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抵当権 - 解答モード

条文
第369条(抵当権の内容)
① 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
② 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。
過去問・解説
正答率 : 100.0%

(H21 司法 第24問 エ)
抵当権設定契約は、抵当権者と抵当目的物の所有権を有する抵当権設定者の合意があれば、書面によらず、かつ、設定登記がされなくても、成立する。

(正答)  

(解説)
抵当権設定契約は、保証契約と異なり要式性は不要であり(446条2項対照)、かつ、設定登記は契約成立要件ではなく対抗要件にとどまる。したがって、抵当権設定契約は、抵当権者と抵当目的物の所有権を有する抵当権設定者の合意があれば、書面によらず、かつ、設定登記がされなくても、成立する。


正答率 : 100.0%

(H25 司法 第11問 ア)
地上権は、抵当権の目的とすることができない。

(正答)  

(解説)
369条2項前段は、「地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(H28 司法 第35問 ア)
地上権と土地賃借権は、いずれも抵当権の目的とすることができない。

(正答)  

(解説)
369条2項前段は、「地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる」と規定している。したがって、土地賃借権は抵当権の目的とすることができないが、地上権は抵当権の目的とすることができる。


正答率 : 50.0%

(H30 予備 第5問 エ)
抵当権は、永小作権を目的として設定することができる。

(正答)  

(解説)
369条2項前段は、「地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。」と規定している。

該当する過去問がありません

条文
第370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)
 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第424条第3項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りでない。
過去問・解説
正答率 : 50.0%

(H24 共通 第17問 4)
建物が存する土地について抵当権が設定された場合において、その抵当権者と抵当権設定者との特約で、その土地上の建物にも抵当権の効力を及ぼすことができる旨の合意がされたときは、その土地の抵当権は、土地の上に存するその建物にも及ぶ。

(正答)  

(解説)
370条本文は、抵当権の効力の及ぶ範囲について、「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。」と規定している。したがって、建物が存する土地について抵当権が設定された場合において、その抵当権者と抵当権設定者との特約で、その土地上の建物にも抵当権の効力を及ぼすことができる旨の合意がされたときであっても、その土地の抵当権は、土地の上に存するその建物に及ばない。


正答率 : 100.0%

(H25 司法 第16問 4)
抵当権が設定された土地の上に存する建物については、別段の定めをした場合に限り、土地の抵当権の効力が及ぶ。

(正答)  

(解説)
370条本文は、抵当権の効力の及ぶ範囲について、「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。」と規定している。したがって、抵当権が設定された土地の上に存する建物については、別段の定めをした場合であっても、土地の抵当権の効力は及ばない。

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条文
第371条(抵当権の効力の及ぶ範囲)
 抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。
過去問・解説
正答率 : 50.0%

(H19 司法 第16問 5)
被担保債権の債務不履行後に、抵当不動産の所有者が、その後に生じた果実を収受しても、不当利得にはならない。

(正答)  

(解説)
371条は、「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。」と規定している。もっとも、被担保債権の債務不履行後に、抵当不動産の所有者がその後に生じた果実を収受したからといって、それが不当利得になるわけではない。


正答率 : 50.0%

(H23 共通 第15問 ウ)
Aが所有する土地について、Bを抵当権者とする抵当権が設定され、その登記がされていた。Bが抵当権を実行する前に、AがEとの間でこの土地の賃貸借契約を締結した場合において、その後抵当権の被担保債権について不履行があったとき、抵当権の効力は、Aが賃貸借契約に基づいてEに対して有する賃料債権で被担保債権について不履行があった後に生じたものに及ぶ。

(正答)  

(解説)
371条は、「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。」と規定している。したがって、本肢の事例において、抵当権の効力は、Aが賃貸借契約に基づいてEに対して有する賃料債権で被担保債権について不履行があった後に生じたものに及ぶ。


正答率 : 50.0%

(H24 司法 第15問 1)
抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

(正答)  

(解説)
371条は、「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(H28 共通 第14問 2)
抵当権の被担保債権について不履行があった場合であっても、抵当権の効力は、その後に生じた抵当不動産の果実には及ばない。

(正答)  

(解説)
371条は、「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(R1 司法 第15問 ア)
抵当権設定者が、抵当権の目的である土地を第三者に賃貸していた場合、その担保する債権について不履行がなくても、抵当権の効力は、その賃料債権に及ぶ。

(正答)  

(解説)
371条は、「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。」と規定している。したがって、抵当権設定者が、抵当権の目的である土地を第三者に賃貸していた場合、その担保する債権について不履行がなければ、抵当権の効力は、その賃料債権に及ばない。

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条文
第374条(抵当権の順位の変更)
① 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
② 前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。
過去問・解説
正答率 : 0.0%

(H26 司法 第11問 ア)
抵当権の順位の変更は、各抵当権者の合意のみによって効力を生ずるが、それを第三者に対抗するためには、その登記をしなければならない。

(正答)  

(解説)
374条2項は、「順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。」と規定している。したがって、抵当権の順位の変更において、その登記は、対抗要件ではなく、効力要件である。


