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刑法 業務上横領罪に加功した非占有者 最三小判昭和32年11月19日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「被告人両名はかかる業務に従事していたことは認められないから、刑法65条1項により同法253条に該当する業務上横領罪の共同正犯として論ずべきものである。しかし、同法253条は横領罪の犯人が業務上物を占有する場合において、とくに重い刑を科することを規定したものであるから、業務上物の占有者たる身分のない被告人両名に対しては同法65条2項により同法252条1項の通常の横領罪の刑を科すべきものである。」
過去問・解説
(H23 共通 第16問 ③)
業務上の占有者による横領行為に非占有者が加功した場合の罪責について、教授及び学生が次の【会話】のとおり議論している。【会話】中の( )内に後記アからキまでの【発言】から適切な語句を入れなさい。
【会話】
教授.保険会社の保険料集金担当従業員である甲が、同社の従業員ではない知人乙と共謀の上、集金した保険料を横領した事例のように、業務上の占有者に非占有者が加功した場合のそれぞれの罪責について、共犯と身分の観点から、どのようなことが問題になりますか。
学生.業務上横領罪の成否に関して、同罪は、単純横領罪との関係では業務者という身分があることによって刑が加重・減軽される加減的身分犯であり、他方、非占有者との関係では占有の受託者という身分があることによって犯罪行為になる構成的身分犯となりますから、特に乙に対して、何罪が成立するのかが問題になります。
教授.判例ではこの事例はどのような結論になりますか。
学生.判例は、(③)としています。
教授.判例の立場に対しては、どのような批判がなされていますか。
学生.非身分者について罪名と科刑の分離を認めるのは妥当でないという批判がなされています。
【発言】
オ.刑法第65条第1項により甲には業務上横領罪が、同条第2項により乙には単純横領罪がそれぞれ成立し、甲及び乙は単純横領罪の範囲で共犯となる
カ.刑法第65条第1項により甲及び乙は業務上横領罪の共犯となり、同条第2項により乙に対しては単純横領罪の刑を科す
キ.刑法第65条第1項により甲及び乙は単純横領罪の共犯となり、更に同条第2項により甲については業務上横領罪が成立する
(R1 共通 第19問 3)
非占有者が業務上の占有者による横領行為に加功した場合、当該非占有者には、刑法第65条第1項の適用により業務上横領罪の共犯が成立し、同条第2項の適用により単純横領罪の刑が科される。