、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
(正答) 〇
(解説)
335条は、1項において「一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。」と規定する一方で、4項において「前3項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。」と規定している。
335条は、1項において「一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。」と規定する一方で、4項において「前3項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。」と規定している。
(H28 司法 第13問 オ)
債務者が約定担保物権、留置権及び特別の先取特権の目的とされていない不動産と動産を有している場合、一般の先取特権者は、まず不動産から弁済を受け、なお不足がある場合に動産から弁済を受ける。
債務者が約定担保物権、留置権及び特別の先取特権の目的とされていない不動産と動産を有している場合、一般の先取特権者は、まず不動産から弁済を受け、なお不足がある場合に動産から弁済を受ける。
(正答) ✕
(解説)
335条1項は、「一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。」と規定している。
335条1項は、「一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。」と規定している。
総合メモ
第336条
条文
第336条(一般の先取特権の対抗力)
一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。
一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。
過去問・解説
(H25 司法 第14問 エ)
一般の先取特権者は、不動産について登記をしなくても、不動産売買の先取特権について登記をした者に優先して当該不動産から弁済を受けることができる。
一般の先取特権者は、不動産について登記をしなくても、不動産売買の先取特権について登記をした者に優先して当該不動産から弁済を受けることができる。
(正答) ✕
(解説)
336条は、本文において「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。」と規定する一方で、「ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。」と規定している。したがって、一般の先取特権者は、不動産について登記をしない場合、不動産売買の先取特権について登記をした者に優先して当該不動産から弁済を受けることができない。
336条は、本文において「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。」と規定する一方で、「ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。」と規定している。したがって、一般の先取特権者は、不動産について登記をしない場合、不動産売買の先取特権について登記をした者に優先して当該不動産から弁済を受けることができない。
(H29 司法 第13問 ア)
共益の費用の先取特権は、全ての特別の先取特権に優先する。
共益の費用の先取特権は、全ての特別の先取特権に優先する。
(正答) ✕
(解説)
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する」と規定している。
しかし他方で、336条は、「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。」と規定しているから、登記をしていない共益の費用の一般先取特権は、登記をしている特別の先取特権に後れる。
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する」と規定している。
しかし他方で、336条は、「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。」と規定しているから、登記をしていない共益の費用の一般先取特権は、登記をしている特別の先取特権に後れる。
(R5 共通 第9問 ウ)
一般先取特権は、不動産についてその登記がされていなくても、当該不動産上に存する登記がされた抵当権に優先する。
一般先取特権は、不動産についてその登記がされていなくても、当該不動産上に存する登記がされた抵当権に優先する。
(正答) ✕
(解説)
336条は、本文において「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。」と規定する一方で、但書「ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。」と規定している。したがって、一般先取特権は、不動産についてその登記がされていない場合、当該不動産上に存する登記がされた抵当権に優先しない。
336条は、本文において「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。」と規定する一方で、但書「ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。」と規定している。したがって、一般先取特権は、不動産についてその登記がされていない場合、当該不動産上に存する登記がされた抵当権に優先しない。
総合メモ
第337条
条文
第337条(不動産保存の先取特権の登記)
不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。
不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。
総合メモ
第338条
条文
第338条(不動産工事の先取特権の登記)
① 不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。この場合において、工事の費用が予算額を超えるときは、先取特権は、その超過額については存在しない。
② 工事によって生じた不動産の増価額は、配当加入の時に、裁判所が選任した鑑定人に評価させなければならない。
① 不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。この場合において、工事の費用が予算額を超えるときは、先取特権は、その超過額については存在しない。
② 工事によって生じた不動産の増価額は、配当加入の時に、裁判所が選任した鑑定人に評価させなければならない。
過去問・解説