正答率 : 50.0%

(R3 司法 第14問 ウ)
AがBに対する債務を担保するために、Aの所有する甲土地に第1順位の抵当権を設定し、その登記がされた。Aが、甲土地について、Eのために第2順位の抵当権、Fのために第3順位の抵当権を設定し、その登記がされている場合において、BF間で抵当権の順位の変更が合意されたとき、その登記をしなければ変更の効力は生じない。

(正答)  

(解説)
374条2項は、抵当権の「順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない」と規定している。したがって、BF間で抵当権の順位の変更が合意されたとき、その登記をしなければ変更の効力は生じない。


正答率 : 100.0%

(R4 司法 第14問 ウ)
Aは、その所有する甲土地に、Bのために第1順位の抵当権を、Cのために第2順位の抵当権を、Dのために第3順位の抵当権をそれぞれ設定し、それぞれその登記をした。この場合、抵当権の順位をD、C、Bの順に変更するには、Cの合意を要しない。

(正答)  

(解説)
374条1項本文は、「抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。」と規定している。したがって、抵当権の順位をD、C、Bの順に変更するには、Cの合意を要する。

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条文
第375条(抵当権の被担保債権の範囲)
① 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。
② 前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の2年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して2年分を超えることができない。
過去問・解説
正答率 : 100.0%

(H19 司法 第13問 エ)
根抵当権でない抵当権は、担保する債権の元本のほか、利息その他の定期金のうち満期となった最後の2年分に限り、それらを担保する。

(正答)  

(解説)
375条1項本文は、「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(H26 司法 第11問 ウ)
抵当権者は、利息その他の定期金の全額を被担保債権とする旨の定めを設定行為でしたときは、その定めに従い他の債権者に優先して抵当権を行使することができる。

(正答)  

(解説)
375条1項本文は、「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」と規定している。したがって、抵当権者は、利息その他の定期金の全額を被担保債権とする旨の定めを設定行為でしたときであっても、利息その他の定期金について、債権者に優先して抵当権を行使することができる範囲は、「その満期となった最後の2年分」に限られる。

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条文
第376条(抵当権の処分)
① 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
② 前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。
過去問・解説
正答率 : 0.0%

(R3 司法 第14問 イ)
AがBに対する債務を担保するために、Aの所有する甲土地に第1順位の抵当権を設定し、その登記がされた。BがAの一般債権者Dに対してその抵当権を譲渡するには、Aの承諾を必要としない。

(正答)  

(解説)
376条1項は、抵当権の譲渡について、主債務者の承諾を必要としていない。したがって、BがAの一般債権者Dに対してその抵当権を譲渡するには、Aの承諾を必要としない。


正答率 : 0.0%

(R3 司法 第14問 エ)
AがBに対する債務を担保するために、Aの所有する甲土地に第1順位の抵当権を設定し、その登記がされた。Aが、甲土地について、Gのために第2順位の抵当権、Hのために第3順位の抵当権を設定し、その登記がされている場合において、BのHに対する抵当権の順位の譲渡は、その登記をしなければ譲渡の効力は生じない。

(正答)  

(解説)
376条2項は、「抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。」と規定しているため、抵当権の順位の譲渡においては、登記は、効力要件ではなく対抗要件にすぎない。


正答率 : 0.0%

(R4 司法 第14問 イ)
Aは、その所有する甲土地に、Bのために第1順位の、Cのために第2順位の各抵当権を設定し、その登記をした。この場合、BがCのために抵当権の順位を放棄したときは、BとCの抵当権の順位が入れ替わる。

(正答)  

(解説)
抵当権の順位の放棄(376条1項)とは、先順位抵当権者が後順位抵当権者のために、その優先順位を放棄することをいう。本肢の事例では、BがCのために抵当権の順位を放棄したときは、BとCの抵当権の順位が入れ替わる(これは、抵当権の順位の譲渡である。)のではなく、BとCの配当の合計額をBとCの債権額に比例して平等に分配することになる。

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条文
第377条(抵当権の処分の対抗要件)
① 前条の場合には、第467条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。
② 主たる債務者が前項の規定により通知を受け、又は承諾をしたときは、抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない。
過去問・解説

(H22 司法 第13問 1)
AがBに対し有する甲債権を担保するため、Bが所有する乙土地を目的とする第1順位の抵当権が設定されてその旨が登記され、また、Cが保証人となった。乙土地について第2順位の抵当権の設定を受けその旨の登記をしているDに対しAが抵当権の順位を譲渡する場合において、その旨をAが債権譲渡の対抗要件に関する規定に従いBに通知したときには、Dは、Cに対し抵当権の順位の譲渡を受けたことを対抗することができる。

(正答)  

(解説)
377条1項は、抵当権の処分の対抗要件について、「前条の場合には、第467条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。」と規定している。
したがって、Dに対しAが抵当権の順位を譲渡する場合において、その旨をAが債権譲渡の対抗要件に関する規定に従いBに通知したときには、Dは、「保証人」Cに対し抵当権の順位の譲渡を受けたことを対抗することができる。


(H22 司法 第13問 2)
AがBに対し有する甲債権を担保するため、Bが所有する乙土地を目的とする第1順位の抵当権が設定されてその旨が登記され、また、Cが保証人となった。Bに対して債権を有するEに対しAが抵当権を譲渡する場合において、その旨をAが債権譲渡の対抗要件に関する規定に従いBに通知したときには、Eは、Cに対し抵当権の譲渡を受けたことを対抗することができる。

