現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

刑法 監督者の過失 最一小判平成22年10月26日 - 解答モード

概要
現場作業者に過失が認定された場合、監督者にも過失が認められうる。
判例
事案:航行中の航空機同士の異常接近事故について、便名を言い間違えて降下の管制指示をした実地訓練中の航空管制官及びこれを是正しなかった指導監督者である航空管制官の両名に業務上過失傷害罪が成立するかが問題となった。

判旨:「被告人甲の言い間違いによる本件降下指示は、便名を言い間違えることなく958便に対して降下指示を与えて、原判決罪となるべき事実にいう907便と958便の接触、衝突等の事故の発生を未然に防止するという航空管制官としての業務上の注意義務に違反したものであり、被告人乙が、被告人甲が958便に対し降下指示をしたものと軽信して、その不適切な管制指示に気付かず是正しなかったことも、被告人甲による不適切な管制指示を直ちに是正して上記事故の発生を未然に防止するという、被告人甲の実地訓練の指導監督者としての業務上の注意義務に違反したものというべきである。そして、これら過失の競合により、本件ニアミスを発生させたのであって、被告人両名につき業務上過失傷害罪が成立する。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H29 共通 第11問 イ)
丙は、甲及び乙が強度の弱いB鋼材で補強工事を行っていることを認識していたが、工期が迫っていたことから、これを黙認したという場合、直接行為者である甲及び乙に過失が認められたとしても、更に丙に過失が認められる余地がある。

(正答)

(解説)
判例(最判平22.10.26)は、航行中の航空機同士の異常接近事故の事案において、「被告人甲の言い間違いによる本件降下指示は…航空管制官としての業務上の注意義務に違反したものであり、被告人乙が、被告人甲が958便に対し降下指示をしたものと軽信して、その不適切な管制指示に気付かず是正しなかったことも、被告人甲による不適切な管制指示を直ちに是正して上記事故の発生を未然に防止するという、被告人甲の実地訓練の指導監督者としての業務上の注意義務に違反したものというべきである。そして、これら過失の競合により、本件ニアミスを発生させたのであって、被告人両名につき業務上過失傷害罪が成立する。」として、過失により直接結果を生じさせた者のみならず、監督すべき義務を負う者も罪責を負うことがありうるとしている。
丙は、工期が迫っていたことから、強度の弱いB鋼材で補強工事を行っていることを黙認している。
したがって、直接行為者である甲及び乙に過失が認められたとしても、更に丙に過失が認められる余地がある。

該当する過去問がありません

前の判例 次の判例