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民法 第551条

条文
第551条(贈与者の引渡義務等)
① 贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。
② 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。
過去問・解説
(H26 司法 第22問 4)
贈与者は、贈与した特定物に契約不適合があった場合、売主と同様の担保責任を負う。

(正答)  

(解説)
551条1項は、①贈与者の引渡義務の内容が贈与契約の趣旨に照らして確定されることを不文の原則とした上で(契約責任説の採用)、②贈与の無償性に配慮し、贈与者が「贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する」として、贈与契約の当事者の通常の意思に関する推定規定を設けている。ここでいう「贈与の目的を特定した時」とは、特定物贈与のときは契約時を、不特定物贈与のときは目的物が特定した時(401条2項)を意味する(潮見佳男「基本講義 債権各論Ⅰ」第4版122頁)。 これに対して、特定物売買における売主は、特約のない限り、契約内容に適合する種類・品質の目的物を引き渡す義務を負うから(562条1項参照)、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡すのでは足りない。

(R3 司法 第24問 イ)
贈与者は、特約のない限り、目的物が特定した時の状態でこれを引き渡せば足りる。

(正答)  

(解説)
551条1項は、「贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。」と規定している。

(R6 司法 第26問 オ)
AがBとの間でA所有の絵画甲をBに負担付きで贈与する契約をした。引き渡された甲の品質が本件契約の内容に適合しない場合であっても、甲の価額が負担の価額を上回っているときは、Bは、Aに対し、負担の減縮を請求することができない。

(正答)  

(解説)
551条は、1項において「贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。」と規定した上で、2項において「負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。」と規定している。同条2項でいう「負担の限度」とは、受贈者が負担を履行することによって損失を被らない限度でという意味である(潮見佳男「基本講義 債権各論Ⅰ」第4版124頁)。
負担付贈与において、引き渡された目的物の品質が契約内容に適合していない場合、受贈者は、「その負担の限度において」、贈与者に対し、負担の減額を請求することができる(551条2項及び553条による563条1項の準用)。もっとも、本肢の事例では、甲の価額が負担の価額を上回っているから、Bは、Aに対し、負担の減縮を請求することができない。
総合メモ
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