(正答)  

(解説)
377条1項は、抵当権の処分の対抗要件について、「前条の場合には、第467条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。」と規定している。
したがって、Bに対して債権を有するEに対しAが抵当権を譲渡する場合において、その旨をAが債権譲渡の対抗要件に関する規定に従いBに通知したときには、Eは、「保証人」Cに対し抵当権の譲渡を受けたことを対抗することができる。


(R3 司法 第14問 ア)
AがBに対する債務を担保するために、Aの所有する甲土地に第1順位の抵当権を設定し、その登記がされた。Bが、Cに対する債務を担保するために、甲土地の抵当権に転抵当権を設定したときは、Aに対する通知又はAの承諾がなければ、Cは、転抵当権の設定を受けたことをAに対抗することができない。

(正答)  

(解説)
377条1項は、抵当権の処分の対抗要件について、「前条の場合には、第467条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。」と規定している。
したがって、Bが、Cに対する債務を担保するために、甲土地の抵当権に転抵当権を設定したときは、Aに対する通知又はAの承諾がなければ、Cは、転抵当権の設定を受けたことを「主たる債務者」Aに対抗することができない。


(R4 司法 第14問 ア)
Aは、Bに対する債務を担保するため、Aの所有する甲土地に、抵当権を設定し、その登記をした。この場合、Bが抵当権をAの一般債権者Cに譲渡したときは、これをBがAに通知し、又はAが承諾しなければ、Cは、Aに抵当権の譲渡を対抗することができない。

(正答)  

(解説)
377条1項は、抵当権の処分の対抗要件について、「前条の場合には、第467条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。」と規定している。
したがって、Bが抵当権をAの一般債権者Cに譲渡したときは、これをBがAに通知し、又はAが承諾しなければ、Cは、「主たる債務者」Aに抵当権の譲渡を対抗することができない。

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条文
第378条(代価弁済)
 抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
過去問・解説

(H23 共通 第15問 エ)
Aが所有する土地について、Bを抵当権者とする抵当権が設定され、その登記がされていた。Bが抵当権を実行する前に、AがFとの間でこの土地の売買契約を締結した場合において、AF間の売買契約で定めた代価を、FがBの請求に応じてBに支払ったとき、抵当権はFのために消滅する。

(正答)  

(解説)
378条は、「抵当不動産について所有権…を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。」と規定している。
したがって、AF間の売買契約で定めた代価を、FがBの請求に応じてBに支払ったとき、抵当権はFのために消滅する。


(H26 共通 第14問 ウ)
抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

(正答)  

(解説)
378条は、「抵当不動産について所有権…を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。」と規定している。


(H28 共通 第14問 3)
抵当権者が第三取得者に対して代価弁済の請求をした場合、第三取得者は、その請求に応じなければならない。

(正答)  

(解説)
378条は、「抵当不動産について所有権…を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。」と規定するにとどまり、第三取得者が抵当権者からの対価弁済の請求に応じするか否かは任意である。


(H30 司法 第13問 ア)
抵当不動産についてその所有者から地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

(正答)  

(解説)
378条は、「抵当不動産について所有権…を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。」と規定している。


(R4 司法 第14問 オ)
Aは、その所有する甲土地にBのために抵当権を設定しその登記をした。その後、甲土地をCに売却した。この場合、CがBの請求に応じてBにその代価を弁済したときは、抵当権は消滅する。

(正答)  

(解説)
378条は、「抵当不動産について所有権…を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。」と規定している。

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条文
第379条(抵当権消滅請求)
 抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
過去問・解説
正答率 : 0.0%

(H19 司法 第16問 4)
抵当権が設定された不動産について、地上権の設定を受けた者は、抵当権消滅請求をすることができない。

(正答)  

(解説)
379条は、「抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。」と規定するにとどまるから、地上権の設定を受けたに過ぎない者は抵当権消滅請求をすることはできない。

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条文
第380条(抵当権消滅請求)
 主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
過去問・解説
正答率 : 100.0%

(H24 司法 第15問 3)
抵当権の被担保債権について主たる債務者となっている者は、抵当権消滅請求を行うことができないが、その債務の連帯保証人は、抵当権消滅請求を行うことができる。

(正答)  

(解説)
380条は、「保証人…は、抵当権消滅請求をすることができない。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(H30 司法 第13問 イ)
主たる債務者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。

(正答)  

(解説)
380条は、「主たる債務者…の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。」と規定している。

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条文
第387条(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力)
① 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
② 抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。
過去問・解説

(H19 司法 第16問 2)
登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をすれば、その同意をした抵当権者に対抗することができる。

(正答)  

(解説)
387条1項は、「登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。」と規定している。したがって、登記をした賃借権を抵当権者に対抗するためには、「その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし」たことに加えて、「その同意の登記がある」ことも必要である。


(H30 司法 第13問 ウ)
建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その引渡し前に登記をした抵当権を有する全ての者が同意をし、かつ、その同意の登記があれば、その同意をした抵当権者に対抗することができる。

(正答)  

