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民法 第177条
条文
第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
過去問・解説
(H22 司法 第13問 3)
AがBに対し有する甲債権を担保するため、Bが所有する乙土地を目的とする第1順位の抵当権が設定されてその旨が登記され、また、Cが保証人となった。Dに対しAが抵当権の順位を譲渡したにもかかわらずその旨の登記がされていない場合において、Aが乙土地の抵当権をEに譲渡してその旨の登記をしたときには、Eは、Dに対し抵当権の譲渡を受けたことを対抗することができる。
AがBに対し有する甲債権を担保するため、Bが所有する乙土地を目的とする第1順位の抵当権が設定されてその旨が登記され、また、Cが保証人となった。Dに対しAが抵当権の順位を譲渡したにもかかわらずその旨の登記がされていない場合において、Aが乙土地の抵当権をEに譲渡してその旨の登記をしたときには、Eは、Dに対し抵当権の譲渡を受けたことを対抗することができる。
(正答) 〇
(解説)
177条は、不動産物権変動における登記による対抗要件制度について定めている。
抵当権の取得は、「不動産に関する物権」の取「得」であるから、同条の対抗要件制度に服する。
したがって、Eは、抵当権設定登記を具備していないから、「第三者」であるDに対し抵当権の譲渡を受けたことを対抗することができない。
177条は、不動産物権変動における登記による対抗要件制度について定めている。
抵当権の取得は、「不動産に関する物権」の取「得」であるから、同条の対抗要件制度に服する。
したがって、Eは、抵当権設定登記を具備していないから、「第三者」であるDに対し抵当権の譲渡を受けたことを対抗することができない。
(H25 司法 第14問 ア)
不動産売買の先取特権について登記があるときは、その先取特権者は、登記の先後を問わず、抵当権に先立って先取特権を行使することができる。
不動産売買の先取特権について登記があるときは、その先取特権者は、登記の先後を問わず、抵当権に先立って先取特権を行使することができる。
(正答) ✕
(解説)
339条は、不動産保存(337条)及び不動産工事(338条)の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。
しかし、不動産売買の先取特権(340条)については、そのような規定はないから、抵当権との優劣は登記の先後によって決せられる(177条)。
339条は、不動産保存(337条)及び不動産工事(338条)の先取特権について、「前2条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」と規定している。
しかし、不動産売買の先取特権(340条)については、そのような規定はないから、抵当権との優劣は登記の先後によって決せられる(177条)。
(R6 司法 第7問 ア)
AがA所有の甲土地をBに売却した後、Aが甲土地をCにも売却した。AからBへの所有権移転登記も、AからCへの所有権移転登記もされていない。この場合、Bは、甲土地の所有権の取得を第三者Cに対抗することができる。
AがA所有の甲土地をBに売却した後、Aが甲土地をCにも売却した。AからBへの所有権移転登記も、AからCへの所有権移転登記もされていない。この場合、Bは、甲土地の所有権の取得を第三者Cに対抗することができる。
(正答) ✕
(解説)
BとCは不動産の二重譲渡における譲受人相互の関係にあるから、177条の適用を受ける。
したがって、Bは、所有権移転登記を具備していない以上、甲土地の所有権の取得を「第三者」に対抗することはできない。
BとCは不動産の二重譲渡における譲受人相互の関係にあるから、177条の適用を受ける。
したがって、Bは、所有権移転登記を具備していない以上、甲土地の所有権の取得を「第三者」に対抗することはできない。
(R6 司法 第7問 イ)
A所有の甲土地について、Bが、Aに無断で、Bを所有権の登記名義人とする登記を備えた。Bと善意無過失のCとの間で甲土地の売買がされ、BからCへの所有権移転登記がされたときは、Cは、甲土地の所有権を取得する。
A所有の甲土地について、Bが、Aに無断で、Bを所有権の登記名義人とする登記を備えた。Bと善意無過失のCとの間で甲土地の売買がされ、BからCへの所有権移転登記がされたときは、Cは、甲土地の所有権を取得する。
(正答) ✕
(解説)
Cは、無権利者からの譲受人にとどまり、不動産登記には公信力がないから、Bを所有権の登記名義人とする不実登記を過失なく信じたからといって当然に甲土地の所有権を取得できるわけではない。また、
不動産については即時取得制度(192条)もないし、不実登記の作出についてAの帰責性はないため94条2項類推適用も認められない。したがって、Cは、甲土地の所有権を取得することができない。
Cは、無権利者からの譲受人にとどまり、不動産登記には公信力がないから、Bを所有権の登記名義人とする不実登記を過失なく信じたからといって当然に甲土地の所有権を取得できるわけではない。また、
不動産については即時取得制度(192条)もないし、不実登記の作出についてAの帰責性はないため94条2項類推適用も認められない。したがって、Cは、甲土地の所有権を取得することができない。
(R6 司法 第7問 オ)
AがA所有の甲土地をBに売却した後、AからBへの所有権移転登記がされないままAが死亡した。CがAの唯一の相続人である場合において、Cが相続により甲土地の所有権を取得した旨の登記がされたときは、Bは、甲土地の所有権の取得をCに対抗することができない。
AがA所有の甲土地をBに売却した後、AからBへの所有権移転登記がされないままAが死亡した。CがAの唯一の相続人である場合において、Cが相続により甲土地の所有権を取得した旨の登記がされたときは、Bは、甲土地の所有権の取得をCに対抗することができない。
(正答) ✕
(解説)
確かに、BがAとの売買契約により甲土地の所有権を取得することは、「不動産に関する物権」の取「得」(177条)に当たる。
しかし、177条の「第三者」の客観的範囲は、当事者及びその包括承継人以外の者であるところ、Aの唯一の相続人であるCは、当事者Aの包括承継人であり、「第三者」に当たらない。
したがって、Bは、AからBへの所有権移転登記がなされていなくても、甲土地の所有権の取得をCに対抗することができる。
確かに、BがAとの売買契約により甲土地の所有権を取得することは、「不動産に関する物権」の取「得」(177条)に当たる。
しかし、177条の「第三者」の客観的範囲は、当事者及びその包括承継人以外の者であるところ、Aの唯一の相続人であるCは、当事者Aの包括承継人であり、「第三者」に当たらない。
したがって、Bは、AからBへの所有権移転登記がなされていなくても、甲土地の所有権の取得をCに対抗することができる。