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賄賂の罪(没収・追徴) - 解答モード
金銭貸借の形式の賄賂と没収 最二小決昭和36年6月22日
概要
判例
判旨:「…本件の如く公務員がその職務に関し金員の貸与を受け賄賂を収受した場合において、その金員の没収ができないとき、刑法19条1項3号、2項、19条ノ2によって、被告人からその金額を追徴することができることは、当裁判所の判例とするところであり(昭和33年2月27日第一小法廷決定、刑集12巻2号342頁)、所論は結局単なる法令違反の主張に帰し、刑訴405条の上告理由にあたらない。(なお本件の金員15000円は昭和33年法律第107号による改正前の刑法197条ノ4にいわゆる『収受シタル賄賂』そのものではなく、且つ、右金員は同法19条1項1号にいわゆる『犯罪行為ヲ組成シタル物』ではなくて、同条同項3号にいわゆる『犯罪行為ニ因リ得タル物』と解すべきである…。」
過去問・解説
(H19 司法 第9問 4)
公務員が賄賂として関係業者から借金をした場合、借金という形をとっても実は金銭の贈与を受ける趣旨であれば、当該金銭は没収の対象となるが、本当に借金したにすぎない場合には、刑法第197条の5の規定によっては、受領した金銭を没収することはできない。
賄賂の追徴額の基準時 最大判昭和43年9月25日
概要
判例
判旨:「収賄者は賄賂たる物を収受することによってその物のその当時の価額に相当する利益を得たものであり、その後の日時の経過等によるその物の価額の増減の如きは右収受とは別個の原因に基づくものすぎないのであるから、没収に代えて追徴すべき金額はその物の授受当時の価額によるべきものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H29 司法 第9問 オ)
収賄罪において、収受した賄賂が没収不能となった時点で、収受時と比較してその価額が減じていた場合には、没収不能時の価額を追徴することになる。
収賄罪における追徴の意義 最三小判平成16年11月8日
概要
判例
判旨:「刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの。)197条ノ5の規定による没収・追徴は、必要的に行うべきものであるが、本件のように収賄の共同正犯者が共同して収受した賄賂については、これが現存する場合には、共犯者各自に対しそれぞれ全部の没収を言い渡すことができるから、没収が不能な場合の追徴も、それが没収の換刑処分であることに徴すれば、共犯者ら各自に対し、それぞれ収受した賄賂の価額全部の追徴を命じることができると解するのが相当であり、賄賂を共同収受した者の中に公務員の身分を有しない者が含まれる場合であっても、異なる扱いをする理由はない。
…収賄犯人等に不正な利益の保有を許さないという要請が満たされる限りにおいては、必要的追徴であるからといって、賄賂を共同収受した共犯者全員に対し、それぞれその価額全部の追徴を常に命じなければならないものではないということができるのであり(最高裁昭和26年(あ)第3100号同33年3月5日大法廷判決・刑集12巻3号384頁参照)、裁判所は、共犯者らに追徴を命じるに当たって、賄賂による不正な利益の共犯者間における帰属、分配が明らかである場合にその分配等の額に応じて各人に追徴を命じるなど、相当と認められる場合には、裁量により、各人にそれぞれ一部の額の追徴を命じ、あるいは一部の者にのみ追徴を科することも許されるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(R5 司法 第11問 オ)
裁判所は、収賄の共同正犯者が共同して収受した賄賂について、共犯者各自に対し、公務員の身分の有無にかかわらず、それぞれその価額全部の追徴を命じることができ、相当と認められる場合には、裁量により、各自にそれぞれ一部の額の追徴を命じ、あるいは一部の者にのみ追徴を科することも許される。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平16.11.8)は、「没収・追徴は、必要的に行うべきものであるが、本件のように収賄の共同正犯者が共同して収受した賄賂については、これが現存する場合には、共犯者各自に対しそれぞれ全部の没収を言い渡すことができる…。」とした上で、「賄賂を共同収受した者の中に公務員の身分を有しない者が含まれる場合であっても、異なる扱いをする理由はない。」としている。
また、本判例は続けて、「裁判所は、共犯者らに追徴を命じるに当たって、賄賂による不正な利益の共犯者間における帰属、分配が明らかである場合にその分配等の額に応じて各人に追徴を命じるなど、相当と認められる場合には、裁量により、各人にそれぞれ一部の額の追徴を命じ、あるいは一部の者にのみ追徴を科することも許される…。」としている。