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刑法 事後強盗罪の成否(窃盗の機会) 最二小判平成16年12月10日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「被告人は、財布等を窃取した後、だれからも発見、追跡されることなく、いったん犯行現場を離れ、ある程度の時間を過ごしており、この間に、被告人が被害者等から容易に発見されて、財物を取り返され、あるいは逮捕され得る状況はなくなったものというべきである。そうすると、被告人が、その後に、再度窃盗をする目的で犯行現場に戻ったとしても、その際に行われた上記脅迫が、窃盗の機会の継続中に行われたものということはできない。」
過去問・解説
(H25 司法 第12問 2)
甲は、乙宅で財布を窃取し、誰からも追跡されることなく、約2キロメートル離れた場所まで徒歩で移動した後、窃取した財布の中を見たが、予想していたよりも現金が少なかったことから、再び窃盗を行う目的で乙宅に戻り、玄関を開けたところ、帰宅していた乙に発見され、逮捕を免れるために、乙に対し、反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えた。甲には事後強盗既遂罪は成立しない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平16.12.10)は、本肢と同種の事案において、「被告人は、財布等を窃取した後、だれからも発見、追跡されることなく、いったん犯行現場を離れ、ある程度の時間を過ごしており、この間に、被告人が被害者等から容易に発見されて、財物を取り返され、あるいは逮捕され得る状況はなくなったものというべきである。そうすると、被告人が、その後に、再度窃盗をする目的で犯行現場に戻ったとしても、その際に行われた上記脅迫が、窃盗の機会の継続中に行われたものということはできない。」としている。
甲は、誰からも追跡されることなく、約2キロメートル離れた場所まで徒歩で移動した後再び乙宅へ戻っているから、窃盗の機会の継続中に行われたものということはできない。
したがって、甲には、事後強盗既遂罪は成立しない。
(R1 共通 第20問 イ)
乙は、某日午後0時頃、前記の意図でナイフを購入し、それを携帯してV方に向かい、同日午後1時頃、腕時計を盗む目的で、V方に窓から侵入した上、寝室でV所有の腕時計(時価100万円相当)を窃取した。乙は、その後間もなく、V方玄関ドアの施錠を外して戸外に出て、誰からも発見、追跡されることなく、V方から約1キロメートル離れた公園まで逃げた。乙は、同所において、やはり現金も欲しいと考え、再度V方に窃盗に入ることを決意し、V方に戻り、同日午後1時30分頃、V方玄関内に入ったところ、その直後に帰宅してきたVと鉢合わせとなったことから、逮捕を免れるため、前記ナイフをVの面前に示し、Vが恐怖の余り身動きできないうちに逃走した。
乙がVをナイフで脅迫したことについては、腕時計の窃取行為との時間的・場所的な近接性に照らせば、窃盗の機会の継続中に行われたものといえるため、乙に事後強盗罪が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平16.12.10)は、本肢と同種の事案において、「被告人は、財布等を窃取した後、だれからも発見、追跡されることなく、いったん犯行現場を離れ、ある程度の時間を過ごしており、この間に、被告人が被害者等から容易に発見されて、財物を取り返され、あるいは逮捕され得る状況はなくなったものというべきである。そうすると、被告人が、その後に、再度窃盗をする目的で犯行現場に戻ったとしても、その際に行われた上記脅迫が、窃盗の機会の継続中に行われたものということはできない。」としている。
乙は、誰からも発見、追跡されることなく、V方から約1キロメートル離れた公園まで逃げたから、窃盗の機会の継続中に行われたものということはできない。
したがって、乙には、事後強盗既遂罪は成立しない。
(R3 共通 第18問 5)
甲は、乙宅に侵入して財布を盗んだ後、誰にも発見されずに1キロメートル離れた公園へ移動して財布内の現金を確認した。しかし、甲は、その金額に満足せず再度乙宅で窃盗をしようと考え、乙宅を出た30分後に乙宅に戻り、その玄関扉を開けようとしたところ、帰宅していた乙に発見されたため、逮捕を免れる目的で、乙に反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えた。この場合、甲には、事後強盗罪が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平16.12.10)は、本肢と同種の事案において、「被告人は、財布等を窃取した後、だれからも発見、追跡されることなく、いったん犯行現場を離れ、ある程度の時間を過ごしており、この間に、被告人が被害者等から容易に発見されて、財物を取り返され、あるいは逮捕され得る状況はなくなったものというべきである。そうすると、被告人が、その後に、再度窃盗をする目的で犯行現場に戻ったとしても、その際に行われた上記脅迫が、窃盗の機会の継続中に行われたものということはできない。」としている。
甲は、誰にも発見されずに1キロメートル離れた公園へ移動していたから、窃盗の機会の継続中に行われたものということはできない。
したがって、甲には、事後強盗既遂罪は成立しない。