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民法 第109条

条文
第109条(代理権授与の表示による表見代理等)
① 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
② 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。
過去問・解説
(H18 司法 第25問 エ)
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その他人が代理権を与えられていないことを当該第三者が知り又は過失により知らなかったことを証明して、表見代理の責任を免れることができる。

(正答)  

(解説)
109条1項は、「第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない」と規定しており、相手方の悪意・過失について本人が証明責任を負うこととしている。
すなわち、表見代理の成立を主張する相手方において、請求原因として、自己の善意・無過失について証明責任を負うのではなく、表見代理の成立を争う本人において、抗弁として、相手方の悪意・過失について証明責任を負うのである。

(H20 司法 第6問 4)
何らの代理権がない者が代理人と称してした契約であっても、相手方が代理人と称した者に当該契約を締結する権限があると信じ、そのように信じたことにつき正当な理由がある場合には、本人に対してその効力を生じる。

(正答)  

(解説)
表見代理の規定(109条、110条、112条)には、本人の帰責性に対応する要件が設けられているところ、本肢の事例では、代理権授与表示(109条)、基本代理権の授与(110条)、過去における代理権の授与(112条)のいずれも欠くから、表見代理は成立しない。

(H24 司法 第5問 1)
Aは、見知らぬ他人であるB宅に侵入し、Bの印章と登記関係の書類を盗み出し、それを用いて、BがAにB所有の甲不動産を売却する代理権を与えた旨の委任状を偽造し、Bの代理人として、Cに対して甲不動産を売却する契約を締結した。この場合において、CがAに代理権がないことについて善意無過失であっても、表見代理は成立しない。

(正答)  

(解説)
本事例では、BがAに対して印章と登記関係の書類を交付したわけでも、委任状を交付したわけでもないから、「第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した」とはいえない。
したがって、109条1項の表見代理は成立しない。
なお、110条及び112条の表見代理が成立する余地もない。

(H25 司法 第4問 ウ)
子が父から何らの代理権も与えられていないのに、父の代理人として相手方に対し父所有の不動産を売却した場合、相手方において、子に売買契約を締結する代理権があると信じ、そのように信じたことに正当な理由があるときは、表見代理が成立する。

(正答)  

(解説)
表見代理の規定(109条、110条、112条)には、本人の帰責性に対応する要件が設けられているところ、本肢の事例では、代理権授与表示(109条)、基本代理権の授与(110条)、過去における代理権の授与(112条)のいずれも欠くから、表見代理は成立しない。

(H29 司法 第5問 イ)
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その他人に代理権が与えられていないことをその第三者が知り、又は過失によって知らなかったことを主張立証すれば、その表示された代理権の範囲内においてされた行為について責任を免れる。

(正答)  

(解説)
109条1項は、「第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない」と規定しており、相手方の悪意・過失について本人が証明責任を負うこととしている。
すなわち、表見代理の成立を主張する相手方において、請求原因として、自己の善意・無過失について証明責任を負うのではなく、表見代理の成立を争う本人において、抗弁として、相手方の悪意・過失について証明責任を負うのである。

(R6 司法 第4問 ア)
AがBに対しCに代理権を与えた旨を表示した場合に、代理権授与の表示による表見代理が成立するためには、Cに代理権が与えられていると信じ、かつ、そのように信じたことについて過失がないことをBが主張立証しなければならない。

(正答)  

(解説)
109条1項は、「第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない」と規定しており、相手方の悪意・過失について本人が証明責任を負うこととしている。
すなわち、表見代理の成立を主張する相手方において、請求原因として、自己の善意・無過失について証明責任を負うのではなく、表見代理の成立を争う本人において、抗弁として、相手方の悪意・過失について証明責任を負うのである。
総合メモ
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