現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

刑法 背任罪における「自己若しくは第三者の利益を図る目的」 大判大正3年10月16日 - 解答モード

概要
247条にいう自己の利益を図る目的とは、身分上の利益その他総じて自己の利益を図る目的で足り、必ずしもその財産上の利益を図る目的であることを必要としない。他人のためその事務を処理する者がその任務に背く行為をし本人に損害を加えた場合であっても本人の利益を図る目的があったときは背任罪とならない。
判例
事案:銀行の取締役在職中、自己の信用面目を保持する目的をもって取締役たる任務に背きたる行為をなし同銀行に金3万5千円の損失を被らせたという事案において、「自己若しくは第三者の利益を図る目的」の「利益」に社会的地位や信用等の身分上の利益が含まれるかなどが問題となった。

判旨:「刑法第247条ハ明ニ本人ニ財産上ノ損害ヲ加ヘタル事実アルコトヲ要求スルニ拘ハラス自己若クハ第三者ノ利益ヲ図ル目的又ハ本人ニ損害ヲ加フル目的アルヲ以テ足レリトシ特ニ其利益又ハ損害カ財産ニ関スルモノナルコトヲ要ス可キ旨ヲ明定セス或ハ同条ノ罪カ財産ニ対スル罪種ナル点ヨリ立論シテ当然財産上ノ利益又ハ損害ノミヲ指称スト断定スル者ナキヲ保セスト雖モ既ニ同条ニ明定シタル如ク本人ニ加ヘタル損害ハ財産上ノ損害ナルコトヲ要スルヲ以テ裕ニ其財産ニ対スル罪種ナルコトヲ認ムルニ足ル可ク必スシモ其目的トシタル利益又ハ損害モ亦財産ニ関スルコトヲ要ス可キ理由ナキノミナラス之ヲ刑法カ其第236条第246条及第249条ニ於テ明ニ財産上不法ノ利益云云ト使用シタル用語例ニ徴スレハ特ニ財産上ノ利益ト限定セサル場合ニ於テハ之ヲ広義ニ解釈セサルヲ得ス之ヲ要スルニ前示条項ニ所謂自己ノ利益ヲ図ル目的トハ身分上ノ利益其他総テ自己ノ利益ヲ図ル目的ナルヲ以テ足レリトシ必スシモ其財産上ノ利益ヲ図ル目的ナルコトヲ要セス又同条ノ罪ハ所謂目的ヲ特定シタル罪種ニ属シ従テ他人ノ為メ其事務ヲ処理スル者カ其任務ニ背キタル行為ヲ為シ本人ニ損害ヲ加ヘタル場合ニ於テモ自己若クハ第三者ノ利益ヲ図ル目的又ハ本人ニ損害ヲ加フル目的ニ出テサルトキハ之ヲ罪ト為ル可キ行為ナリトセサルヲ以テ若シ其目的ニシテ本人ノ利益ヲ図ルニ在リトスレハ之ヲ罰セサルモノト云ハサルヲ得ス」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H22 司法 第9問 1)
「自己若しくは第三者の利益を図る目的」の「利益」とは、経済的利益のことをいい、社会的地位や信用等の身分上の利益を含まない。

(正答)

(解説)
判例(大判大3.10.16)は、「刑法第247条…ニ所謂自己ノ利益ヲ図ル目的トハ身分上ノ利益其他総テ自己ノ利益ヲ図ル目的ナルヲ以テ足レリトシ必スシモ其財産上ノ利益ヲ図ル目的ナルコトヲ要セス」として、247条にいう自己の利益を図る目的は、財産上の利益に限られず、総じて自己の利益であれば足りることを示している。
したがって、「自己若しくは第三者の利益を図る目的」の「利益」には、社会的地位や信用等の身分上の利益も含まれる。

該当する過去問がありません

前の判例 次の判例