(H27 予備 第6問 オ)
不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。
不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。
(正答) 〇
(解説)
338条1項前段は、「不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。」と規定している。
338条1項前段は、「不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。」と規定している。
(H29 司法 第13問 ウ)
工事を始める前にその費用の予算額を登記した不動産工事の先取特権は、その登記に先立って設定登記がされている抵当権に優先する。
工事を始める前にその費用の予算額を登記した不動産工事の先取特権は、その登記に先立って設定登記がされている抵当権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
338条1項前段は、「不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。」と規定しており、339条は、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。したがって、工事を始める前にその費用の予算額を登記した不動産工事の先取特権は、その登記に先立って設定登記がされている抵当権に優先する。
338条1項前段は、「不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。」と規定しており、339条は、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。したがって、工事を始める前にその費用の予算額を登記した不動産工事の先取特権は、その登記に先立って設定登記がされている抵当権に優先する。
(R2 司法 第11問 エ)
不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。
不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。
(正答) 〇
(解説)
338条1項前段は、「不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。」と規定している。
338条1項前段は、「不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。」と規定している。
総合メモ
第339条
条文
第339条(登記をした不動産保存又は不動産工事の先取特権)
前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。
前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。
過去問・解説
(H19 司法 第12問 3)
不動産先取特権、不動産質権及び抵当権の順位は、登記の先後によって決まる。
不動産先取特権、不動産質権及び抵当権の順位は、登記の先後によって決まる。
(正答) ✕
(解説)
339条は、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。したがって、不動産先取特権、不動産質権及び抵当権の順位は、登記の先後によって決まるとは限らない。
339条は、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。したがって、不動産先取特権、不動産質権及び抵当権の順位は、登記の先後によって決まるとは限らない。
(H27 予備 第6問 エ)
不動産の保存行為が完了した後直ちに不動産の保存の先取特権の登記をした場合であっても、その先取特権は、その登記より前にその不動産について登記された抵当権に先立って行使することができない。
不動産の保存行為が完了した後直ちに不動産の保存の先取特権の登記をした場合であっても、その先取特権は、その登記より前にその不動産について登記された抵当権に先立って行使することができない。
(正答) ✕
(解説)
339条は、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。したがって、不動産の保存行為が完了した後直ちに不動産の保存の先取特権の登記をした場合、その先取特権は、その登記より前にその不動産について登記された抵当権に先立って行使することができる。
339条は、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。したがって、不動産の保存行為が完了した後直ちに不動産の保存の先取特権の登記をした場合、その先取特権は、その登記より前にその不動産について登記された抵当権に先立って行使することができる。
(H28 共通 第11問 1)
同一不動産上の先取特権、質権及び抵当権の優先権の順位は、当該各担保物権の登記の前後によって決まる。
同一不動産上の先取特権、質権及び抵当権の優先権の順位は、当該各担保物権の登記の前後によって決まる。
(正答) ✕
(解説)
339条は、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。
339条は、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。
(R5 司法 第13問 オ)
A所有の建物について、Bが登記をした不動産保存の先取特権を有し、Cが登記をした抵当権を有するときは、Bの登記がCの登記に後れたとしても、Bは、Cの抵当権に先立って、その先取特権を行使することができる。
A所有の建物について、Bが登記をした不動産保存の先取特権を有し、Cが登記をした抵当権を有するときは、Bの登記がCの登記に後れたとしても、Bは、Cの抵当権に先立って、その先取特権を行使することができる。
(正答) 〇
(解説)
339条は、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。
したがって、Bの不動産保存の先取特権の登記がCの抵当権の登記に後れた場合であっても、Bは、その不動産保存の先取特権が「前2条の規定に従って登記をした先取特権」に当たる以上、Cの抵当権に先立って、その先取特権を行使することができる。
339条は、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。
したがって、Bの不動産保存の先取特権の登記がCの抵当権の登記に後れた場合であっても、Bは、その不動産保存の先取特権が「前2条の規定に従って登記をした先取特権」に当たる以上、Cの抵当権に先立って、その先取特権を行使することができる。