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刑法 窃盗罪の実行の着手時期 最二小決昭和40年3月9日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「被告人は昭和38年11月27日午前0時40分頃電気器具商たる本件被害者方店舗内において、所携の懐中電燈により真暗な店内を照らしたところ、電気器具類が積んであることが判ったが、なるべく金を盗りたいので自己の左側に認めた煙草売場の方に行きかけた際、本件被害者らが帰宅した事実が認められるというのであるから、原判決が被告人に窃盗の着手行為があったものと認め、刑法238条の『窃盗』犯人にあたるものと判断したのは相当である。」
過去問・解説
(H22 司法 第3問 4)
窃盗罪の実行の着手に関する甲の行為を判例の立場に従って検討し、正しいものを選びなさい。
甲は、金品を盗もうと考え、深夜、無人の店舗内において、懐中電灯で真っ暗な店内を照らしたところ、食品類が積んであることが分かったが、なるべく現金を盗みたいと思い、現金がある精算レジに近づいた。この場合、未だレジ内を物色していないので、窃盗罪の実行の着手は認められない。
(H22 司法 第8問 イ)
甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、窃盗罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、乙方応接間で乙と雑談中、乙が部屋を出たすきに隣室にある金目の物を探して窃取しようと思い立ち、乙に対し、「お茶が欲しい。」と言って、乙を台所に行かせたが、乙の娘が応接間に入ってきたため、隣室に行くことができなかった。
(正答)3
(解説)
判例(最決昭40.3.9)は、「被告人は…店舗内において、所携の懐中電燈により真暗な店内を照らしたところ、電気器具類が積んであることが判ったが、なるべく金を盗りたいので自己の左側に認めた煙草売場の方に行きかけた際、本件被害者らが帰宅した事実が認められるというのであるから、原判決が被告人に窃盗の着手行為があったものと認め、刑法238条の『窃盗』犯人にあたるものと判断したのは相当である。」として、金のある烟草売場に行きかけた時点で、結果発生の現実的危険があるとして、窃盗罪の実行の着手を認めている。
甲は、乙が応接間を離れたすきに、隣室で金目の物を盗ろうとしたが、応接間に乙の娘が入ってきたため、隣室に行くこと自体断念しているから、他人の事実上の支配を侵すに付き密接に至る程度に達しておらず、いまだ結果発生の現実的危険が生じているとはいえない。
したがって、甲に窃盗の実行の着手は認められない。