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民法 第329条
条文
第329条(一般の先取特権の順位)
① 一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。
② 一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。
① 一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。
② 一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。
過去問・解説
(H18 司法 第9問 3)
対抗要件を備える必要がない物権の場合には、時間的に先に成立した物権が優先する。
対抗要件を備える必要がない物権の場合には、時間的に先に成立した物権が優先する。
(正答) ✕
(解説)
329条1項は、「一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。」と規定している。そして、先取特権は、対抗要件を備える必要がない物権である。したがって、対抗要件を備える必要がない物権であっても、時間的に先に成立した物権が優先するとは限らない。
329条1項は、「一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。」と規定している。そして、先取特権は、対抗要件を備える必要がない物権である。したがって、対抗要件を備える必要がない物権であっても、時間的に先に成立した物権が優先するとは限らない。
(H27 司法 第12問 ウ)
家屋の賃借人がその家屋に備え付けた家具が競売された場合において、その執行費用に関する先取特権は、その家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
家屋の賃借人がその家屋に備え付けた家具が競売された場合において、その執行費用に関する先取特権は、その家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定する一方で、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」と規定している。そして、競売の執行費用に関する先取特権は、「共益の費用の先取特権」に該当する。また、家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権は、動産先取特権(311条1号)である。
したがって、競売の執行費用に関する先取特権は、家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定する一方で、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」と規定している。そして、競売の執行費用に関する先取特権は、「共益の費用の先取特権」に該当する。また、家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権は、動産先取特権(311条1号)である。
したがって、競売の執行費用に関する先取特権は、家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
(H28 司法 第13問 エ)
会社が、電器店から購入した冷蔵庫の売買代金を支払わず、かつ、従業員への給料も支払っていない場合、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
会社が、電器店から購入した冷蔵庫の売買代金を支払わず、かつ、従業員への給料も支払っていない場合、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
329条2項本文は、「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定している。そして、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権は、一般先取特権である雇用の先取特権(306条2号)であるのに対し、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、特別の先取特権である動産先取特権(311条4号)である。
したがって、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
329条2項本文は、「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定している。そして、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権は、一般先取特権である雇用の先取特権(306条2号)であるのに対し、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、特別の先取特権である動産先取特権(311条4号)である。
したがって、電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は、従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
(R6 司法 第13問 イ)
建物の賃借人がその建物に備え付けた動産について競売がされたときは、執行費用を被担保債権とする共益の費用の先取特権は、その動産について存在する不動産賃貸の先取特権に優先する。
建物の賃借人がその建物に備え付けた動産について競売がされたときは、執行費用を被担保債権とする共益の費用の先取特権は、その動産について存在する不動産賃貸の先取特権に優先する。
(正答) 〇
(解説)
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定する一方で、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」と規定している。
したがって、競売の執行費用を被担保債権とする共益の先取特権(306条1号)は、家屋の賃貸人が賃料債権を被担保債権として家具について有する不動産賃貸の先取特権(311条1号)に優先する。
329条2項は、本文において「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。」と規定する一方で、但書において「ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」と規定している。
したがって、競売の執行費用を被担保債権とする共益の先取特権(306条1号)は、家屋の賃貸人が賃料債権を被担保債権として家具について有する不動産賃貸の先取特権(311条1号)に優先する。