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刑法 加重逃走罪の「損壊」の意義 広島高判昭和31年12月25日 - 解答モード
概要
加重逃走罪の「損壊」とは物の実質に対する物理的損壊を意味する。
判例
事案:護送中、看守の隙を窺い捕繩及び手錠を外し手錠を車外に投棄して、列車窓から飛降り逃走したという事案において、加重逃走罪の「損壊」の意義が問題となった。
判旨:「なる程損壊という観念については、物の実質を毀損破壊するとなす狭義の見解と、この外物の価値を滅滅することをも包含するという広義の見解とが存し、毀棄罪における損壊は広義に解されているところである。しかし、毀棄罪における損壊の保護法益が物の財産的価値であるのに反し、拘禁場又は械具な損壊して逃走する加重逃走罪における保護法益は公共法益であって、両者はその罪質を異にし、後者は逃走手段として叙上行為がなされた際逃走の態様を重視し、単純逃走罪に比し刑を加重したものと認むべきである。してみれば、この場合における損壊は右立法趣旨に照し前記狭義観念即ち物の実質に対する物理的損壊を意味するものと解すべく、従って列車で護送中の被告人が逃走に際し、その手段として手錠及び捕繩を外し、且つ手錠を車外に投棄したとしても、これら械具の実質に物理的損壞を加えない限り、右行為は刑法第98条にいう損壞にあたらないものというべきである。」
判旨:「なる程損壊という観念については、物の実質を毀損破壊するとなす狭義の見解と、この外物の価値を滅滅することをも包含するという広義の見解とが存し、毀棄罪における損壊は広義に解されているところである。しかし、毀棄罪における損壊の保護法益が物の財産的価値であるのに反し、拘禁場又は械具な損壊して逃走する加重逃走罪における保護法益は公共法益であって、両者はその罪質を異にし、後者は逃走手段として叙上行為がなされた際逃走の態様を重視し、単純逃走罪に比し刑を加重したものと認むべきである。してみれば、この場合における損壊は右立法趣旨に照し前記狭義観念即ち物の実質に対する物理的損壊を意味するものと解すべく、従って列車で護送中の被告人が逃走に際し、その手段として手錠及び捕繩を外し、且つ手錠を車外に投棄したとしても、これら械具の実質に物理的損壞を加えない限り、右行為は刑法第98条にいう損壞にあたらないものというべきである。」