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賄賂の罪(客体) - 解答モード

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賄賂の目的物 大判明治43年12月19日

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概要
賄賂の目的物は、有形無形を問わず、人の需要・欲望を満たすに足りる一切の利益を含む。
判例
事案:汚職の事案において、金銭や物品以外も賄賂の目的物となるかが問題となった。

要旨:賄賂ノ目的物ハ其有形ナルト無形ナルトヲ問ハス人ノ需用若クハ慾望ヲ充タスニ足ルヘキ一切ノ利益ヲ包含セルモノトス
(※原文を確認できないため、要旨のみを掲載)
過去問・解説

(H24 司法 第12問 5)
刑法上、賄賂の目的物は、有体物に限られないが、財産上の利益でなければならない。

(正答)

(解説)
判例(大判明43.12.19)は、賄賂の目的物について、有形無形を問わず、人の需要・欲望を満たすに足りる一切の利益を含むことを示している。
したがって、賄賂の目的物は、財産上の利益に限られない。

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賄賂罪の「賄賂」 最三小決昭和33年9月30日

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概要
賄賂は職務行為に対するものであれば足り、個々の職務行為と賄賂との間に対価的関係のあることを必要とするものではない。
判例
事案:a市交通局資材課長であった被告人が、会社から便宜な取り扱いを受けたい趣旨で、饗応を受けたという事案において、かかる饗応が賄賂に当たるかが問題となった。

判旨:「賄賂は職務行為に対するものであれば足り、個々の職務行為と賄賂との間に対価的関係のあることを必要とするものではないと解するを相当とする…。」
過去問・解説

(H30 共通 第6問 ア)
賄賂罪の「賄賂」は、公務員の職務に関する不正な利益であれば足り、個別の職務行為との間に具体的な対価関係があることを要しない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭33.9.30)は、「賄賂は職務行為に対するものであれば足り、個々の職務行為と賄賂との間に対価的関係のあることを必要とするものではない…。」としている。

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賄賂罪の「賄賂」 最一小決平成24年10月15日

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概要
売買代金が時価相当額であったとしても、土地の売買による換金の利益が賄賂に当たる。
判例
事案:公務員から私人に土地の売買が行われたが、売買代金が時価相当額であったという事案において、土地の売買による換金の利益が賄賂に当たるか問題となった。

判旨:「被告人Aは福島県知事であって、同県が発注する建設工事に関して上記の権限を有していたものであり、その実弟である被告人Bが代表取締役を務めるCにおいて、本件土地を早期に売却し、売買代金を会社再建の費用等に充てる必要性があったにもかかわらず、思うようにこれを売却できずにいる状況の中で、被告人両名が共謀の上、同県が発注した木戸ダム工事受注の謝礼の趣旨の下に、Fに本件土地を買い取ってもらい代金の支払を受けたというのであって、このような事実関係の下においては、本件土地の売買代金が時価相当額であったとしても、本件土地の売買による換金の利益は、被告人Aの職務についての対価性を有するものとして賄賂に当たると解するのが相当である。」
過去問・解説

(H30 共通 第20問 ウ)
乙は、土地の購入資金を調達するため、それまでにX市発注の公共工事の受注に際して、土木部長として便宜を図ってきた建築業を営むCに対して、乙所有の農地を時価(700万円)で買い取ってほしい旨を依頼した。Cは、本件農地にはそれまで買手が全く見付からず、乙が苦労していることを知りながら、かねてX市発注の公共工事の受注に際して乙が有利な取り計らいをしてくれたことに対する謝礼の趣旨に加え、時価であれば損をすることもないと考えて、乙の依頼を了承した。そして、Cは、乙と本件農地の売買契約を締結した上で、乙に現金700万円を手渡した。
乙は、本件農地を時価でCに売却したのであるから、乙がCから交付を受けた現金700万円は通常の経済取引に基づく不動産の購入代金であり、不正な利益としての賄賂には当たらないので、乙に収賄罪(収受)は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最決平24.10.15)は、本肢と同種の事案において、「本件土地の売買代金が時価相当額であったとしても、本件土地の売買による換金の利益は、被告人Aの職務についての対価性を有するものとして賄賂に当たる…。」としている。
したがって、Cが乙に交付した、農地買取による換金の利益は賄賂に当たり、乙に収賄罪が成立する。

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中元・歳暮の賄賂該当性 大判昭和4年12月4日

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概要
公務員に対しその職務に関し利益を交付、提供若しくは約束するにおいては、その時期又は利益の多寡は、贈賄罪の成否に関係ない。
判例
事案:電気局の職員が、電機会社から提供された商品券や食事会、現金が自己の職務への謝礼であることを知りながら収受し起訴された事案において、単純収賄罪の成否が問題となった。

