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客体
名誉毀損罪における「事実」 大判大正5年12月13日
概要
判例
判旨:「名誉毀損罪ニ於ケル事実ハ必スシモ非公知ノモノタルヲ要セス公知ノ事実ト雖モ之ヲ摘示表白スル以上ハ同罪ヲ構成スルモノトス」
過去問・解説
(H29 共通 第18問 1)
摘示される「事実」は、非公知のものでなければならないから、公知の事実を摘示した場合には、名誉毀損罪は成立しない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大5.12.13)は、「名誉毀損罪ニ於ケル事実ハ必スシモ非公知ノモノタルヲ要セス公知ノ事実ト雖モ之ヲ摘示表白スル以上ハ同罪ヲ構成スルモノトス」として、公知の事実の摘示であっても名誉毀損罪が成立し得ることを示している。
したがって、「事実」は必ずしも非公知のものであることを要せず、公知事実を摘示した場合、名誉毀損罪が成立する。
名誉毀損罪の客体 大判大正15年3月24日
概要
判例
判旨:「名誉毀損罪又ハ侮辱罪ノ被害者タル者ハ或特定セル人又ハ人格ヲ有スル団体ナリトス」
過去問・解説
(H21 司法 第13問 4)
名誉毀損罪が成立するためには、人の名誉を毀損する必要があるが、法人等の団体は名誉感情を持ち得ないから、法人等の団体に対する名誉毀損罪が成立する余地はない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大15.3.24)は、「名誉毀損罪又ハ侮辱罪ノ被害者タル者ハ或特定セル人又ハ人格ヲ有スル団体ナリトス」として、法人も名誉毀損罪・侮辱罪の客体となることを示している。
したがって、法人等の団体に対する名誉毀損罪が成立する余地もある。
(H24 司法 第8問 2)
教授甲は、数百人が出席している講演会で、日頃意見の対立するV教授がX県出身であったことから、誰のことを言っているかは分からないようにしつつ、「X県人は頭が悪い。」と述べた。甲には名誉毀損罪が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大15.3.24)は、「名誉毀損罪又ハ侮辱罪ノ被害者タル者ハ或特定セル人又ハ人格ヲ有スル団体ナリトス」として、特定人や法人のみが名誉毀損罪・侮辱罪の客体となることを示している。
甲が述べたのは、不特定な「X県人」に関することであるから、甲に名誉毀損罪は成立しない。
(H29 共通 第18問 3)
名誉の主体である「人」は、自然人に限られるから、法人の名誉を毀損した場合には、名誉毀損罪は成立しない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大15.3.24)は、「名誉毀損罪又ハ侮辱罪ノ被害者タル者ハ或特定セル人又ハ人格ヲ有スル団体ナリトス」として、法人も名誉毀損罪・侮辱罪の客体となることを示している。
したがって、法人の名誉を毀損した場合にも、名誉毀損罪は成立する。
(R2 共通 第16問 1)
名誉毀損罪及び侮辱罪の保護法益は、いずれも人の外部的名誉であり、法人については、侮辱罪の客体になり得ない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大15.3.24)は、「名誉毀損罪又ハ侮辱罪ノ被害者タル者ハ或特定セル人又ハ人格ヲ有スル団体ナリトス」として、法人も名誉毀損罪・侮辱罪の客体となることを示している。
(R7 予備 第5問 ウ)
法人の名誉を毀損した場合、名誉毀損罪が成立することはない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大15.3.24)は、「名誉毀損罪又ハ侮辱罪ノ被害者タル者ハ或特定セル人又ハ人格ヲ有スル団体ナリトス」として、法人も名誉毀損罪の客体となることを示している。
したがって、法人の名誉を毀損した場合でも、名誉毀損罪が成立することがある。
(R8 司法 第12問 4)
名誉毀損罪の被害者は、特定の人又は団体である必要はないので、誰のことであるかは特定せずに「X市の住民は、不倫ばかりしている。」といった漠然とした表示でも同罪が成立し得る。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大15.3.24)は、「名誉毀損罪又ハ侮辱罪ノ被害者タル者ハ或特定セル人又ハ人格ヲ有スル団体ナリトス」として、特定人や法人のみが名誉毀損罪・侮辱罪の客体となることを示している。
本肢において表示されたのは、不特定な「X市の住民」に関することであるから、名誉毀損罪は成立しない。
法人に対する侮辱罪 最一小判昭和58年11月1日
概要
判例
判旨:「刑法231条にいう『人』には法人も含まれると解すべきであり(大審院大正14年(れ)第2138号同15年3月24日判決・刑集5巻3号117頁参照)、原判決の是認する第一審判決が本件A株式会社を被害者とする侮辱罪の成立を認めたのは、相当である。」
過去問・解説
(H25 共通 第1問 5)
刑法各則に規定された行為の客体には、法人は含まれない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭58.11.1)は、「231条にいう『人』には法人も含まれる…。」としている。
したがって、刑法各則に規定された行為の客体に、法人が含まれるものもある。