(解説)
387条1項は、「登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。」と規定している。したがって、賃借権を抵当権者に対抗するためには、その賃借権が「登記をした賃借権」であることを要し、賃借権が借地借家法10条1項や31条1項による対抗要件を具備しているだけでは足りない。


(R5 共通 第9問 エ)
引渡しにより対抗要件を具備した建物の賃貸借につき、その引渡し前に登記をした抵当権を有する全ての者が同意をしたときは、賃借人は、抵当権の実行により当該建物を買い受けた者に賃借権の設定を対抗することができる。

(正答)  

(解説)
387条1項は、「登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。」と規定している。したがって、登記をした賃借権を抵当権者に対抗するためには、「その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし」たことに加えて、「その同意の登記がある」ことも必要である。


(R6 司法 第16問 ウ)
登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有する全ての者が同意をしたときであっても、その同意の登記がなければ、その同意をした抵当権者に対抗することができない。

(正答)  

(解説)
387条1項は、「登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。」と規定している。

該当する過去問がありません

条文
第388条(法定地上権)
 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
過去問・解説

(H18 司法 第9問 2)
法定の担保物権は存在するが、法定の用益物権は存在しない。

(正答)  

(解説)
法定の担保物権としては、留置権(295条以下)と先取特権(303条以下)があり、法定の用益物権としては、法定地上権(388条)がある。


(H25 司法 第11問 エ)
法定地上権を取得した者は、土地の所有者に対し、地代を支払う義務を負わない。

(正答)  

(解説)
388条後段は、法定地上権について、「地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。」と規定している。したがって、法定地上権を取得した者は、土地の所有者に対し、裁判所が定めた地代を支払う義務を負う。


(R5 共通 第12問 イ)
法定地上権を取得した者は、その地上権の目的である土地の所有者に対して地代を支払うことを要しない。

(正答)  

(解説)
388条後段は、法定地上権について、「地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。」と規定している。したがって、法定地上権を取得した者は、土地の所有者に対し、裁判所が定めた地代を支払う義務を負う。

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条文
第389条(抵当地の上の建物の競売)
① 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
② 前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。
過去問・解説

(H19 司法 第16問 3)
土地に抵当権が設定された当時、その土地に建物が築造されていた場合、その建物の所有者が、その土地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有しないとしても、抵当権者は、土地とともに建物を競売することはできない。

(正答)  

(解説)
389条1項本文は、「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」と規定している。


(H23 共通 第15問 オ)
Aが所有する土地について、Bを抵当権者とする抵当権が設定され、その登記がされていた。Bのために抵当権設定登記がされた後、抵当権の実行の前に、Aがこの土地の上に建物を築造した場合において、Bが土地と共にこの建物を競売したとき、Bは抵当権に基づく優先権を土地及び建物の代価について行使することができる。

(正答)  

(解説)
389条1項は、本文において「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」と規定する一方で、「ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。」と規定している。
したがって、Bは抵当地と共にその建物を競売することができるが、Bが抵当権に基づく優先権を行使できるのは「土地の代価」についてのみである。


(H24 司法 第15問 5)
更地に抵当権が設定された後、その土地の上に第三者が建物を築造したとき、抵当権者は、その土地とともにその建物を競売することができる。

(正答)  

(解説)
389条は、1項本文において「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」と規定する一方で、2項において「前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。」と規定している。
本肢の事例では、「その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合」に当たらないから、抵当権者は、その土地とともにその建物を競売することができる。


(H29 予備 第6問 オ)
AのBに対する債権を被担保債権として、C所有の甲土地について抵当権(以下「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がされている。本件抵当権の登記がされた後に、CがDに対し甲土地を賃貸し、Dが甲土地上に乙建物を建築して所有する場合において、Dが甲土地の占有についてAに対抗することができる権利を有しないときは、Aは、Dの承諾の有無にかかわらず、甲土地及び乙建物を一括して競売することができる。

(正答)  

(解説)
389条は、1項本文において「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」と規定する一方で、2項において「前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。」と規定している。
本肢の事例では、「その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合」に当たらないから、Aは、Dの承諾の有無にかかわらず、甲土地及び乙建物を一括して競売することができる。


(R3 共通 第13問 ア)
土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合、抵当権者は、抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。

(正答)  

(解説)
389条は、1項本文において「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」と規定する一方で、2項において「前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。」と規定している。
本肢の事例では、「その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合」に当たらないから、抵当権者は、抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。


(R4 司法 第14問 エ)
Aは、その所有する更地である甲土地にBのために抵当権を設定し、その登記をした。その後、甲土地上に乙建物を建築した。この場合、Bが抵当権を実行し、甲土地と乙建物とが一括して競売されたときは、Bは乙建物の売却代金からも優先弁済を受けることができる。

(正答)  

(解説)
389条1項は、本文において「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」と規定する一方で、「ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。」と規定している。
したがって、Bが抵当権を実行し、甲土地と乙建物とが一括して競売されたときは、Bは、甲土地の売却代金から優先弁済を受けることができるにとどまり、乙建物の売却代金から優先弁済を受けることはできない。


(R6 司法 第16問 ア)
甲土地に抵当権が設定された当時、甲土地の上に乙建物が存在していたときは、抵当権者は、その抵当権の実行として甲土地とともに乙建物を競売することができる。