判旨:「若シ公務員ノ職務ニ關係ナカリセハ中元歳暮ニ於ケル社交上ノ慣習儀禮ト認メラルヘキ程度ノ贈物ト雖苟モ公務員ノ職務ニ關シ授受セラルル以上ハ賄賂罪ノ成立スルコト勿論ニシテ其ノ額ノ多少公務員ノ社交上ノ地位若ハ時期ノ如何ヲ理由トシテ公務員ノ私的生活ニ關スル社交上ノ儀禮ニ依ル贈答タルニ止マルモノト認メサルヘカラサル理由アルコトナシ」
過去問・解説

(H21 司法 第5問 オ)
公務員が物品の贈与を受けた場合、それが中元・歳暮の名目で贈与されたものであっても、同人の職務との対価関係が認められる限り、単純収賄罪(刑法第197条第1項前段)が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判昭4.12.4)は、本肢と同種の事案において、「若シ公務員ノ職務ニ關係ナカリセハ中元歳暮ニ於ケル社交上ノ慣習儀禮ト認メラルヘキ程度ノ贈物ト雖苟モ公務員ノ職務ニ關シ授受セラルル以上ハ賄賂罪ノ成立スルコト勿論ニシテ其ノ額ノ多少公務員ノ社交上ノ地位若ハ時期ノ如何ヲ理由トシテ公務員ノ私的生活ニ關スル社交上ノ儀禮ニ依ル贈答タルニ止マルモノト認メサルヘカラサル理由アルコトナシ」として、中元・歳暮であっても、公務員の職務と対価関係があれば収賄罪が成立することを示している。

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社交儀礼と賄賂罪 最一小判昭和50年4月24日

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概要
公務員に対する贈与であっても、慣行的社交儀礼として行われたものではないかと考えられる余地が十分ある場合には、収賄罪は成立しない。
判例
事案:新規に学級担任となった直後の時期において、かねてから子女の教員に対する季節の贈答や学年初めの挨拶を慣行としていた父兄から贈答用小切手(5000円)の贈与を受けたという事案において、季節の贈答や贈答用小切手の収受が収賄罪に当たるかが問題となった。

判旨:「右小切手の授受についてみると、それが供与されたのは、被告人が新規に右Aの学級担任になった直後の時期においてであるところ、右Bは、Aの場合ばかりでなく、かねてから子女の教員に対しては季節の贈答や学年初めの挨拶を慣行としていたものであって、これらの贈答に関しては、儀礼的挨拶の限度を超えて、教育指導につき他の生徒に対するより以上の特段の配慮、便益を期待する意図があったとの疑惑を抱かせる特段の事情も認められないのであるから、本件小切手の供与についても、被告人が新しく学級担任の地位についたことから父兄からの慣行的社交儀礼として行われたものではないかとも考えられる余地が十分存するのであって、右供与をもって直ちに被告人が学級担任の教諭として行うべき教育指導の職務行為そのものに関する対価的給付であると断ずるには、記録上窺知することのできる被告人に対する他の父兄からの贈答状況、金額、被告人以外の教員の場合における同種事情、被告人が無罪とされた他の9個の事実との対比等の諸事情一切を総合考慮するときは、なお合理的な疑が存するものといわなければならないのである。
 …以上説示の諸事情に加え、その他記録上窺知できる諸般の事情をも総合して本件事実関係を見れば、第一審判決が掲げる証拠及び記録によっても、前記2件の供与をもって、被告人の教諭としての公的職務に関し、これに対してなされたものであると断定するには、なお合理的な疑いの存することを払拭することができず、右2件の供与は、被告人の職務行為を離れた、むしろ私的な学習上生活上の指導に対する感謝の趣旨と、被告人に対する敬慕の念に発する儀礼の趣旨に出たものではないかと思われる余地があると言わなくてはならない。」
過去問・解説

(R5 司法 第11問 ア)
公立中学校の教員が、自らが担任を務める生徒の保護者から商品券を受け取った場合、それが慣行的社交儀礼としてなされたものであっても、常に「賄賂」に当たる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭50.4.24)は、「小切手の供与についても、被告人が新しく学級担任の地位についたことから父兄からの慣行的社交儀礼として行われたものではないかとも考えられる余地が十分存するのであって、右供与をもって直ちに被告人が学級担任の教諭として行うべき教育指導の職務行為そのものに関する対価的給付であると断ずるには、…なお合理的な疑が存する…。」としている。
したがって、慣行的社交儀礼として、自らが担任を務める生徒の保護者から商品券を受け取った場合、それが常に「賄賂」に当たるとはいえない。

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