(正答)  

(解説)
389条は、1項本文において「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」と規定する一方で、2項において「前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。」と規定している。
本肢の事例では、甲土地に抵当権が設定された当時、甲土地の上に乙建物が存在していたのだから、「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったとき」(388条前段)として、法定地上権が成立する。したがって、「その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合」(389条2項)に当たるから、抵当権者は、その抵当権の実行として甲土地とともに乙建物を競売することができない。

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条文
第391条(抵当不動産の第三取得者による費用の償還請求)
 抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産について必要費又は有益費を支出したときは、第960条の区別に従い、抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けることができる。
過去問・解説

(H30 司法 第13問 エ)
抵当不動産をその所有者から買い受けた者は、その不動産について必要費を支出した場合において、抵当権の実行によりその不動産が競売されたときは、その代価から最先順位の抵当権者より先にその支出した額の償還を受けることができる。

(正答)  

(解説)
391条は、「抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産について必要費又は有益費を支出したときは、196条の区別に従い、抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けることができる。」と規定している。

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条文
第394条(抵当不動産以外の財産からの弁済)
① 抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる。
② 前項の規定は、抵当不動産の代価に先立って他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。この場合において、他の各債権者は、抵当権者に同項の規定による弁済を受けさせるため、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。
過去問・解説

(H25 共通 第13問 4)
抵当権の実行としての競売がされる前に抵当権の被担保債権について抵当不動産以外の財産の代価を配当すべき場合には、当該抵当権者以外の債権者は、当該抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。

(正答)  

(解説)
394条は、1項において「抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる。」と規定する一方で、2項において「前項の規定は、抵当不動産の代価に先立って他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。この場合において、他の各債権者は、抵当権者に同項の規定による弁済を受けさせるため、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。」と規定している。

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条文
第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)
① 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。 
 一 競売手続の開始前から使用又は収益をする者
 二 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者
② 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその1箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。 
過去問・解説
正答率 : 0.0%

(H19 司法 第16問 1)
抵当権が設定された建物を、抵当権者に対抗することができない賃貸借に基づいて使用する者は、競売手続開始前から使用していれば、建物の買受人が買い受けた時から6か月を経過するまでは、その建物の買受人への引渡しを猶予される。

(正答)  

(解説)
395条1項1号は、抵当建物使用者として抵当建物の引渡し猶予を受けることができる者として、「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」を挙げている。


正答率 : 0.0%

(H24 司法 第15問 4)
建物に設定された抵当権が実行された場合において、抵当権の設定登記後であって競売手続の開始前からその建物の引渡しを受けて占有し使用している者が存在するときは、その建物の占有者は、買受人による建物買受けの時から6か月間、買受人に対する使用の対価を支払うことなく建物の明渡しを猶予される。

(正答)  

(解説)
395条2項は、「前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその1箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。」として、抵当建物使用者は引渡しの猶予期間中であっても買受人に対して建物使用の対価を支払うことを前提とした規定をしている。


正答率 : 100.0%

(H30 司法 第13問 オ)
抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である土地を使用収益する者は、抵当権の実行によりその土地が競売された場合、買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは、その土地を買受人に明け渡す必要がない。

(正答)  

(解説)
395条は、抵当建物使用者の引渡しの猶予について規定するにとどまり、抵当土地使用者の引渡しの猶予について定めた規定は存在しない。


正答率 : 100.0%

(R6 司法 第16問 オ)
抵当権者に対抗することができない賃貸借によって抵当権の目的である甲建物を使用する者は、甲建物が競売されたときは、競売手続の開始前から使用していたとしても、直ちに買受人に甲建物を引き渡さなければならない。

(正答)  

(解説)
395条1項は、柱書において「抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。」と規定した上で、1号において、明渡しの猶予を受けることができる者として「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」を挙げている。

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条文
第396条(抵当権の消滅時効)
 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。
過去問・解説
正答率 : 100.0%

(H26 共通 第14問 エ)
抵当権を実行することができる時から20年が経過すれば、抵当権設定者は、抵当権者に対し、時効による抵当権の消滅を主張することができる。

(正答)  

(解説)
396条は、「抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。」と規定している。したがって、抵当権は、「債務者及び抵当権設定者」との関係では、被担保債権から独立して時効消滅することはない。
よって、抵当権を実行することができる時から20年が経過しても、抵当権設定者は、抵当権者に対し、時効による抵当権の消滅を主張することはできない。


正答率 : 100.0%

(R2 共通 第12問 ア)
債務者Aは債権者BのためにAの所有する不動産甲に抵当権を設定し、その旨の登記がされた。Aは、抵当権を実行することができる時から20年が経過すれば、被担保債権が消滅していなくても、抵当権が時効により消滅したと主張することができる。

(正答)  

(解説)
396条は、「抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。」と規定している。したがって、抵当権は、「債務者及び抵当権設定者」との関係では、被担保債権から独立して時効消滅することはない。
よって、Aは、抵当権を実行することができる時から20年が経過しても、被担保債権が消滅していなければ、抵当権が時効により消滅したと主張することができない。

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条文
第397条(抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅)
 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。
過去問・解説

(H25 共通 第15問 2)
債務者が所有する不動産に抵当権が設定され、その登記がされている場合、その債務者が当該不動産を10年間継続して占有したとしても、その債務者は、抵当権者に対し、抵当権の負担のない所有権を時効により取得したとして、抵当権設定登記の抹消登記手続を請求することはできない。

(正答)  

(解説)
397条は、「債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。」と規定しており、抵当権不動産の時効取得により抵当権が消滅する場合について、「債務者」及び「抵当権設定者」(ここでは、物上保証人を意味する)が抵当権不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときを除外している。

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条文
第398条(抵当権の目的である地上権等の放棄)
 地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができない。
過去問・解説

(R5 共通 第9問 オ)
永小作権を目的として抵当権を設定した永小作人は、その永小作権を放棄したとしても、その放棄をもって抵当権者に対抗することができない。

(正答)  

(解説)
398条は、「永小作権を抵当権の目的とした…永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができない。」と規定している。

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第398条の2

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条文
第398条の2(根抵当権)
① 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
② 前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
③ 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成19年法律第102号)第2条第1項に規定する電子記録債権をいう。次条第2項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。
過去問・解説

(H24 司法 第16問 1)
手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の被担保債権と定める場合においても、第三者が振り出し、債務者が裏書した手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の被担保債権とすることはできない。

(正答)  

(解説)
398条の2は、2項において「根抵当権…の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。」と規定する一方で、3項において「手形上若しくは小切手上の請求権…は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。」と規定している。

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第398条の3

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条文
第398条の3(根抵当権の被担保債権の範囲)
① 根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。 
② 債務者との取引によらないで取得する手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権を根抵当権の担保すべき債権とした場合において、次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。ただし、その後に取得したものであっても、その事由を知らないで取得したものについては、これを行使することを妨げない。 
 一 債務者の支払の停止
 二 債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立て
 三 抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え
過去問・解説
正答率 : 0.0%

(H18 司法 第15問 2)
根抵当権も元本が確定すれば普通抵当権と同じに扱われるから、被担保債権の利息や損害金のうち根抵当権によって担保される部分は、最後の2年分に限定される。

(正答)  

(解説)
375条1項本文は、抵当権の被担保債権について、「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」と規定している。これに対し、398条3項第1項は、根抵当権の被担保債権について、「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができると規定している。」と規定している。したがって、被担保債権の利息や損害金のうち根抵当権によって担保される部分は、最後の2年分に限定されない。


正答率 : 0.0%

(H19 司法 第13問 オ)
元本の確定した根抵当権は、確定した元本のほか、利息その他の定期金のうち満期となった最後の2年分について、極度額を限度として担保する。

(正答)  

(解説)
375条1項本文は、抵当権の被担保債権について、「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」と規定している。これに対し、398条3項第1項は、根抵当権の被担保債権について、「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができると規定している。」と規定している。したがって、被担保債権の利息や損害金のうち根抵当権によって担保される部分は、最後の2年分に限定されない。


正答率 : 0.0%

(H24 司法 第16問 5)
元本確定後の根抵当権は、極度額を限度として、元本のほか、利息及び遅延損害金がある場合には、2年を超える利息及び遅延損害金についても行使することができる。

(正答)  

(解説)
375条1項本文は、抵当権の被担保債権について、「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」と規定している。これに対し、398条3項第1項は、根抵当権の被担保債権について、「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができると規定している。」と規定している。したがって、被担保債権の利息や損害金のうち根抵当権によって担保される部分は、最後の2年分に限定されない。


(H25 司法 第16問 3)
根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。

(正答)  

(解説)
375条1項本文は、抵当権の被担保債権について、「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」と規定している。これに対し、398条3項第1項は、根抵当権の被担保債権について、「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができると規定している。」と規定している。したがって、被担保債権の利息や損害金のうち根抵当権によって担保される部分は、最後の2年分に限定されない。


(H28 司法 第16問 オ)
元本の確定した根抵当権は、確定した元本のほか、その利息についても、極度額を限度として担保する。

(正答)  

(解説)
375条1項本文は、抵当権の被担保債権について、「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」と規定している。これに対し、398条3項第1項は、根抵当権の被担保債権について、「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができると規定している。」と規定している。したがって、被担保債権の利息や損害金のうち根抵当権によって担保される部分は、最後の2年分に限定されない。

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第398条の4

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条文
第398条の4(根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更)
① 元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。
② 前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
③ 第1項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。
過去問・解説
正答率 : 100.0%

(H24 司法 第16問 3)
元本確定前において根抵当権の担保すべき債権の範囲及び債務者についての変更は、後順位抵当権者がいる場合は、その承諾を得なければすることができない。

(正答)  

(解説)
398条の4は、第1項前段において「元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。」と規定した上で、第2項において「前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(H28 司法 第16問 イ)
元本確定前において、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をするときは、後順位抵当権者の承諾を得なければならない。

(正答)  

(解説)
398条の4は、第1項前段において「元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。」と規定した上で、第2項において「前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。」と規定している。


正答率 : 0.0%

(H28 司法 第16問 ウ)
根抵当権の債務者の変更は、元本確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなされる。

(正答)  

(解説)
398条の4第3項は、根抵当権の債務者の変更(同条1項後段)について、「元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(H30 司法 第15問 ア)
元本の確定前において債務者を変更するには、後順位の抵当権者の承諾を得なければならない。

(正答)  

(解説)
398条の4第2項は、元本の確定前の債務者の変更(同条1項後段)について、「後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。」と規定している。

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第398条の5

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条文
第398条の5(根抵当権の極度額の変更)
 根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。
過去問・解説

(H30 司法 第15問 エ)
根抵当権の極度額の減額をするには、利害関係を有する者の承諾を得ることを要しない。

(正答)  

(解説)
398条の5は、「根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。」と規定している。

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第398条の6

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条文
第398条の6(根抵当権の元本確定期日の定め)
① 根抵当権の担保すべき元本については、その確定すべき期日を定め又は変更することができる。
② 第398条の4第2項の規定は、前項の場合について準用する。
③ 第1項の期日は、これを定め又は変更した日から5年以内でなければならない。
④ 第1項の期日の変更についてその変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する。
過去問・解説
正答率 : 100.0%

(H28 司法 第16問 エ)
根抵当権の設定時に元本確定期日を定めなかった場合、当該根抵当権の設定は無効である。

(正答)  

(解説)
398条の6第1項は、「根抵当権の担保すべき元本については、その確定すべき期日を定め…ることができる。」と規定している。したがって、根抵当権の設定時に元本確定期日を定めるか否かは任意であり、根抵当権の設定時に元本確定期日を定めなかったとしても、当該根抵当権の設定は有効である。


正答率 : 0.0%

(R2 司法 第13問 エ)
債務者Aが債権者Bのために自己の所有する不動産に根抵当権を設定した。後順位抵当権者Fがいる場合、A及びBが元本確定期日を変更するためには、Fの承諾が必要である。

(正答)  

(解説)
398条の6第2項は、根抵当権の元本確定期日の変更(同条1項)について、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を要しないとしている(398条の6第2項の準用)。

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第398条の7

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条文
第398条の7(根抵当権の被担保債権の譲渡等)
① 元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。
② 元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない。
③ 元本の確定前に免責的債務引受があった場合における債権者は、第472条の4第1項の規定にかかわらず、根抵当権を引受人が負担する債務に移すことができない。
④ 元本の確定前に債権者の交替による更改があった場合における更改前の債権者は、第518条第1項の規定にかかわらず、根抵当権を更改後の債務に移すことができない。元本の確定前に債務者の交替による更改があった場合における債権者も、同様とする。
過去問・解説
正答率 : 100.0%

(H18 司法 第15問 4)
根抵当権の元本の確定前であっても、弁済期が到来した被担保債権をすべて弁済した第三者は、債務者に対する求償権を確実にするため、根抵当権者に代位して、根抵当権を行使することができる。

(正答)  

(解説)
398条の7第1項は、「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(H24 司法 第16問 2)
根抵当権の元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について当該根抵当権を行使することはできない。

(正答)  

(解説)
398条の7第1項前段は、「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。」と規定している。


正答率 : 100.0%

(R2 司法 第13問 ウ)
債務者Aが債権者Bのために自己の所有する不動産に根抵当権を設定した。元本の確定前に、Bが根抵当権によって担保されていた債権をEに譲渡した場合、それに伴って根抵当権もEに移転する。

(正答)  

(解説)
398条の7第1項前段は、「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。」と規定している。

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第398条の8

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条文
第398条の8(根抵当権者又は債務者の相続)
① 元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。
② 元本の確定前にその債務者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債務のほか、根抵当権者と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に負担する債務を担保する。
③ 第398条の4第2項の規定は、前2項の合意をする場合について準用する。
④ 第1項及び第2項の合意について相続の開始後6箇月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなす。
過去問・解説

(H24 司法 第16問 4)
元本確定前に根抵当権者が死亡して相続が開始した場合において、根抵当権者の相続人と根抵当権の設定者との間でその根抵当権を承継する相続人を合意しなかったときは、その根抵当権の担保すべき元本は、根抵当権者の相続開始の時に確定する。

(正答)  

(解説)
398条の8は、第1項において「元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。」と規定した上で、第4項において、「第1項…の合意について相続の開始後6箇月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなす。」と規定している。

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第398条の11

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条文
第398条の11(根抵当権の処分)
① 元本の確定前においては、根抵当権者は、第376条第1項の規定による根抵当権の処分をすることができない。ただし、その根抵当権を他の債権の担保とすることを妨げない。
② 第377条第2項の規定は、前項ただし書の場合において元本の確定前にした弁済については、適用しない。
過去問・解説
正答率 : 0.0%

(R2 司法 第13問 ア)
債務者Aが債権者Bのために自己の所有する不動産に根抵当権を設定した。Bは、元本の確定前は、Aに対する他の債権者Cに対してその順位を譲渡することができる。

(正答)  

(解説)
398条の11第1項本文は、「元本の確定前においては、根抵当権者は、第376条第1項の規定による根抵当権の処分をすることができない。」と規定している。


正答率 : 0.0%

(R2 司法 第13問 イ)
債務者Aが債権者Bのために自己の所有する不動産に根抵当権を設定した。Bの根抵当権にDのために転根抵当権が設定され、BがAに転根抵当権の設定の通知をした場合、Aは、元本の確定前であれば、Dの承諾を得なくてもBに弁済することができる。

(正答)  

(解説)
元本の確定前に弁済をした場合、根抵当権者は、その根抵当権を他の債権の担保とすることができない(398条の11第2項、398条の11第1項但書)。したがって、元本の確定前における弁済は、転根抵当権者の承諾を得なくても、認められる。

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第398条の12

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条文
第398条の12(根抵当権の譲渡)
① 元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。
② 根抵当権者は、その根抵当権を2個の根抵当権に分割して、その一方を前項の規定により譲り渡すことができる。この場合において、その根抵当権を目的とする権利は、譲り渡した根抵当権について消滅する。
③ 前項の規定による譲渡をするには、その根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾を得なければならない。
過去問・解説

(H18 司法 第15問 5)
元本確定前の根抵当権は、被担保債権とは切り離された極度額の価値支配権であるから、その全部又は一部を譲渡することができるが、債務者や被担保債権も変わり得るから、根抵当権設定者の承諾を得なければならない。

(正答)  

(解説)
398条の12第1項は、「元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。」と規定しており、398条の13は、「元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡…をすることができる。と規定している。したがって、元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の全部又は一部を譲渡することができる。


(H28 司法 第16問 ア)
根抵当権者は、元本確定前の根抵当権の全部又は一部を譲渡することができるが、その場合、根抵当権設定者の承諾を得る必要はない。

(正答)  

(解説)
398条の12第1項は、「元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。」と規定しており、398条の13は、「元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡…をすることができる。と規定している。したがって、元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の全部又は一部を譲渡することができる。

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第398条の18

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条文
第398条の18(累積根抵当)
 数個の不動産につき根抵当権を有する者は、第398条の16の場合を除き、各不動産の代価について、各極度額に至るまで優先権を行使することができる。
過去問・解説

(R2 司法 第13問 オ)
債務者Aが債権者Bのために自己の所有する不動産に根抵当権を設定した。Bが数個の不動産について根抵当権を有する場合、同一の債権の担保として数個の不動産の上に根抵当権が設定された旨の登記がその設定と同時にされたときを除き、各不動産の代価についてそれぞれの極度額まで優先権を行使することができる。

(正答)  

(解説)
398条の18は、共同根抵当の場合(398条の16)の場合を除き、「数個の不動産につき根抵当権を有する者は、…各不動産の代価について、各極度額に至るまで優先権を行使することができる。」と規定している。

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第398条の19

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条文
第398条の19(根抵当権の元本の確定請求)
① 根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から2週間を経過することによって確定する。
② 根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。
③ 前2項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。
過去問・解説

(H30 司法 第15問 イ)
根抵当権者は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがない場合、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。

(正答)  

(解説)
398条の19は、第2項前段において「根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。」と規定した上で、第3項において「前2項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。」と規定している。

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第398条の20

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条文
第398条の20(根抵当権の元本の確定事由)
① 次に掲げる場合には、根抵当権の担保すべき元本は、確定する。 
 一 根抵当権者が抵当不動産について競売若しくは担保不動産収益執行又は第372条において準用する第304条の規定による差押えを申し立てたとき。ただし、競売手続若しくは担保不動産収益執行手続の開始又は差押えがあったときに限る。
 二 根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押えをしたとき。
 三 根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から2週間を経過したとき。
 四 債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき。
② 前項第3号の競売手続の開始若しくは差押え又は同項第4号の破産手続開始の決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす。ただし、元本が確定したものとしてその根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した者があるときは、この限りでない。 
過去問・解説

(H18 司法 第15問 1)
第1順位の根抵当権者は、後順位の担保権者が目的不動産について申し立てた競売手続が開始しても、競売時期の選択について後順位の担保権者より優先するから、元本を確定させず、競売手続を止めることができる。

(正答)  

(解説)
398条の20第1項3号は、根抵当権の担保すべき元本が確定する場合として、「根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から2週間を経過したとき」を挙げている。したがって、同条1項3号所定の場合には、根抵当権の担保すべき元本が確定するのであって、競売手続を止めることができるわけではない。

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第398条の21

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条文
第398条の21(根抵当権の極度額の減額請求)
① 元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。
② 第398条の16の登記がされている根抵当権の極度額の減額については、前項の規定による請求は、そのうちの1個の不動産についてすれば足りる。
過去問・解説

(H30 司法 第15問 オ)
元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。

(正答)  

(解説)
398条の21第1項は、「元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。」と規定している。

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第398条の22

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条文
第398条の22(根抵当権の消滅請求)
① 元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。この場合において、その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。
② 第398条の16の登記がされている根抵当権は、1個の不動産について前項の消滅請求があったときは、消滅する。
③ 第380条及び第381条の規定は、第1項の消滅請求について準用する。
過去問・解説

(H25 共通 第13問 5)
根抵当権の元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するため当該根抵当権を設定した者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、当該根抵当権の消滅請求をすることができる。

(正答)  

(解説)
398条の22第1項前段は、「元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者…は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。」と規定している。

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